Windows 11 22H2 Moment 4
新機能過多で「設定」アプリにも大改変 ~「Windows 11 22H2」4回目の大規模更新
Dev Drive、動的ライティング、アダプティブ調光……などなど
2023年10月13日 16:44
2023年9月非セキュリティプレビュー更新プログラムで「Windows 11 バージョン 22H2」4度目の大型アップデートがリリースされ、150以上もの新機能が導入された。今回はそのなかでも「設定」アプリを中心とした改善を紹介する。
新しいホーム画面
まず、「設定」アプリに新しい[ホーム]ページが追加された。これまでは「設定」アプリを起動すると[システム]ページが表示されていたが、今後はこのページが初期状態で開かれる。
この[ホーム]ページには以下の項目がカードスタイルで提供され、よくアクセスする設定に素早くアクセスできるようになる。
- Microsoft 365:「Microsoft 365」サブスクリプションの契約状況をチェック(要「Microsoft アカウント」)
- Xbox:「Xbox」サブスクリプションの状況や特典をチェック(要「Microsoft アカウント」)
- クラウド ストレージ:クラウドストレージの利用状況を表示(要「Microsoft アカウント」)
- Bluetooth デバイス:デバイスのBluetooth接続をON/OFFしたり、デバイスを追加できる。すべての接続済みデバイスを表示する設定ページへ移動することも可能
- 推奨の設定:最近使用した設定と一般によく利用される設定へ手軽にアクセス
- デバイスをカスタマイズする:テーマを選んだり、ライトテーマ・ダークテーマを切り替え
- 引き続きアカウントにアクセスできるようにする:アカウントを回復するときに使うスマートフォンの電話番号が登録されていない場合、追加を促す
なお、このページはWindows 11の「Pro」および「Home」エディションでのみ利用できる。企業で管理されているデバイスでは表示されない。
Dev Drive
開発レポジトリを保管するのに特化したファイルシステム「Dev Drive」が搭載され、関連する設定ページが追加された。
「Dev Drive」は「設定」アプリの[システム]-[ストレージ]-[ディスクとボリューム]ページから作成可能。[システム]-[開発者向け]ページ(後述)にも関連オプションがまとめられている。
動的ライティング
ゲーミングマウスやゲーミングキーボードなど、近年はプログラムで制御可能なライティングシステムを備えたデバイスが増えてきた。当初は各社で実装が独自で、相互に互換性がなかったが、最近では「LampArray HID」と呼ばれるオープン規格が作られ、共通化が図られている。
今回のアップデートでは、こうした「LampArray HID」準拠のデバイスがOS標準でサポートされた。設定は[個人用設定]-[動的ライティング](Dynamic Lighting)設定ページにまとめられており、Windowsのアクセントカラーをライティングデバイスに合わせたり、好きな色でデバイスを光らせたりといったカスタマイズが可能だ。
アダプティブ調光
加えて、サポートするプレゼンスセンサーを搭載するデバイスでアダプティブ調光(Adaptive Dimming)がサポートされる。席から離れたときに画面を暗くしたりすることが可能で、「設定」アプリの[プライバシーとセキュリティ]ページで有効化できる。
[開発者向け]ページの引っ越し
これまで[プライバシーとセキュリティ]にあった[開発者向け]ページは、[システム]以下に移された。もともとはアプリ開発の便宜を図るためにセキュリティレベルを下げるオプションがまとめられていたため[プライバシーとセキュリティ]セクションにあるのが自然だったが、最近はタスクバーの右クリックからプロセスを終了する機能なども加わり、セキュリティに関係のないオプションも増えてきたためだ。
そのほかの変更
そのほかにも、さまざまな調整が行われた。
- 「エネルギーに関する推奨事項」(Energy Recommendations)を拡充。ダークモードを有効化するオプションと、リフレッシュレートを調整するオプションを追加
- [Bluetooth とデバイス]-[スマートフォン連携]ページにスマートフォン連携を無効化するオプション
- スマートフォンのBluetooth経由でインターネットに接続する「パーソナルエリアネットワーク」(PAN)を利用可能に。スマートフォンをデバイスとペアリングし、[Bluetooth とデバイス]-[デバイス]ページからアクセス可能
- [ネットワークとインターネット]ページに携帯電話ネットワークを手軽にON/OFFするトグルスイッチ。詳細な制御のための設定ページも
- [データ使用料]ページで日単位と週単位のデータ制限に対応
- [スタート]画面のWin32アプリを右クリックメニューから簡単にアンインストール可能に
- 「Surface Dial」をはじめとするホイールデバイスの設定ページのデザインを改善
- 設定ページの一貫性を高めるため、リストのデザインが変更
- 「設定」アプリでネットワークアダプターとインターネットプロパティの高度なプロパティにアクセスできるように
- 既知のWi-Fi(無線LAN)のパスワードを「設定」アプリで確認できるように
- タイムゾーンの変更が改善。位置情報が正確でない場合を考慮
- 「タスク マネージャー」の設定ページのデザインを改善
- カメラストリーミングの問題を検出。カメラが起動しない場合、またはシャッターが閉じている場合に通知
- ロック画面のネットワークポップアップボックスが、Windows 11の「Fluent Design System」準拠に
- 「Windows セキュリティ」のファイアウォール通知ダイアログの設計を変更。Windows 11の「Fluent Design System」準拠に
これらの新機能は「Controlled Feature Rollout」(CFR)と呼ばれる機能、つまり一部の環境から徐々に機能を展開する仕組みでコントロールされており、初期状態では無効化されている。有効化するには、オプションを手動で有効化する必要がある。「人柱になってもよいので早く試したい」という方は試してみるとよいだろう。
先行導入した環境で大きな問題がなければ、いずれは一般環境にも展開される。OSの安定性を重視するユーザーは、それまで待つとよいだろう。