「Meta Quest 2」に必須だったFacebookアカウントはもう不要!?「Metaアカウント」への移行を実際にやってみた

メタバース空間「Horizon Worlds」でも使用するプロフィール設定の確認は忘れずに

既存のアカウントと連携中の「Meta Quest 2」を起動すると「Metaアカウント」への移行を求められる

 「Facebook」を運営する米Metaから発売中のVRヘッドセット「Meta Quest 2」(旧称:Oculus Quest 2)。日本時間8月1日から2万円以上の値上げとなったものの、10万円台の「HTC Vive」シリーズや「Valve Index」に対し比較的手頃な価格なのと、ヘッドセット単体でさまざまな専用VRゲームを高画質で楽しめるほか、PCに接続すれば「Steam」などで配信されているVRコンテンツも楽しめることから人気があるデバイスだ。

 ただ、これまで本デバイスを使用するにはFacebookアカウント、またはOculusアカウントとの連携が必須だった。だが米国時間8月23日から、これらのアカウントではなく「Metaアカウント」という新しいアカウントを登録して利用する形に変更となった。

VRヘッドセット「Meta Quest 2」

 そのため、1つの「Metaアカウント」で米Metaが提供するすべてのVRデバイスを利用可能となったが、既存のアカウントを移行しない状態で「Meta Quest 2」を起動すると「Metaアカウント」への移行が求められることとなった。また「Metaアカウント」は、同社が提供するメタバース空間「Horizon Worlds」でも使用するため、新アカウントの作成と設定は必須となる。

 そこで、先日著したメタバース特集に続く本稿では「Metaアカウント」への移行を「Meta Quest 2」で実際に行いながら、その方法・注意点を紹介していこう。

「Facebookアカウント」から「Metaアカウント」の移行はほとんどトラブルなし

 「Metaアカウント」への移行は事前にアナウンスされていたものの、新アカウントへの登録・移行が半ば強制だったこともあり(なお、既存のOculusアカウントは米国時間2023年1月1日まで利用可能)、これに戸惑ったユーザーは少なくないだろう。

 筆者が確認したところでは、ユーザーの間でメールアドレスの登録などがスムーズに移行できなかったという意見も散見された。今回はそんなトラブルになりそうな引っかかりポイントを意識しつつ、実際にアカウントを作成・移行してみた。

 「Metaアカウント」を設定するには、まずPCかスマートフォンで専用サイトにアクセスする。アクセスすると現在使用しているFacebook、あるいはOculusアカウントでのログインが要求されるので、指示に従ってログインする。

まずは現在使用しているアカウントでログイン

 そうすると既存のアカウントに紐付けられているメールアドレスが表示される。このメールアドレスが「Metaアカウント」で使用されるので必ず確認しておこう。

メールアドレスの表示画面。誤りがないか忘れずに確認しておこう

 続いて、Facebookを使用してアカウントの作成(実質的な移行)をするか、メールアドレスとパスワードを使用して新規作成をするか、を選択する。どちらの手順で行っても「Metaアカウント」は作成できる。今回はFacebookを使用してMetaアカウントの作成を行った。「Meta Quest 2」内のソフトウェアは、事前に最新バージョンにアップデートしておこう。

Facebookを使ってアカウントを作成するか、メールアドレスからMetaアカウントを作成するかを選択可能

 Facebookアカウントを使用して「Metaアカウント」を作成すると、Facebookの友達リストや登録情報などをもとにさまざまな提案がされる。これらが気になる場合はメールアドレスからアカウントを作成したほうがいいだろう。なお、アカウントの作成後にFacebookとの連携を解除することも可能だ。

Facebookを使用してアカウントを作成した場合は、Facebookの情報をもとに提案が行われることが説明される

 登録情報の用途について確認したあとに[次へ]を押すと、Facebookの情報を元に各項目が自動的に入力されて「Metaアカウント」が作成できた。この移行後も、以前に購入・ダウンロードしたコンテンツに引き続きアクセス可能だ。フレンド情報なども自動的に引き継がれるので安心してほしい。

特に新しく情報を入力するなどは必要なく、そのままシームレスに「Metaアカウント」が作成された

「Meta Horizonプロフィール」の設定は必ずチェックしておこう

 アカウントの作成に続いて、今度は「Meta Horizonプロフィール」の設定に移る。これは米Metaが提供するメタバース空間「Horizon Worlds」を利用するために設定するものだ。

 「Horizon Worlds」では、バーチャル会議室機能などが使用できる「Horizon Workrooms」に加え、フレンドをバーチャル空間に招待して一緒に動画を視聴したり、ゲームやアプリを一緒にプレイするための待合室のように使える「Horizon Home」という機能が実装されている。

「Horizon Worlds」

 「Meta Horizonプロフィール」の設定は、パブリックにプロフィール・アクティビティといった情報を公開して多くのユーザーと交流する予定か、もしくはフレンドや家族のみにフォローを限定して使う予定か、それとも基本的に一人で利用するために交流を最低限にするかなど、これからの「Meta Quest 2」と「Horizon World」の利用スタイルに影響する部分なので、各情報をしっかり確認しながら設定を進めていきたいところだ。

「Meta Horizonプロフィール」の情報を入力していく

 まずは、サービスを利用する上で共有するプロフィールの名前を入力する。これはいつでも変更できるが、第三者から見られても問題のない名前にしよう。

プロフィールの名前を設定。いつでも変更は可能だ

 次にプライバシーの設定を進めていく。ここでは[全員にオープン]、[友達と家族]、[自分1人]の3つのオプションが提示されており、これをベースに設定するのがオススメだ。

プライバシー設定を3つから選択するか、細かくカスタマイズできる

 設定については好みだが、「Meta Quest 2」のゲームでほかのプレイヤーと一緒に遊んだり、コミュニケーションをとる予定があれば[全員にオープン]、特にそういった予定がなければ[自分1人]に設定しておくといいだろう。

筆者は[自分1人]を選択した。必要があれば手動でフォロワーの承認などを行う予定だ

 これで「Metaアカウント」の設定は完了だ。このあと再度「Meta Quest 2」に接続すれば、以後は「Metaアカウント」で使用できる。

ほとんどトラブルもなく設定完了だ

 こういった具合で画面の指示に従って進めていけば問題なく「Metaアカウント」の作成・移行ができるだろう。時間にして約15分程度といったところだろうか。基本的には大きく気をつける部分はないと感じたが、特にプライバシー設定の部分に関しては自身のスタイルにあわせて選択するようにしたい。

 「Meta Horizonプロフィール」については現在、フレンド機能レベルだが、今後はメタバースアプリ「Horizon Worlds」がさらにユーザーへと広がっていくことで、この辺りもますます活用されていくはずだ。その時に改めて設定を見直すのもアリだろう。

著者プロフィール:でんこ

バーチャルに活動の場を移したゲームライター。得意分野はビデオゲーム全般だが、最近はメタバースへの関心が強い。
ライターとして様々なメディアで執筆する一方、NPO法人バーチャルライツ公認の第0期VR文化アンバサダーでもあり、メタバース上の活動やメディアでの情報発信を通じてVR文化の魅力を普及させるべく活動中。

・著者Webサイト:https://note.com/denpa_is_crazy/