先取り!Windows 11 2024 Update(24H2)
第9回「Windows 11 2024 Update」で使えなくなる(かもしれない)機能とアプリ【10月1日追記】
2024年8月16日 14:20
今秋の正式リリースが予定されている「Windows 11 2024 Update」(バージョン 24H2)の新要素を紹介する本連載。最終回となる本稿では、「バージョン 24H2」で削除予定の機能とアプリに触れる。利用中の場合は後継アプリへの移行が必要となる場合があるので注意したい。
同社はサポートページで非推奨のアプリ・機能を案内しており、将来バージョンのOSで削除される可能性があるとしている。なかでも「バージョン 24H2」での削除が明言されているのは、以下の3つだ。
- Windows Mixed Reality
- WMIコマンド
- NPLogonNotify/NPPasswordChangeNotify API
Windows Mixed Reality
「Windows Mixed Reality」(Windows MR)は、対応するヘッドセット・コントローラーと組み合わせてWindowsで手軽に「複合現実」(MR)を体験できるようにした機能。「Windows 10 Fall Creators Update」の目玉機能として導入され、「Minecraft for Windows 10」や「SteamVR」などがサポートしていたが、それ以上の広がりは見られず、近年は大きなアップデートが行われていなかった。
「Windows MR」は「バージョン 24H2」で削除され、完全に利用できなくなる。これには「Mixed Reality Portal」アプリ、「Windows Mixed Reality for SteamVR」アプリ(ベータ版を含む)も含まれる。
利用を継続したい場合は、「バージョン 23H2」に留まることで2026年11月まで「Steam」でアクセスできる。ただし、「Windows MR」関連のセキュリティ更新プログラム、非セキュリティ更新プログラム、バグ修正、テクニカルサポート、オンラインテクニカルコンテンツは更新されない。
なお、この変更は「HoloLens」には影響しない。Microsoftは「HoloLens」と法人顧客向けのサービスを継続するとしている。
WMIコマンド
「WMIC」(Windows Management Instrumentation Command line)は、システム情報を取得・管理できるOS機能「WMI」のコマンドラインインターフェイス。現在では「PowerShell」への置き換えが進んでおり、2016年から「Windows Server 2012」で「非推奨」とされた。クライアントOSに関しても、2021年に非推奨となっている。
「バージョン 24H2」では既定無効となるが、必要があればいつでも追加できる「Feature on Demand」(FoD)機能として引き続き提供される。
NPLogonNotify/NPPasswordChangeNotify API
「バージョン 24H2」ではセキュリティが強化され、既定でMPR(複数プロバイダー ルーター)通知にパスワードが含まれなくなる。従来と同じ動作にするには「EnableMPRNotifications」ポリシーを有効化すればよいが、推奨はされない。
標準アプリ
また、これまでOSに同梱されていた標準アプリの一部も、クリーンインストールしたときに含まれなくなる。プレビュー版OSでは、アップグレードの際に消えることもあるようなので注意したい。
- 「コルタナ」
- 「ヒント」(Tips)
- 「ワードパッド」(WordPad)
- 「音声認識」
「マップ」「映画 & テレビ」アプリもプレビュー版OSからはすでに削除されており、「バージョン 24H2」のクリーンインストールには含まれない可能性がある。
なお、Windows 11標準の「メール」「カレンダー」アプリは2024年に終了し、「Outlook」アプリへ移行される。もし古いアプリが残っていても、不具合で起動できない場合があるようだ。代わりに「Outlook」アプリを利用しよう。
また、スタンドアロンのコンシューマー向け「Microsoft Teams」アプリも、個人と仕事両対応の新しい「Microsoft Teams」アプリへ切り替わる。
ハードウェア要件
広く告知はされていないが、「バージョン 24H2」ではハードウェア要件も変更されており、POPCNT命令に対応しなかったり、SSE4.2が使えない古いCPUでは利用できなくなる可能性がある。
もっとも、これらのCPUは初めからWindows 11でサポートされていない。システム要件をかいくぐって無理やり古いCPUでWindows 11を動かしていたユーザーにしか影響がないと見られており、一般のユーザーが気にする必要はないだろう。
[Windows]+[C]キー
[Windows]+[C]キーで「Copilot in Windows」を起動する機能は削除される可能性がある(編集部未確認、「バージョン 24H2」以外に展開される可能性も)。
「Copilot in Windows」を起動するには、これから発売されるWindows PCの多くに搭載される[Copilot]キーを利用すればよい。