Windows 11 バージョン 22H2の新機能を使いこなす
第4回タスクバーのD&Dが復活! 応答不可モードも導入された「Windows 11 2022 Update」
2022年9月28日 16:27
Windows 11でもっとも目を引くのは、なんといっても中央揃えになったタスクバーでしょう。しかし、見た目には新鮮であるものの、いまだ馴染めない人も少なからずいるようです。とくにタスクバーをデスクトップ上部や左右に配置したい人にとって、「Windows 11 2022 Update」はとくに恩恵のないアップデートです。
それでも、「Windows 11 2022 Update」に加えられた新機能のいくつかはなかなか興味深いものです。「Windows 10ではできたのになぜ?」というあの仕様も修正され、すみずみにまで「Fluent Design System」が適用され、デザインの統一性が向上しました。
連載の第4回となる今回は、このタスクバーの改善に目を向けてみましょう。タスクバーとタスクトレイ、通知機能、クイックアクションは切っても切れない関係にあるので、併せて触れていきたいと思います。
応答不可モード
作業に集中したいのに、通知音とともにデスクトップ右隅へトースト通知(ポップアップみたいなアレです)がちらちら表れ、目障りだと感じることはありませんか? そんなときのために、Windows 11には「集中モード」という機能が備わっており、タスクトレイの[クイック設定]で3つのモードを切り替えられるようになっています。
- オフ:すべてのトースト通知をデスクトップに表示
- 重要な通知のみ:「優先度リスト」に登録されたアプリからのトースト通知のみをデスクトップに表示。それ以外はトーストを表示せず、「通知センター」へ直接送る
- アラームのみ:アラーム以外のすべての通知を「通知センター」へ直接送り、トースト通知は表示しない
しかし、これでもまだシンプルとはいいがたいようで、あまり活用されていなかったようです。
そこで、「Windows 11 2022 Update」では「集中モード」が「応答不可(Do Not Disturb)モード」という名前になり、ON/OFFを切り替えるだけという仕様に整理されました。それも「通知センター」の最上部に新設されたアイコンをクリックするだけです。「応答不可モード」がONの場合はわかりやすい説明が表示され、「設定」アプリへのリンクも追加されました。
これに伴い、「設定」アプリの[システム]-[通知]セクションも大幅に改められています。指定した時間帯に自動で「応答不可モード」を有効化したり、セカンダリモニターをつないでプレゼンを行っている間や、ゲームを楽しんでいる間に「応答不可モード」をONにする機能もありますので、自分好みにカスタマイズしてみてください。
フォーカス
カレンダーセクションにある[フォーカス]というボタンは、「Windows アラーム & クロック」の「フォーカス セッション」を開始するためのボタンです。
「フォーカス セッション」は、長い時間をいくつかの「セッション」に区切り、合間に休憩をはさみながら、効率よく作業を進めるためのタイマーです。「Spotify」と連携させて好きな音楽を聴きながら作業したり、「Microsoft To Do」のタスクを「セッション」に紐づけることができます。
詳しくは新しい「クロック」アプリの解説記事をご覧ください。
タスクバーでのドラッグ&ドロップに対応
つい通知関連の話ばかりしてしまいましたが、タスクバーでもいくつかの改善が行われています。
なかでも、ファイルなどをタスクバーへドラッグ&ドロップできるようになったのは朗報。Windows 10ではできたにもかかわらず、Windows 11では使えなくなってイライラさせられることが多かったのですが、ようやく改善されます。
この問題を回避するためのユーティリティも不要となりました(今までありがとうございます!)。
「クイック設定」の改善
「クイック設定」は、タスクバー右側にあるネットワークや音量、バッテリーのアイコンをクリックすると現れるパネルで、さまざまな設定を手軽にON/OFFできます。
「Windows 11 2022 Update」では、この「クイック設定」にも若干手が加えられました。
- 音量スライダーの右側にデバイス切り替えアイコンを追加
- 「アクセシビリティ」に「ライブ キャプション」機能を追加(連載後半で詳述)
- 「集中モード」の削除(「応答不可モード」の導入に伴い)
- Bluetoothデバイスの管理が可能に
- カラープロファイルの切り替えコマンドを追加
とくに「Bluetooth」パネルの拡充は便利。わざわざ「設定」アプリにアクセスしなくてもペアリングできるだけでなく、デバイスのバッテリー残量も確認することができます。
新しいショートカットキー[Windows]+[Alt]+[K]
「Microsoft Teams」(会社と学校向け)をはじめとする一部対応アプリでマイクを利用すると、タスクトレイにはマイクをミュートするためのボタンが追加されます。
「Windows 11 2022 Update」ではこのミュート機能に[Windows]+[Alt]+[K]というグローバルショートカットキーが割り当てられました。わざわざマウスに手を伸ばさなくても、キーボード操作だけでオンライン会議をミュートできます。
この機能は「Teams」限定というわけでなく、対応次第でほかのアプリからも利用可能。他のオンラインミーティングツールによるサポートにも期待したいですね。
タスクバーから画面共有
オンライン会議中にアプリの画面を共有する場合、ミーティングアプリから共有するアプリを選択するのが一般的です。しかし、あまり直感的とはいえず、また誤操作も心配です。
そこで「Windows 11 2022 Update」では、タスクバーのライブサムネイルに[このウィンドウを共有]というボタンが追加されました。先ほどのミュート機能と同様、対応アプリでしか利用できませんが、タスクバーから画面共有するウィンドウを選択するのはわかりやすく、ミスも起こりにくいでしょう。
キャスト機能のタスクトレイアイコン
Windows 10/11にはデバイスを「Miracast」レシーバーにする機能が備わっており、他のデバイスへ接続してサブモニターにすることが可能です。現在ではOSに標準で含まれていないため、機能の有効化などの手続きが必要となりますが、一度設定を済ませてしまえば「クイック設定」の「キャスト」コマンド([Windows]+[K]キー)から利用可能です。
「Windows 11 2022 Update」では、このキャスト機能の利用中に専用のタスクトレイアイコンが表示されるようになりました。キャスト中であることがわかりやすくなるほか、「クイック設定」の「キャスト」パネルへのアクセスも容易になります。
そのほかにも、初期リリースには含まれていませんが「タスクバー オーバーフロー メニュー」が10月に追加される予定。こちらも楽しみですね。
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