やじうまの杜

Unicodeに入っているこの謎の文字の正体は?

変な文字のコードの調べ方と、入力の仕方

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風変わりなキリル文字がアツいとちょっと話題に

 ロシアの一修道院に保管されている教会スラヴ語訳聖書に一回だけ登場するという謎の文字が、「Twitter」でちょっと話題になっています。

 今回は、この風変わりな「ꙮ」という文字について調べてみましょう。そのままググってもいいのかもしれませんが、文字1つだけだとあまりよい検索結果が得られないので、まずは文字コードを調べるとよいでしょう。

 Windowsの場合、「PowerShell」で「ꙮ」をchar、intにキャスト(文字型、整数型として解釈)してあげると、簡単に文字コードが得られます。

> [int][char]"ꙮ"

42606
「PowerShell」で「ꙮ」をchar、intにキャストあげる

 あとは「Unicode 42606」などとググってあげると、Unicode文字を解説したWebサイトにたどり着けるはず。「42606」を16進数表記「A66E」にし、先頭に「U+」を付けてググってもよいです(U+A66E)。

「Unicode 42606」などとググってあげる(Wikipediaの解説ページ
16進数へ変換するには、「電卓」アプリの[プログラマー]モードが便利。もちろん、「PowerShell」に慣れていればそっちでも

 こんな感じで調べていくと、「ꙮ」は「キリル文字拡張B」(Cyrillic Extended-B)というUnicodeブロックに含まれており、「Multiocular O」(複数の mult+oculus 目の「O」)と呼ばれていることがわかります。出典の写本では目が10個あるのですが、この文字に含まれる目は7個だけです。残り3個はどこに行ったのでしょうか。

 また、「Ꙩ」「ꙩ」「Ꙫ」「ꙫ」「Ꙭ」「ꙭ」といった兄弟(?)がいるっぽいのも面白いですね。この子たちはなにを意味するのでしょうか。

 ちなみに「ꙮ」を入力したい場合は、「A66E」を入力してから[Alt]+[X]キーを押してみましょう。入力した文字コードが「ꙮ」に変換されるはずです。この技は「RichEdit」コントロールを利用している「ワードパッド」などで利用できるので、興味がある方は試してみてください。

「A66E」を入力してから[Alt]+[X]キーを押す

 Windows 11ならば「メモ帳」でも同じ方法が使えますが、これはWindows 11で「メモ帳」のアーキテクチャーが刷新されたおかげです。見てくれをちょろっと変えただけではないというのがわかりますね。