年末年始に試したいWindows 10最新機能
第2回
スマホはカバンに入れたままでOK、PCから写真やSMSにアクセスしよう
「Continue on PC」「スマホ同期」「Microsoft Edge」でスマホとPCの垣根を取り払う
2018年12月28日 07:15
「Continue on PC」から再始動した「Windows 10」のモバイル連携
「Windows 10」はもともとデスクトップPCだけでなく、タブレットPCやモバイル端末、家庭用ゲーム機(Xbox)、VR/MR、組み込み(IoT)までをカバーするOSとして構想されていました。
しかし、モバイル端末をカバーしていた「Windows 10 Mobile」のシェアは一向に拡大しませんでした。そして2017年10月、とうとう開発の事実上凍結が公表。モバイルOSのシェアはiOS/Androidに独占され、スマートフォンへの足掛かりを失ってしまいます。
とはいえ、PCよりもスマートフォンをイジっている時間の方がずっと長くなった昨今、モバイル連携を放置するわけにはいきません。そこで2017年夏にリリースされたのが、「Continue on PC」アプリでした。
これはOSの共有機能を利用して、スマートフォンで閲覧しているWebページをデスクトップの「Microsoft Edge」へ送信するアプリです。
次いで2017年秋にはモバイル版の「Microsoft Edge」をiOS/Androidへリリース。PC版「Microsoft Edge」の使い勝手を極力再現するとともに、「Continue on PC」の機能やPCとのデータの同期をサポートしました。
「スマホ同期」アプリの搭載でモバイル連携は新しいステージへ
「October 2018 Update」では、これらに加えPCに新しい連携アプリが導入されました。それが「スマホ同期」アプリです(「April 2018 Update」でも利用可能)。
「スマホ同期」(英語名「Your Phone」)は、当初「同期電話」とも呼ばれていたアプリです。PCとスマートフォンを同じ“Microsoft アカウント”へログインさせておけば、スマホで撮影した写真をPCから閲覧・取得したり、SMSを送受信することが可能です。
セットアップを行うには、PCとスマートフォンをリンクさせる必要があります。詳しい方法に関しては、以前に紹介した記事を参照してください。同じ手順を繰り返せば、複数のスマートフォンをリンクさせることも可能です。
なお、以下の機能は今のところAndroidでのみサポートされています。iOSでは利用できないので注意してください。
写真へアクセスする
「スマホ同期」アプリは、スマートフォンへリモートアクセスして、端末に保存されている写真やスクリーンショットを一覧表示できます。リストアップされた画像をクリックすれば、既定のフォトビューワーで開くことが可能。たとえば、「フォト」アプリで開くと回転や切り抜き、ペンでのお絵かき、エフェクトの追加などが可能です。右クリックすれば[コピー]コマンドや[共有]コマンドにアクセスできます。
なお、リストアップできるのは最近撮影されたもの25枚だけです。“同期”というより、リモートでのぞき込んで取り出す感覚ですね。
SMSの送信
また、テキストメッセージ(SMS)を扱うことのできる端末であれば、「スマホ同期」アプリからSMSの読み書きが可能です。スマホをカバンに入れたまま着信メッセージを確認したり、PCのキーボードでメッセージをサクサク返信できる点が魅力です。
ただし、この機能にもいくつかの制限があります。まず、パフォーマンス上の理由で、リストアップできるメッセージは過去30日間に送受信したものに限られます。
また、SMS(ショート メッセージ サービス)だけでなく、MMS(Multimedia Messaging Service)を利用することもできますが、写真やビデオといった添付ファイルはサポートされていません。
そのほかにも、両機能で共通の制限が2つあります。まずは先ほど挙げたiOSをサポートしていない点。とくに日本ではiPhoneユーザーが多いので、できるだけ早い対応が望まれます。
2つ目はWi-Fiが必須で、携帯データネットワークしかない場合は写真やSMSへアクセスできない点です。プライベートなWi-Fiを確保しにくい出先では少し使いづらいですね。
「スマホ同期」アプリはなかなか便利ですが、使い始めると細かい機能制限が気になってきます。一層の普及を図るには、こうした部分の改善が必要になりそうです。
もっとシームレスに連携したい
そのほかにも、注目したいモバイル連携機能としては“タイムライン”の同期があります。Android向けのホーム画面アプリ「Microsoft Launcher」の最新版は「Windows 10」の“タイムライン”をサポートしており、PCのアクティビティ(最近利用したファイルや閲覧したWebページ)へすばやくアクセスできます。
また、複数の端末でメモを同期できるようになった「Sticky Notes」や、タスクの同期をサポートした「Microsoft ToDo」にも期待したいところです。
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