いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】セル内に改行があると後々面倒なことに!?エクセルの「検索と置換」機能で改行を一括削除するテク

不要な改行を1つ1つ手作業で削除するのが面倒!

 Excelでセルに文字列を入力する時、好きな位置で改行できることを知っていますか? 次の例のように、セルに文字列を入力し、[Alt]+[Enter]キーを押すと、カーソルのある位置で改行されます(①)。

 1つのセルの中でどうしても改行をしたいという場合には便利な機能ですが、使い方を間違えると、あとで編集する際に苦労することもあります。

 次の「募集要項」のセルB6に入力された文字列は、セル内で1行ごとに改行されています(②)(セルB9、セルB10も同様)。この例では、セル内に文字がぴったり収まっているので問題ないように見えますが、B列の列幅を変更すると困ったことになります。

 試しに、B列の列幅を広げてみましょう。列番号の境界線(ここではB列とC列の境目)にマウスポインターを合わせるとマウスポインターの形が変わる(③)ので、を右方向にドラッグ(④)してみます。

 B列の列幅が広がりましたが、最初の列幅に合わせてテキストが改行されてしまっているため、不要な空きスペース(⑤)ができてしまっていますね。

 このような時、[BackSpace]キーや[Deleteキー]を押して、1つずつ改行を削除していくのは面倒な作業です。数カ所だけならまだしも、該当箇所が大量にある場合は、気が遠くなりますよね。そこで今回は、[検索と置換]ダイアログボックスを使って、改行を一気に削除する方法を解説します。

[検索と置換]ダイアログボックスで改行を削除する

 実はセル内で[Alt]+[Enter]キーを押すと、目には見えない改行コードが入力されています。ここでは、[検索と置換]ダイアログボックスを使って改行コードを一気に削除します。まず、[ホーム]タブ(①)→[検索と置換](②)→[置換](③)をクリックして、[検索と置換]ダイアログボックスを表示します。この時に[Ctrl]+[H]キーを押すと、[検索と置換]ダイアログボックスをすばやく表示できます。

 [検索と置換]ダイアログボックスが表示されたら、[検索する文字列]欄内をクリック(④)し、カーソルが表示された状態で、[Ctrl]+[J]キーを押します(⑤)。これで、[検索する文字列]欄に改行コードを入力したことになります。キーを押しても何か文字が表示されるわけではないので、少しわかりづらいですね。

 [置換後の文字列]欄には何も入力せず(⑥)、[すべて置換](⑦)をクリックします。

 すると置換処理が行われ、処理が完了したらメッセージが表示されるので、[OK](⑧)をクリックします。

 再び[検索と置換]ダイアログボックスが表示されたら、[閉じる]をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 シートに戻るので、結果を確認してみましょう。セルB6、セルB9、セルB10にあった改行が削除され、広がった列幅いっぱいに文字列が表示されるようになりましたね(⑨)。

 この方法を使えば、いちいち手作業で改行を削除する必要がなくなるので、手間が省けますね。

 なお、このあと続けて、[検索と置換]ダイアログボックスで検索や置換を行う場合は注意が必要です。置換処理が完了したあとでも、[検索と置換]ダイアログボックスの[検索する文字列]欄には、[Ctrl]+[J]キーで入力した目に見えない改行コードが入力されたまま残っています。新たに別の文字列で検索を行う場合は、必ず[検索する文字列]欄で[Delete]キーを押して、目に見えない「改行」を削除する必要があります。これを忘れていると、存在するはずの文字列がヒットせず、なぜヒットしないのかわからないという状況に陥る可能性があります。

[検索と置換]ダイアログボックスで一気に改行を削除する

 今回は、[検索と置換]ダイアログボックスを使って、セル内の改行を一気に削除する方法を解説しました。読者の皆さんの中には、[検索と置換]ダイアログボックスで一気に改行を削除できることを知らなかったという人も、案外多いのではないのでしょうか。

 セル内の改行をまとめて削除したいというシチュエーションに出くわした時は、この方法を思い出して、業務の効率化に役立ててくださいね。

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