やじうまの杜

今までありがとう! 日本人プログラマー向けフォントの先駆者「Ricty」の開発が終了

優秀な後継者たちを評価してみてね

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「Ricty」の公式サイト

 いささか旧聞に属しますが、日本人プログラマー向けフォント「Ricty」のメンテナンスが終了してしまったそうです。

Ricty および Ricty Diminished は、2010 年代前半には欧文・和文合成プログラミング用フォントとして先駆的でしたが、現在は前時代的な存在となっています。不具合もいくつか確認されています。良質なプログラミング用フォントが数多く登場していますので、それらの利用をおすすめします。

「Ricty」公式サイトより引用

 開発環境やターミナルでの可視性を重視したプログラマー向けのフォントは数多くあります(最近でも「FiraCode」「Cascadia Code」などが新たに開発されています)が、ほとんどはアルファベットと記号のみを考慮しており、日本語のコメントを表示することは考慮されていません。

 そこでプログラミングに向いた欧文フォント(Inconsolata)と日本語の文章を表示するのに適した和文フォント(Migu 1M)を組み合わせ、ソースコードも日本語も美しく表示できるようにしたのが「Ricty」です。全角空白が混入してコンパイルエラーが発生することのないよう可視化するといった工夫も凝らされています。

 窓の杜でこの手のフォントを扱いだしたのが2015年の「Source Han Code JP」からで、お恥ずかしながら先駆者である「Ricty」に触れる機会はなかったのですが、「Twitter」には「お世話になった」「いまだに愛用している」という声が多く寄せられていました。

 「Ricty」がすぐに使えなくなったり、利用を継続すると大きなセキュリティリスクがあるといったわけではありませんが、バッククォートの表示がおかしくなるなどの不具合が残されたままになっているそうです。環境を再構築するときにでも、以下の後継者たちを評価してみてください。

 また、他にもおすすめのプログラミング向けフォントがあれば教えてくださいね。改めて本誌で紹介したいと思います。