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幕張メッセだけじゃない! TGS2022の“メタバース会場”「cluster」特設ワールドを訪れてみた【TGS2022】
自宅にいながらリアルそっくりのブースに行ける体験をフォトレポートでお届け
2022年9月19日 15:50
3年ぶりにリアルとオンラインでのハイブリッド開催となった「東京ゲームショウ2022(TGS2022)」。そのリアル会場である幕張メッセに、赤を中心とした配色や飛び出して見えるディスプレイなど、派手な演出で来場者の注目を集めたのがクラスター(株)のブースだ。同社のTGS出展は今回が初となる。
クラスター社は、日本発のメタバースプラットフォームとして知られる「cluster」を運営する会社。誰もが数万人が同時に接続可能なバーチャル空間上で、音楽ライブやイベントに参加したり、友達とのコミュニケーションやゲームで遊ぶことのできる空間を提供し続けている。
今回の「TGS2022」において、同社は、新機能「ワールドクラフトストア」の正式リリースや、タカラトミーとのコラボレーションによる「メタバース 黒ひげ危機一発」をオープンすることを発表した。
特に筆者が面白い試みであると感じたのが、「東京ゲームショウ」のリアル会場に出展しているのとほぼ同じブースを、メタバース空間である「cluster」上に展開していたことだ。
そこでは幕張メッセのリアルブースへ実際に来場せずとも、4日間にわたって行われたステージイベントをリアルタイムで配信。会場外からでもTGSを味わえるという演出は、事務局主催のリアル会場「幕張メッセ」とVR会場「TGSVR2022」に次ぐ、まるで第三のメタバース会場を思わせるものだった。
「cluster」に展開されたTGS特設ワールドは、惜しまれつつ「東京ゲームショウ」の閉会時間にあたる9月18日18時にクローズされた(のだったが、Twitterの書き込みによると、今月中はワールドとして残しておく予定とのこと)。今回、この特設ワールドがどんなものであったのかを伝えるべくフォトレポートとして残しておきたい。
TGS衣装凄い!!
— Tsuguto ∞ cluster (@tsuguto_VR)September 19, 2022
今月末までワールドは開けておく予定です。
駅に降り立つワクワク感から始まるSTATIONエリア
TGS特設ワールドへの旅は駅のホームから始まる。STATIONエリアと呼ばれるこの空間では、幕張メッセの最寄り駅である海浜幕張駅ではなく「TOKYO GAME SHOW」駅から会場へ向かうようだ。
現実世界でも「東京ゲームショウ」の最寄り駅に降り立つと、ワクワクしながら会場に向かうのが醍醐味だが、それが「cluster」の中でもしっかり再現されているのは粋だ。ホームを抜けると改札機があり、改札の奥には「ROOF FLOOR」への導線が用意されている。
ビルの間をジャンプで抜けていくROOF FLOOR
駅を出ると「ROOF FLOOR」というビルの屋上のようなエリアに飛び出す。一度TGSに行かれたことがある方ならわかると思うが、海浜幕張駅から幕張メッセまでは結構な距離がある。どうやら特設ワールド内でもすぐにクラスターブースにたどり着けるわけではないようだ。
ビルの屋上の間には隙間があいており、ジャンプ台でその間を縫うように進んでいく。ビルの間をジャンプで飛んでいくという体験はとても現実ではできず、まさにメタバースならではの体験といった感じだ。進んでいくと、アーケード筐体風のマシーンでゲームがプレイできたり、コインゲームの体験コーナーで遊んだりすることもできた。ブースに行く前だというのに、すでにお祭り感でいっぱいだ。
「東京ゲームショウ」のブースを再現したBOOTH
さて「ROOF FLOOR」を抜けると、いよいよ待ちに待ったクラスターブースに到着。ブースはリアルとバーチャルが融合した圧巻の完成度だ。ここにはフォトスポットなどもあり、メタバース空間上でも「東京ゲームショウ」に遊びに来ている体験ができた。
筆者が訪れた際にはタイミングが合わなかったのだが、ステージでは、実際に「東京ゲームショウ」の会場内で実施されていた各イベントもストリーミング配信されていたとのこと。
現地でステージイベントを見つつ、特設ワールドで行われている同じイベントを同時に見る、というリアルとの融合を味わう体験もできたかもしれない。来年、同様の特設ワールドが開かれた際にはぜひやってみたいものだ。
今回のTGS特設ワールドは、これまで「cluster」を知らなかった層への話題作りという意味でも非常に有効だった。さらに既存ユーザーへのファンサービスという意味でも大きな意義があったと思う。
現実は現実、メタバースはメタバースという分け方ではなく、両者が溶け合って相互に作用していく。これからの時代のプロモーションを考えるよいきっかけになった。
著者プロフィール:でんこ
バーチャルに活動の場を移したゲームライター。得意分野はビデオゲーム全般だが、最近はメタバースへの関心が強い。
ライターとして様々なメディアで執筆する一方、NPO法人バーチャルライツ公認の第0期VR文化アンバサダーでもあり、メタバース上の活動やメディアでの情報発信を通じてVR文化の魅力を普及させるべく活動中。
・著者Webサイト:https://note.com/denpa_is_crazy/