いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】行を追加するたびに集計範囲を指定し直すのは面倒!エクセルで将来のデータの増加を見込んだSUM関数の記述テク
2018年5月28日 06:55
データが増加しても集計対象に含まれるようにしたい
Excelで売上表などを作成して金額を集計する際に、SUM関数を使って求めることは多いと思います。SUM関数はビジネスシーンで多く使用される関数の1つと言っていいでしょう。
一度SUM関数を使って金額などを集計したあとに、集計対象のデータが増えることって意外とありませんか。そのような時、読者のみなさんはどのように対応しているでしょうか。
データが増えるたびに、SUM関数が参照するセル範囲を選択し直すのは面倒ですし、万が一、修正を忘れていたりすると、集計対象から漏れてしまうことになり、トラブルの原因になってしまう可能性もあります。そこで今回は、将来データが増加することを考慮したSUM関数の記述方法を解説します。
オーソドックスなやり方で合計金額を求める
「売上一覧表」の例を使って考えてみましょう。この売上一覧表の右側の欄(①)に、その月の合計金額を求めて表示する場合を考えてみます。まずは通常のやり方で、SUM関数を使って合計金額を求めてみましょう。ここでは「オートSUM機能」を使って算出してみます(すでにおなじみの操作で解説を読むまでもないという方もいると思いますが、復習のつもりで読み進めてみてくださいね)。
合計欄のセルI3(②)を選択した状態で、[ホーム]タブ(③)の[オートSUM](④)をクリックします。
集計対象のセル範囲が自動的に認識されますが(⑤)、集計したいセル範囲ではないので修正します。
集計したいデータの範囲(セル範囲F3:F10)をドラッグして選択し直します(⑥)。
[Enter]キーを押して数式が確定すると、合計金額が表示されます(⑦)。
これが、オーソドックスなSUM関数(オートSUM)の使い方ですよね。
ここで、この売上一覧表に、新しくデータが1件追加された(⑧)場合はどうなるかを見てみましょう。
合計欄(セルI3)の数式を確認してみます。この数式が参照するセル範囲には、新しく追加されたデータ(セルF11の値)は含まれていません(⑨)。したがって、正しく合計金額を計算するには、数式(SUM関数が参照しているセル範囲)を修正する必要がありますよね。
しかし、急いでいたりうっかりして修正を忘れてしまうことがあるかもしれません。すると、誤った集計結果となってしまい、トラブルになりかねません。そこで、次の項では、データの増加を見込んだSUM関数の記述方法について解説します。
SUM関数の引数に列全体を指定する
先ほどと同じ例を使って、今度はデータの増加に対応したSUM関数の記述方法を解説します。ここでも、オートSUM機能を使ってやってみます。
合計欄のセルI3(①)を選択した状態で、[ホーム]タブ(②)の[オートSUM](③)をクリックします。
先ほどと同様に、集計対象のセル範囲が自動的に認識されますが(④)、集計したいセル範囲ではないので修正します。今回はここで、F列の列見出しをクリックして(⑤)F列全体を選択します。
F列全体が選択されました(⑥)。セルI3に表示される数式にも注目してください。「=SUM(F:F)」(⑦)と表示されていますね。「SUM(列名:列名)」という形式で記述され、列全体が集計対象となります。ちなみに、2列以上が集計対象になる時は、SUM(F:H)のように範囲の端となる列を指定します。
[Enter]キーを押して数式が確定すると、合計金額が「¥42,800」(⑧)と表示されます。
では先ほどと同じように、この表に1件データを追加してみましょう(⑨)。すると、合計金額は「¥60,800」(⑩)と自動的に更新されます。新しく追加されたデータの金額も集計に含まれていることがわかりますね。
データの増加を見込んでSUM関数の記述をする
今回は、Excelの売上表などで、データが増加することを考慮したSUM関数の記述方法を解説しました。今回のテクニックを使用すれば、集計対象のデータが増えるたびにセル範囲を選択し直す手間が省けるのでとても便利です。
SUM関数はビジネスシーンでよく使われる関数です。使い方をマスターして、作業効率のアップをはかってくださいね。ぜひ試してみてください。
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