レビュー

誰でも無料でWebカメラとアプリがあればVTuberになれる「Animaze by Facerig」

自分の姿をトラッキングしてCGキャラクターを直感的に操作可能。「Google Meet」でも利用できる

「Animaze by Facerig」v1.25.11050

 「Animaze by Facerig」はWebカメラなどを使い、アバターの動きとCGキャラクターを連動させることが気軽にできるアプリ。要するにVTuberのようなことができる。OSはWindows 10以降に対応しており、PCゲームプラットフォーム「Steam」から無料でダウンロード可能だ。

 以前は「Facerig」という名前で販売されていたソフトウェアで、様々な機能がアップグレードされた。そのタイミングで料金プランが変更になり、基本無料、月額3.99米ドルなどのサブスクリプションモデルで配信されている。

 YouTubeやTwitchなどでの配信はもちろん、「Discord」などのビデオチャットや、「Zoom」や「Google Meet」などのビデオ会議でも利用できる。体感だが、ほかのアバターソフトと比較して表情のトラッキングがすばやく、トラッキング範囲から外れた場合の復帰も早い。違和感なくアバターを動かせる印象だ。

自分の顔の表情を読み取ってCGキャラクターの表情と同期させることができる

 アバターを使用するには、まず画面左側にあるメニューの上部にある犬の顔のような[アバター]ボタンをクリックする。そうするとプリセットの様々なアバターが表示されるので、その中から使用したいCGキャラクターを選択する。

 プリセットで用意されているキャラクターはバラエティ豊かで、人間型から動物型、果てはトイレのような生き物ですらないアバターも用意されている。またゲームのキャラクターメイクのように、パーツをカスタマイズしてキャラクターを作る機能も搭載されている。

肌や目の色なども自由にカスタマイズ可能
こちらは「Lord Burgor」というキャラクター
プリセットのキャラクターは3Dのもあれば2Dキャラクターのもある

 プリセットで用意されているアバターのほかに、ソフトウェア内でアバターを購入したり、「Live2D」(2Dで描かれたイラストのパーツを立体的にアニメーションさせる技術)で作られたアバターや、3Dのアバターをインポートすることが可能。自分の持っているアバターをインポートするには、まず上記と同じく犬の顔のような[アバター]ボタンをクリックする。するとアバター一覧の左上に空欄のボタンが表示されるので、そこをクリックすると表示されるファイル選択ダイアログで、ファイルをインポートすればOKだ。

左上の空欄のプラスマークが付いているボタンをクリック

 筆者はVRM形式のアバターを持っていたのでそちらを使用した。基本的にはそのままインポートできるのだが、一部のアバターは本ソフトウェアに付属のツール「Animaze Editor」を通して、Animaze用の形式に変更する必要がある。Animaze Editorを使えばアバターの細かい調整も可能なので、一旦こちらを通して出力するのが良いだろう。

これが筆者が普段使用している3Dキャラクター。VRMというファイル形式で作られており、簡単にインポートできる

 使いたいアバターを選択したら、トラッキングに使用するデバイスを選択する。顔のトラッキングであれば標準的なWebカメラのほか、専用のアプリをインストールしたiPhoneも利用可能。

 また「Leap Motion」というハードウェアを導入すれば、手のトラッキングも可能になる。より活き活きとした表現が可能になるので、本格的にやってみたい方は挑戦するのも良いだろう。

様々なトラッキング機器に対応している。とはいえWebカメラかiPhoneのみで十分楽しめる

 気になる検出精度だが、同様のソフトと比較してもかなり良い印象だ。キビキビとトラッキングしてくれる感覚がある。筆者はメガネをかけているのだが、その状態でも目の状態をかなり正確に読み取っているようで、まばたきもかなり正確に反映された。

 OBS(「Open Broadcaster Software」の略、ビデオ録画・生放送ツール)といった外部ツールを使うとゲーム画面なども合成できる。本ソフトウェアを利用すれば、我々が普段よく視聴しているVTuberのようなことがそのまま可能だ。

お馴染みのVTuberのゲーム実況スタイルから、Web会議などのビジネス用途にも使用できる
「Google Meet」で使用した様子

 注意点としては、無料プランの場合は透かしが入ることだ。その他細かい機能に差はあるが、それらに目をつぶれば無料プランでも全く問題なく使用できる。

 本ソフトウェア自体は非常にわかりやすく直感的に使えるが、自分のオリジナルアバターを作成するのが最も高いハードルかもしれない。人型3Dモデルであれば「VRoid Studio」という無料のソフトウェアで作成できるし、販売されているモデルを使うこともできる。またLive2Dモデルも販売されていたり、オリジナルのものを作成してもらうことができるので、そういった手段も検討してみると良いだろう。

【お詫びと訂正】 記事初出時、サブスクリプションモデルの料金を「月額19.99米ドル」と記載しておりましたが、正しくは「月額3.99米ドル」となります。当該記述を修正し、ここにお詫びいたします。

ソフトウェア情報

「Animaze by Facerig」
【著作権者】
Holotech Studios Inc.
【対応OS】
Windows 10以降
【ソフト種別】
フリーソフト(一部機能はサブスクリプションの購入が必要)
【バージョン】
1.25.11050(22/07/17)