いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】数字の羅列では、イマイチ伝わっていない?!エクセルでセルの中に小さなグラフを表示するテク
2020年1月15日 06:55
セル内に小さなグラフを作成できる機能って?
Excelで、売上表や営業実績表などを作成し、その資料をもとに、会議などでプレゼンすることってありますよね。そんな時、一生懸命説明しているのにイマイチ反応が薄い……と感じた経験はありませんか? 表データをグラフにして視覚化すればもっと説得力が増すかも……と思いつく読者は多いと思いますが、グラフを入れるスペースがなかったりすると、なかなかそうもいかないですよね。
Excelには、1つのセルの中に小さなグラフを作成できる「スパークライン」という機能があります。この機能を使えば、データの変化をわかりやすく視覚化できますし、通常のグラフのように、グラフを表示するための大きなスペースは必要ありません。今回は、この「スパークライン」について解説します。
まずはスパークラインを作成してみよう
先ほど、「スパークラインは、セルの中に小さなグラフを作成できる機能」と解説しましたが、文章のみの説明ではイメージできないという読者も多いかもしれません。まずは、実際に作成して、どんなグラフなのか見てみましょう。
次の「商品別売上表」の例を使って、H列(①)にスパークラインを作成してみましょう。Excelのスパークライン機能で作成できるグラフは、「折れ線」「縦棒」「勝敗」の3種類ありますが、ここでは折れ線グラフを作成してみます。
折れ線のスパークラインを作成するセル範囲(H3:H7)(②)を選択した状態で、[挿入]タブ(③)→[折れ線](④)をクリックします。
[スパークラインの作成]ダイアログボックス(⑤)が表示されます。このダイアログボックスで、グラフ化するデータ範囲を指定します。
シート上で、グラフ化したいセル範囲をドラッグして選択(⑥)すると、[スパークラインの作成]ダイアログボックスの[データ範囲]欄にその範囲(B3:G7)(⑦)が自動的に入力されます。
データ範囲が正しく入力されたことを確認したら、[OK](⑧)をクリックします。
すると、H列の各セルの中に、小さな折れ線グラフが表示されます(⑨)。これがスパークラインです。商品ごとの売上金額の推移が視覚化できましたね。
ここで覚えておくべきことは、最初にスパークラインを作成した時点では、グラフの縦軸の最大値と最小値が、1つ1つのスパークラインごとに自動的に調整されるということです。つまり、スパークラインごとに縦軸の目盛りが異なるということになります。よって、例えば「シャンパーニュ紅白セット」の最小値は「90,849」(⑩)で、「ブルゴーニュワイン3本セット」の最小値は「209,841」(⑪)ですが、H列に表示されている折れ線のスパークラインでは、同じ位置(最小値)に見えてしまいます(⑫)。
これでは、スパークライン同士を見比べた時に数値の大小を比較できませんよね。したがって、表全体で縦軸の最大値と最小値を同じ設定にする必要があります。次の項で詳しい操作方法を解説するので、やっていきましょう。
表全体で縦軸の最大値と最小値をそろえる
まず、最大値を設定していきましょう。この表全体で最も大きな値はセルG5の「597,498」(①)なので、その値よりも大きくて切りのいい数値「600,000」を最大値に設定してみましょう。セル範囲H3:H7(②)を選択した状態で、[スパークライン]タブ(③)→[軸](④)をクリックします。表示されるメニューから、[縦軸の最大値のオプション]欄の[ユーザー設定値](⑤)を選択します。
すると、[スパークラインの縦軸の設定]ダイアログボックスが表示されるので、最大値(⑥)を入力(ここでは「600000」と入力)し、[OK](⑦)をクリックします。
縦軸の最大値が変更されました(⑧)。続けて、最小値も同様に設定します。セル範囲H3:H7を選択した状態で、[スパークライン]タブ(⑨)→[軸](⑩)をクリックします。表示されるメニューから、[縦軸の最小値のオプション]欄の[ユーザー設定値](⑪)を選択します。
[スパークラインの縦軸の設定]ダイアログボックスが表示されるので、最小値(⑫)を入力(ここでは「90000」と入力)し、[OK](⑬)をクリックします。
縦軸の最小値が変更されました(⑭)。これで、すべてのスパークラインの縦軸の最大値と最小値がそろったので、スパークライン同士で数値の比較をすることができるようになりました。
スパークラインのスタイルを変更する
スパークラインの折れ線グラフも、通常の折れ線グラフと同様に、線の色を変更したり、マーカーを付けたりすることができます。ここでは例として、折れ線グラフの最大値と最小値の頂点にマーカーを表示し、それぞれ別の色で表示してみましょう。
スパークラインが表示されている範囲H3:H7(①)を選択した状態で、[スパークライン]タブ(②)をクリックします。この[スパークライン]タブにある[表示]グループや[スタイル]グループ(③)で、折れ線のスタイルや色などを設定できます。
[表示]グループにある[頂点(山)](④)をクリックし、チェックマークをONにしてみましょう。同様に、[頂点(谷)](⑤)もクリックしてチェックマークをONにします。H列のスパークラインを見ると、折れ線の最大値と最小値の頂点にマーカーが表示されましたね(⑥)。
では次に、最小値のマーカーの色を変更してみましょう。[スタイル]グループにある[マーカーの色](⑦)をクリックし、[頂点(谷)](⑧)をクリックして表示されるメニューから、設定したい色(⑨)を選択します。
折れ線の最大値と最小値の頂点に、それぞれ異なる色のマーカーを設定できましたね(⑩)。
スパークラインでデータを視覚化しよう
今回は、Excelの「スパークライン」という機能を使って、セルの中に小さなグラフを作成する方法を解説しました。この機能を使えば、データの変化をわかりやすく視覚化できますし、通常のグラフよりも少ないスペースでコンパクトに表せます。作成したスパークラインは、通常のグラフと同様に色やスタイルを変更できることもわかってもらえたと思います。
また、スパークラインには、今回解説した「折れ線」のほか、「縦棒」や「勝敗」もあります。ここでは詳しく解説しないので、興味のある読者の皆さんはぜひ調べて、試してみてくださいね。
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