先取り!Windows 11 2024 Update(24H2)

第0回

「Windows 11 2024 Update」を一足先に体験! Release Preview版のインストール方法

「Windows 11 2024 Update」(バージョン 24H2)のダウンロード案内

 「Windows 11」では毎月の「品質更新プログラム」に加え、年1回の「機能更新プログラム」が提供されている。今年は秋に「Windows 11 2024 Update」(バージョン 24H2)がリリースされる予定で、現在Release Previewチャネルでテスト中。まだ確定ではないが、以下の新機能と改善が提供されるという。

  • HDRデスクトップ壁紙のサポート
  • 「Energy Saver」と呼ばれる新しい省エネルギー機能
  • Sudo for Windows:Linuxの「Sudo」に似たコマンド。コマンドラインで一時的に管理者権限を得たいときに役立つ
  • Rust言語で開発したWindowsカーネル:メモリ破壊バグの少ないカーネルで安全に
  • 「Wi-Fi 7」対応:理論上の最大通信速度は46Gbps
  • Voice clarity:話者の状態(着席、起立、部屋の中を移動)にかかわらず、相手にクリアな音声を届ける。「Surface」デバイス以外でも利用可能に
  • スクロール可能なクイック設定
  • ファイル・フォルダーの右クリックメニューからTAR/7z形式のファイル圧縮
  • Bluetooth Low Energy Audio接続の改善
  • スクロール可能な[クイック設定]フライアウト

 本連載では、執筆時現在のWindows 11プレビュービルドをもとに、「バージョン 24H2」に含まれる新要素を紹介していくが、今回はその詳細に触れる前に「バージョン 24H2」を体験する方法に触れたい。

1つ目のアップグレード方法:「Windows Update」を利用

 「Windows 11 バージョン 24H2」は現在、「Windows Insider Program」でテストされており、「Microsoft アカウント」さえあれば無償で参加できる。

「設定」アプリの[Windows Update]-[Windows Insider Program]ページ。「Microsoft アカウント」さえあれば無償で参加できる

 「Windows Insider Program」にはいくつか“チャネル”があるが、製品版にもっとも近いのは「リリース プレビュー」(Release Preview)だ。「バージョン 24H2」に興味がある場合は、これを選択するとよいだろう。

「リリース プレビュー」(Release Preview)を選択

 チャネルの選択をOSへ反映させるには、OSの再起動が必要。再び[Windows Update]設定ページでアップデートの有無をチェックすると、「Windows 11 バージョン 24H2」のダウンロードが案内される。

チャネルの選択をOSへ反映させるには、OSの再起動が必要
「Windows 11 バージョン 24H2」のダウンロードが案内される(再掲)

 ここで[ダウンロードとインストール]というボタンを押さない限り「バージョン 24H2」へのアップグレードは開始されないが、これは「シーカー」(Seeker)エクスペリエンスと呼ばれる。リリース当初はあくまでも「バージョン 24H2」に興味をもち、進んでアップデートを探している(Seek)ユーザーにのみ、アップグレードが提供されるというわけだ。つまり、言葉は悪いが“人柱”になる覚悟があるユーザーだけが「バージョン 24H2」へアップグレードできる。

2つ目のアップグレード方法:ISOイメージファイルを利用

 また、「Windows 11 バージョン 24H2」はISOイメージファイルとしても配布されている。フレッシュな環境で「バージョン 24H2」を試したい場合や、初期セットアップ画面(OOBE)も体験したい場合は、このISOイメージファイルをインストールメディアにしてセットアップするとよいだろう。

 ISOイメージファイルを入手するには、まずダウンロードページへアクセスする。「Microsoft アカウント」でサインインしていない場合は、ページ右上のプロフィールアイコンをクリックし、「Windows Insider Program」へ登録済みのアカウントでサインインしよう。

ページ右上のプロフィールアイコンをクリックし、「Windows Insider Program」へ登録済みのアカウントでサインイン
「Microsoft アカウント」でサインインした状態の場合。

 「Microsoft アカウント」でサインインした状態の場合、下へスクロールするとダウンロードするエディション(edition)を選択できるはずだ。ここでは以下の選択肢を選び、[Confirm](確認)ボタンを押す。

  • 「Windows 11 Builds 26100.xxx」(Release Preview Channel)
  • Japanese

 [64-bit Download]というボタンが現れたら、これをクリックしてダウンロードを開始しよう(ダウンロードリンクは24時間限定なので、保存しておいても意味はない)。編集部で試したところ、ファイルサイズは5.5GBだった。

下へスクロールするとダウンロードするエディション(edition)を選択できる
ダウンロードしたISOイメージファイルをマウントした様子。

 この方法を試すユーザーはすでにOSのセットアップ経験があるものとして、本稿ではISOイメージファイルの使い方までは説明しないが、Build 26040以降、メディアセットアップエクスペリエンスがよりクリーンでモダンなデザインへアップデートされている点には注意したい。

新旧エクスペリエンス

 新しいエクスペリエンスは、基本的には旧エクスペリエンスと機能上の違いはない。ただし、ワークフローの一部に影響が出る可能性があるため、組織的に導入する際は前もってテストをしておくことをお勧めする。

 毎月実施される品質更新アップデート(月例パッチ)のサイズをより小さくするため、「Windows 11 バージョン 24H2」および「Windows Server 2025」からチェックポイント累積アップデート」(checkpoint cumulative updates)と呼ばれる仕組みが導入される予定だ。

 エンドユーザー側で準備しなければならないことは基本的にないが、IT管理者は詳細をチェックしておくべきだろう。