いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】表の中にある数値を使った総括の文章を表示したい!エクセルでテキストの中に入れ込むために数値を適切な文字列に変換するテク

表内の数値を使って文章を作りたいけれど、表示形式が崩れてしまう

 Excelは「表計算ソフト」であり、「計算」することを主な目的として使用する人が多いため、Wordのように文章を記述するものではないと考えている人は多いですよね。しかしながら、8月第2週の売上記録の例(①)のような週次報告書を作成している時に、売上の合計金額(セルB10)(②)や来場者の合計(セルC10)(③)の値を反映させた週の総括を文章(④)にまとめて表示したいと思ったことはありませんか。

 この表内のB列やC列に入力されている「〇〇円」や「▽△人」といった単位や桁区切りのカンマは、文字列として入力されているのではなく、表示形式を設定することで表示されているものです。表内の値(セルB10やセルC10の値)を使って文章を作成したい場合、「&」を使って文字列を連結するテクニックを応用すればよさそうですが、シンプルに「="売上合計は"&B10&"、来場者の合計は"&C10&"です。"」のように入力してしまうと、セルB10やセルC10に設定されていた「〇〇円」や「▽△人」といった表示形式や桁区切りのカンマなどの書式は解除されてしまいます(⑤)。

 書式設定を残したい場合は、文章を分割して数値は1つのセルに入力しなければならないと思っている読者は多いのではないでしょうか。例えば、「売上合計は」までを1つのセル(B13)に入力し(⑥)、セルC13には「=B10」(⑦)と数値だけを入力して、個別に表示形式を設定するという具合です。

 しかしながら、見栄えは今ひとつですし、列の幅を変更すると表示が崩れてしまうなど問題が多いですよね。

 そこで今回は、Excelで表内の数値を使って文章を作成したい時に役立つテクニックを解説します。これを行うにはTEXT関数を使います。Excel業務において、メインで活躍する関数ではないかもしれませんが、覚えておくとさまざまな場面で利用できます。今回の週次報告書の例のように、表内の値を使って「今週の成果」の文章を作成しておくと、次の週で再利用することになった場合でも、表の部分を更新するだけで文章も自動的に更新されるので便利ですよ。

TEXT関数を使って数値を文字列に変換する

 では、実際にやってみましょう。TEXT関数は、数値を指定した表示形式の文字列に変換する関数です。TEXT関数を使うと、例えば、日付データを「2018年8月6日」という文字列に変換したり、金額データを「1,654」や「20,948円」のような文字列に変換したりできます。「それで、何が便利なの?」と腑に落ちない読者もいるかもしれませんが、前述で挙げたように、文章の中に数値を含めて表示したい場合に、適切な表示形式で表示できるので使い勝手がよいのです。

 TEXT関数は、「=TEXT(値,表示形式)」という書式で記述します。1つ目の引数には変換する数値を指定し、2つ目の引数には適用する表示形式を指定します。セルB13に「売上合計は977,530円、来場者の合計は1,010人です。」(①)と表示させるためには、「="売上合計は"&TEXT(B10,"#,##0円")&"、来場者の合計は"&TEXT(C10,"#,##0人")&"です。"」(②)と入力します。

 数式について、詳しく見ていきましょう。まず、文字列をつなげて表示する場合は「&」を使います。文字列を直接指定する時には、ダブルクォーテーションで囲む必要があるので覚えておいてくださいね。

 売上金額の合計を数値から文字列に変換するために、③の部分では「TEXT(B10,"#,##0円")」と記述しています。1つ目の引数では、変換する数値(セルB10)(④)を指定し、2つ目の引数で表示形式を指定します。「"#,##0円"」(⑤)と指定することで、桁区切りのカンマと金額の後ろに「円」を付けて表示することができます。表示形式はダブルクォーテーションで囲んで指定します。

 来場者の合計の部分も同様に、TEXT関数を使って「TEXT(C10,"#,##0人")」(⑥)と記述します。1つ目の引数では、変換する数値(セルC10)(⑦)を指定し、2つ目の引数で表示形式を指定します。「"#,##0人"」(⑧)とすることで、桁区切りのカンマと数値の後ろに「人」を付けて表示することができます。

 このように、「&」を使用して文字列を連結する場合は、数値を文字列に変換することで、適切な表示形式を保ったまま表示することができます。

 ちなみに、TEXT関数の引数に指定した表示形式は、セルに「ユーザー定義」の表示形式を設定する時に使うものと同じです。日付や金額のように、よく使用するものは覚えておくと応用できますよ。

他のセルの数値を文字列に変換して適切に表示する

 今回は、Excelで文章を入力したい時に役立つTEXT関数の使い方について解説しました。他のセルに入力されている数値を使って文章を作成したい時に、数値を文字列に変換することで適切な表示形式を保ったまま表示できることがわかりましたね。

 Excelは、計算を主な目的として使われることが多いとはいえ、文章を記述したい場面は多々あるでしょう。そんな時にこのテクニックを覚えておくと、整ったスマートな資料を作ることができますよ。ぜひ使ってみてくださいね。

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