先取り!Windows 11 2024 Update(24H2)

第1回

7z/TAR圧縮だけじゃない! 「Windows 11 2024 Update」におけるシェル改善

「エクスプローラー」における新要素

 今秋の正式リリースが予定されている「Windows 11 2024 Update」(バージョン 24H2)の新要素を紹介する本連載。初回となる本稿では、「エクスプローラー」における新要素に触れる。

プライマリメニューのラベル

 「バージョン 24H2」では「エクスプローラー」本体に大きな変更はないが、ファイル・フォルダーの右クリックメニュー(コンテキストメニュー)でいくつかの改善が行われている。

 まず、コンテキストメニューのプライマリメニューコマンドにわかりやすいラベルが追加された。プライマリメニューとはコンテキストメニュー上部にあるコマンド群で、クリップボード関連のコマンド(コピーや貼り付け)、名前の変更(リネーム)、共有、削除といった頻繁に使われるコマンドがアイコン化されている。

 このアイコン化されたコマンドは、Windows 11におけるデザイン上の特徴の一つであったが、アイコンだけは機能がわかりにくいという声が上がっていたのだろう。アイコンの下に小さくコマンド名が表示されるようになった。

コンテキストメニューのプライマリメニューコマンドにわかりやすいラベルが追加

7z/TAR圧縮

 かつてのWindows 11ではZIP形式の書庫ファイル(アーカイブ)しか扱えなかったが、「Windows 11 バージョン 22H2」の2023年9月プレビューパッチで「.tar」や「.gz」、「.rar」、「.7z」(7-zip)などの展開(解凍)がサポートされた。

 「バージョン 24H2」ではこれに加え、「.tar」と「.7z」形式での圧縮がサポートされた。ファイルやフォルダーの右クリックメニューに[圧縮先]という項目が追加され、以下のサブ項目が選べるようになっている。

ファイルやフォルダーの右クリックメニューに[圧縮先]という項目が追加
  • ZIP ファイル
  • 7z ファイル
  • TAR ファイル
  • 追加オプション

 追加オプションを選ぶと新しい圧縮ウィザードが現れ、アーカイブの形式や圧縮方法、圧縮レベル、シンボリックリンクの保持、ハードリンクの保持といった詳細な設定が可能だ。

新しい圧縮ウィザード。新設計にもかかわらず、ダークモードには対応していない

 選べるアーカイブの形式は、現在のところ以下の通り。

  • 7zip
  • tar(GNU)
  • tar(POSIX pax インターチェンジ)
  • tar(制限付き POSIX pax インターチェンジ)
  • tar(POSIX ustar)
  • ZIP

 前述の[圧縮先]で[TAR ファイル]コマンドを選んだ場合は、自動で「ustar」が選ばれるようだ。TARには歴史的な事情でさまざまな形式があるが、「ustar」はファイルサイズ(8GB)やファイル名の長さ(256文字)に制限があるものの、もっとも普及しており互換性が高い。

TAR/7z形式は「エクスプローラー」への関連付けも可能
「エクスプローラー」で開いたときの扱いはZIP形式と同じようだ

 なお、この要素は2024年7月のWindows新機能として案内されている。編集部ではまだ確認できていないが、「バージョン 24H2」より古いバージョンでも導入される可能性もあるだろう。

 また、RAR形式での圧縮(.rar)はまだサポートされていない。暗号化を伴う圧縮もまだできない。

PNGファイルのメタデータ

 「バージョン 24H2」におけるシェルの改善は、これだけではない。細かい要素ではあるが、PNG形式の画像ファイルでメタデータがサポートされ、ファイルのプロパティダイアログで確認できるようになった。他の画像形式のようにスターの設定、説明の変更、キーワードの追加などが行える。

「バージョン 24H2」におけるPNG画像ファイルのプロパティダイアログ(左)。「バージョン 23H2」(右)よりも項目が多くなっていることがわかる

ライブサムネイルの改善

 さらに、タスクバーで「エクスプローラー」タスクのライブサムネイルを表示する際、複数のタブがあるならばその数が表示されるようになった。

翻訳に不安が残るが、タブが2つある「エクスプローラー」タスクのライブサムネイルにはその旨の説明が付記される