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ワールド制作がついにJavaScriptに対応!「Cluster Conference 2022」大規模アップデート・新機能発表まとめ

待望のアクセサリー機能や音声ノーマライズなども実装。クリエイティビティの加速が止まらない!

「Cluster Conference 2022」

 クラスター(株)は10月20日、同社が運営するメタバースプラットフォーム「Cluster」に関するカンファレンス「Cluster Conference 2022」を実施した。「Cluster Conference」は、これまでの「Cluster」内での取り組みと新機能やサービスの未来についてを発表する場で、今回で6回目の開催となる。

 今回の「Cluster Conference 2022」には、同社の代表取締役CEO・加藤直人氏らが登壇。「人類の創造力を加速する」というミッションのもと、クラスターが目指している「クリエイターファースト」の場づくり、そして「バーチャル経済圏」の確立に向けて新たに実装する機能、さらに「メタバースの未来と新たな可能性」に関する発表が行われた。

 本稿では、同カンファレンスで発表された大規模アップデートの新機能について、まとめレポートをお届けする。「アクセサリー機能」や「スクリプト対応」など、これまでユーザーが求めてたこと、あったら便利だなあと思っていた新機能が目白押しだ。

Cluster Conference 2022

どんなアバターでも、身体のどこにでも、いつでも付け替えられる「アクセサリー機能」

 自分のアバターに後付けできる「アクセサリー機能」が実装された。この機能を使うとアクセサリーをアバターの好きな場所につけることができる。またどのワールドでも、いつでも付け替え可能だ。「cluster」を構成するワールドとアバターの要素に続く、新たなクリエイティブ要素といえる新機能だ。

 今後はオリジナルのアクセサリーが制作できる機能も開発予定で、12月に実装予定の「アクセサリーストア」で売買も可能になるという。

「アクセサリー機能」
アクセサリーは12月開設予定の「アクセサリーストア」で売買も可能になる予定だ

ワールド制作がついに「スクリプト」に対応!

 ワールド制作が「スクリプト」に対応した。これまでは、動きのあるワールドを作るにはゲームエンジン「Unity」を用いて「Cluster Creator Kit」にあるコンポーネントを使用する必要があった。

 今回のアップデートにより「Cluster Creator Kit」と「ワールドクラフト」でスクリプトを書けるようになった。サポートするプログラミング言語はJavaScriptのみとなるが、複雑なギミックが扱いやすくなる上、さらにスクリプト付きアイテムを「ワールドクラフトストア」で売買できるようにもなった。

「cluster」のワールド制作にスクリプトが使用可能に
加藤氏がスクリプトで制作されたエレベーターを披露した

ソーシャル空間のコミュニケーションがより快適に!「音声ノーマライズ」&「ノイズキャンセリング」

 「cluster」の音の部分がより快適になる「音声ノーマライズ」と「ノイズキャンセリング」が実装。音量が大きくて耳が壊れそう、声が小さすぎて聞こえない、ノイズがひどくて聞き取れない、といった問題を解決する機能だ。

 「音声ノーマライズ」は、ユーザー間の音量を自動でバランスをとってくれる機能。「ノイズキャンセリング」は自動で音声以外のノイズを除去する機能だ。これにより音声を使ったコミュニケーションがよりスムーズに行えるようになった。音楽イベントにも対応できるよう設定でON/OFFもできる。これらの機能は、10月24日に公開されたv2.48アップデートで実装済み。

「音声ノーマライズ」と「ノイズキャンセリング」を実装

 そのほか音声に関しては、スマートフォンでイヤフォンを使わずにマイクを使用した際に、音がループバックしてしまう問題を解消する機能も導入予定とのこと。

VR 8点・10点・11点トラッキング対応を発表

 これまでは最大6点トラッキングだったところが、今後のアップデートでVR 8点・10点・11点トラッキングをサポートする予定だ。ダンスやスクワットをよりダイナミックに、より表現力高くできるようになる。こちらのアップデートは12月を予定しているという。

VR 8点・10点・11点トラッキングにも対応予定

「ワールドクラフト」やカメラ機能なども大型アップデートへ

 「cluster」のクリエイティビティを代表する「ワールドクラフト」にスカイボックス変更機能、BGM変更機能、パブリッククラフトが実装予定。

 青空のみだった背景が夕焼けや夜空など表現がより豊かになったり、自由にBGMを設定できるようになったり、そしてフレンド同士でなくともいろいろなユーザーと一緒にワールドクラフトを楽しめるようになる。これらの機能は年末から順次実装予定だ。

「ワールドクラフト」にスカイボックス変更機能、BGM変更機能、パブリッククラフトが実装予定になっている

 また、アバターの売買が可能になる「アバターストア」も開設予定。これは「クラフトストア」と「アクセサリーストア」に続く第三のストアとなる。アバターのお試し機能なども実装される予定で、来年2023年春リリースを目標に開発を進めているという。

「アバターストア」の開設も発表

 さらに、カメラ機能もv2.0にアップデート予定で、UIが変更され使いやすくなる。被写界深度を調整できるフォーカス機能やカメラをワールドに固定できる機能も追加され、より直感的で表現力豊かにカメラを扱えるようになる。カメラをワールドに固定することで、集合写真なども撮りやすくなる。

 「カメラ2.0」は11月初旬にリリース予定で、VR版に続いてPC版やスマートフォン版にも対応する予定だ。

「カメラ2.0」をリリースへ。他の人のカメラが見えるようにもなるという
2023年に向けた新機能も計画中とのこと。クリエイティビティの加速が止まらない!

著者プロフィール:でんこ

バーチャルに活動の場を移したゲームライター。得意分野はビデオゲーム全般だが、最近はメタバースへの関心が強い。
ライターとして様々なメディアで執筆する一方、NPO法人バーチャルライツ公認の第0期VR文化アンバサダーでもあり、メタバース上の活動やメディアでの情報発信を通じてVR文化の魅力を普及させるべく活動中。

・著者Webサイト:https://note.com/denpa_is_crazy/