いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】アンケートの入力ルールを守って!エクセルでセルへのデータ入力をサポートする思いやりテク2選

ルールが明確に伝わる入力フォームで無効な回答を減らしたい!

 Excelで作成して配布したアンケートなどの入力フォームに回答が入力されて返送されてきたけれど、全角・半角がバラバラだったり、文字数がオーバーしていたりして、集計に手間取ってしまった……という経験はないでしょうか。

 逆に、受け取った入力フォームの入力ルールが明確でなく、どのように入力したらいいか迷ったことがあるという人もいるでしょう。

 今回は、Excelで入力フォームを作る時に役立つテクニックとして、セルに入力する時に入力ルールなどのメッセージを表示する方法と、無効な内容が入力された時に独自のエラーメッセージを表示する方法を解説します。

テクニック1:セルへの入力時にメッセージを表示する

 1つ目のテクニックは、入力するセルをアクティブにした時に画面上にメッセージが表示されるようにするものです。文字数や全角・半角の区別など、回答者が迷いやすい入力欄で活用できるテクニックです。

 社内の登山同好会の新規メンバー登録フォーム(①)で、入社年度を入力するセルをクリックした時に、西暦で入力するように促すメッセージを表示する例を考えてみましょう。

 入社年度の入力欄にあたるセルB3(②)をクリックして選択し、[データ]タブ(③)の[データの入力規則](④)をクリックします。

 [データの入力規則]ダイアログボックスが表示されます。[入力時メッセージ]タブ(⑤)をクリックし、[セルの選択時にメッセージを表示する]の左側にあるチェックマークがON(⑥)になっているのを確認します。その下に表示される[セルの選択時に表示するメッセージ]欄に、メッセージとして表示させたい内容(⑦)を入力します。

 メッセージが入力できたら、[OK](⑧)をクリックします。

 セルが選択されている時に、付箋のような形でメッセージ(⑨)が表示されるようになりました。

 このようにメッセージを表示すれば、入力者が迷うこともなくなりますね。

テクニック2:無効な内容が入力された時にエラーメッセージを表示する

 2つ目のテクニックは、無効な内容が入力された時に独自のエラーメッセージが表示されるようにするものです。

 先ほどの新規メンバー登録フォームで、全角20文字(半角40文字)以内で入力しなければいけない欄にそれ以上の長さの内容が入力された時に、メッセージが表示されるようにしてみましょう。

 テクニック1と同様に、メッセージが表示されるように設定したいセルをクリックして選択します。ここでは、「好きな山」を入力するセルB10(①)をクリックします。[データ]タブ(②)の[データの入力規則](③)をクリックして、[データの入力規則]ダイアログボックスを表示します。

 エラー時にメッセージを表示したい場合は、まず[設定]タブ(④)をクリックして、セルに入力できる文字列の長さなどの条件を指定します。ここでは全角20文字(半角40文字)以内で入力してもらうようにするため、ちょっとしたテクニックを使います。[入力値の種類]で[ユーザー設定](⑤)を選択し、[数式]に「=LENB(B10)<=40」(⑥)と入力します。この数式の意味については、後ほど説明します。

 これで、セルに入力できる文字数の条件を設定できました。

 次に、同じ[データの入力規則]ダイアログボックスで、[エラーメッセージ]タブ(⑦)を選択します。

 [無効なデータが入力されたらエラーメッセージを表示する]の左側にあるチェックマークがON(⑧)になっているのを確認します。その下の[無効なデータが入力されたときに表示するエラーメッセージ]の部分でエラーメッセージの内容を設定します。[スタイル]はエラーメッセージに表示させるアイコンで、「停止」「注意」「情報」の3種類から選ぶことができます。ここでは「停止」(⑨)を選択します。[タイトル]と[エラーメッセージ]にそれぞれエラーメッセージのタイトルと本文を入力(⑩)します。

 メッセージが入力できたら、[OK](⑪)をクリックします。これで、独自のエラーメッセージを表示させる設定は完了です。

 実際に、全角で20文字を超える文字列(⑫)を入力すると、先ほど設定した内容のエラーメッセージ(⑬)が表示されます。

 今回の例のようにエラーメッセージのスタイルを「停止」にした場合、条件を満たさないデータが入力された時には、エラーメッセージのダイアログボックスに表示される[再試行]をクリックして条件を満たすデータを入力しないと、セルに入力する内容を確定できません。

おまけ:入力を単純に20文字以内に制限するだけなら…

 テクニック2で、入力可能な文字列の長さの範囲として入力した数式の中に出てきた「LENB」は、文字列のバイト数を数える関数です。半角文字は1バイト、全角文字は2バイトなので、入力した数式「=LENB(B10)<=40」は「セルB10に入力できる文字列を40バイト以内にする」という意味になります。したがって、全角なら20文字分、半角なら40文字分以内の文字列が、セルB10には入力できることになります。

 エラーメッセージを表示させる条件を「全角・半角を問わず20文字を超えた場合」とするなら、もっと簡単に設定できます。

 [データの入力規則]ダイアログボックスの[設定]タブで、[入力値の種類]から[文字列(長さ指定)](①)を選択します。[データ]で[次の値以下](②)を選択し、[最大値]に「20」(③)と入力します。

 そのあと、テクニック2と同様に[エラーメッセージ]タブでエラーメッセージの内容を編集します。

 このように設定すると、半角・全角合わせて20文字を超える長さの文字列(④)が入力された時に、エラーメッセージ(⑤)が表示されるようになります。

ひと手間プラスで回答者にも集計者にも優しい入力フォームが作れる!

 今回は、セルをクリックした時に入力ルールなどのメッセージを表示する方法と、無効な内容がセルに入力された時にエラーメッセージが出るようにする方法を解説しました。

 ちょっとしたテクニックを使うだけで、回答者が迷わず回答でき、無効な回答が減って集計が楽な入力フォームを作成できることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 アンケートの作成時などに、ぜひこのテクニックを思い出してくださいね!

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