Blender ウォッチング
簡単キャラクター作成アドオン「MPFB2」で実際にキャラを作るために必要な知識
専用アセットをダウンロードして髪や服を追加しよう
2022年9月2日 16:30
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
今回は前回の記事でご紹介した、「Make Human」の Blender アドオン版、「MPFB2」の続きです。
前回はインストール方法とベースメッシュ追加・パラメーター編集までを解説しました。今回は「アセット」の追加方法などを取り上げます。
基本アセットパックのダウンロードとインストール
まずは基本アセットパック「MakeHuman System Assets」をダウンロードします。下のリンク先は最初にFAQ(よくある質問)があるため、下の方にスクロールさせてください。
次にBlenderの[サイドバー]の[MPFB(バージョン)]タブの[Apply assets]-[Library Settings]から、[Load pack from zip file]をクリックし、ダウンロードした「makehuman_system_assets.zip」を指定します。
とりあえず[Skins library]を開いてみましょう。人の皮膚のマテリアルが並んでいますので、サムネイルからモデルにあった物を選び、[読み込み]をクリックします。スキンマテリアルが設定されれば成功です。
アセットの使用
では早速他のパーツを……と思い、[Eyes library]などで同様に読み込みをクリックしても、現段階ではエラーメッセージが出て使用できないはずです。
これらの「形状パーツ」のアセットを使用するには、先に「リグ」を設定しておく必要があります。
リグの設定
一度[Apply assets]を閉じ、[リギング]-[Add rig]を開きます。
スクロールするのが面倒な時は[MPFB~]タブをクリックすると、一番上からの表示に戻ります。
追加するリグは「標準リグ」の4種と、Blender同梱アドオンの「Rigify」のリグが選択できます。
標準リグの追加
標準リグは[Add standard]クリックで追加できます。ポーズを付けたい時はその下の[Rig helpers]-[Add helpers]でヘルパーリグを追加できます(Game engineタイプは使用不可)
ちなみに「Game engine」標準リグで最初作成し、後で「Rigifyリグ」に変換することもできますが、執筆時点では変換後にパーツが適用できなくなる問題が発生しました。
質感の設定と調整
他のパーツの入手
上記の「MPFB2 Asset Packs」以外にも、下記リンク先から入手可能です。フィルタリングできるテキスト版もあります。一部(特にCC0の物)は前述の「MPFB2 Asset Packs」のファイルにも収録されています。
Clothes and body extensions thumbnail gallery | www.makehumancommunity.org
各ページにはパーツの情報と、ファイルへのリンクがあります。「MHCLO」「OBJ」「MHMAT」の3つが必要で、同じフォルダーに入れる必要があり、さらにテクスチャ用の画像が提供されている場合はそれも入れる必要があります。使用したパーツでは、自動的にカラー用のテクスチャ画像は読み込むものの、バンプ用のテクスチャは自分で設定する必要がありました。
入手後は上記のファイルをすべて同じフォルダーに入れ(上記の水着の場合なら「f_tops_01」フォルダーなど)、[Apply assets]-[Load MHCLO]-[Load clothes from file]で、中の「.mhclo」ファイルを指定すれば他も読み込んでくれます。
なお[Sub type]で指定したフォルダーに入れてはくれなかったので、今後も使う場合は上記のようにまとめたフォルダーを、前回で指定したデータフォルダー内のサブタイプのフォルダーにまとめて入れてください。
終わりに
ここまでご紹介してきましたが、実際にはアルファ版だけあってエラーなどでやり直したり、最初の画像でもマテリアルに色以外にも手を入れたり(唇のバンプの変更など)、モデル自体も細部の修正や調整を行っており、アセットや設定を組み合わせれば完成、という段階にはまだほど遠い、というのが結論です。
さらにアセットの入手性や管理方法も洗練されていないなど、アドオン以外にも解決すべき点は数多くあるのですが、それでも一から作成するのに比べれば作業時間は大幅に削減されますし、出力されるモデルも悪くないと思います。今後に期待せざるを得ません。
それではまた。