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新しいWindows 11 Dev版がお披露目 ~スタート画面のフォルダー復活&新機能盛りだくさん!
モダンなタスクマネージャーや応答不可モード・フォーカス機能、シェルの改善も
2022年2月17日 17:21
米Microsoftは2月16日(現地時間)、「Windows 11 Insider Preview」Build 22557を「Windows Insider Program」のDevチャネルに参加しているテスターに対して公開した。すでに導入済みの場合は「設定」アプリの[Windows Update]セクションからアップグレードできる。ただし、ARM64デバイスへの提供は今のところ行われていないので注意。
Build 22557ではブランチが「RS_PRERELEASE」から「NI_RELEASE」に切り替えられているが、「Windows Insider Program」のリリース体制変更に伴い、ブランチとそれに含まれる機能・改善点に関連はなくなる。もはやブランチの変更は意味を持たないため、今後はアナウンスされないとのこと。
本ビルドにおける改善は多岐にわたる。中でも注目は、以下の機能だ。
[スタート]画面のピン留めアプリをフォルダーにまとめる
Windows 10にあってWindows 11にはない機能として非常に要望が多かったのが、[スタート]画面のフォルダー機能だ。これは似たようなアプリをひとまとめにしたり、限られた[スタート]画面領域に多くのアプリを表示しておきたい場合に便利だ。
フォルダーを作成するには、ピン留めしたアプリをドラッグ&ドロップして他のアプリに重ねればよい。アプリをフォルダーから削除する場合は、アプリをフォルダーの外へドラッグ&ドロップすればよい。フォルダーをクリックすると、アニメーション効果ともに[スタート]画面中央に内容が表示される。
なお、フォルダーに名前を付ける機能はまだないが、今後のビルドで導入される見込みだ。
応答不可モードとフォーカス機能
Windows 10/11には「集中モード」という機能が搭載されており、通知を一時的に無効化して作業に集中できるようになっている。しかし、この機能はあまり活用されていないようだ。
そこで、より手軽に使える「応答不可モード」(Do Not Disturb:邪魔しないで)が追加された。「応答不可モード」は通知センター上部からワンクリックで有効化でき、通知バナーをミュートにする。届いた通知は、通知センターで確認が可能。「応答不可モード」でも通知がほしいアプリは、通知の詳細設定画面で指定できる。
一方、フォーカス機能は新しい「アラーム & クロック」アプリの「フォーカス セッション」(Focus Sessions)と連動する。セッションタイマーを起動し、通知を「応答不可モード」にし、必要であれば「Spotify」でBGMをかけることも可能で、「30分」などと時間を区切って作業に没頭したい場合に役立つ。
この機能はタスクバーのカレンダーパネル下部から開始できる。
「エクスプローラー」の改善
「エクスプローラー」では[クイック アクセス]画面でファイルのピン留めがサポートされた。よく使うファイルをピン留めしておけば、[Windows]+[E]キーなどで「エクスプローラー」を呼び出してすぐファイルを開くことができる。
また、「OneDrive」が「エクスプローラー」右上に統合され、同期の進捗を手軽に確認できるようになった。ポップアップでストレージの使用料を確認することも可能だ。
そのほかにも、フォルダーアイコンに内容のプレビューを表示する機能、ローカルファイルの共有画面で「Outlook」の新規メッセージを作成する機能などが導入されているとのこと。
新しいタッチジェスチャー
本ビルドでは以下のタッチジェスチャーがサポートされ、タブレットPCにおける操作性が大きく向上した。
- タスクバー中央から上にスワイプして[スタート]画面を表示。下スワイプで閉じる
- [スタート]画面をスワイプしてピン留めアプリ・すべてのアプリを切り替え
- タスクバー右下を上方向にスワイプしてクイック設定パネルを呼び出す
- デスクトップ右端から左スワイプして通知センターを呼び出す
- フルスクリーンアプリを右端から左スワイプした場合はグリップを表示。再度スワイプすれば通知センターへアクセスできる
スナップレイアウトの改善
マウスやタッチパネルでウィンドウをスナップさせたときにも、レイアウトの選択が可能に。ウィンドウの並び替え効率が格段に向上する。
再設計された「タスク マネージャー」と効率モード
開発がうわさされていた新しい「タスク マネージャー」が有効化された。新設計された「タスク マネージャー」はWindows 11の「Fluent Design System」に準拠したモダンなルックスとなり、ナビゲーションパネルとダークテーマがサポートされた。
また、以前「エコモード」として導入されたがお蔵入りになってしまった省電力機能が「効率モード」として復活。リソース消費の大きなバックグラウンドアプリの動作を制限し、フォアグラウンドアプリの反応を高めることができるようになった。UWPアプリの「一時停止モード」にもわかりやすいアイコンが付与される。
バッテリー機能の改善
Windows 10/11では、電源設定を変更することでモニターをつけっ放しにしたり、スリープ状態への移行を阻止することができる。しかし、意図せずそのような設定になっている場合、無駄な電力を浪費することになり、二酸化炭素の排出量削減の点からも好ましくない。
そこで、「設定」画面の[システム]-[電源とバッテリー]セクションに設定の変更を促すメッセージが表示されるようになった。メッセージをクリックするだけで推奨の設定へ変更できるので、初心者でも簡単にPCをエコな状態に戻すことができる。
また、二酸化炭素の排出を抑えるための取り組みを知るためのリンクもこのセクションに新設された。コンテンツはこれから充実させていくようだ。
その他の改善
そのほかにも、大量の改善が導入されている。
- 音声読み上げ機能におけるライブキャプションのサポート
- 「ナレーター」アプリと「Microsoft Edge」の連携強化
- 言語および言語関連の機能をプロビジョニングするための新しいPowerShellモジュール
- タスクバーでのドラッグ&ドロップに対応
- 「Microsoft Teams」で画面共有しているウィンドウの視覚化をタスクバーでサポート
- 複数のカラープロファイルを持つ場合、クイック設定に切り替えコマンドを追加
- キャスト機能([Windows]+[K]キー)の利用時に、タスクトレイへアイコンを追加
- Windows検索ボックスの高速化
- 通常のウィンドウとウィンドウグループを見分けやすいようにビジュアルを更新
- [Alt]+[Tab]キーによるタスクスイッチのデザインをアップデート
- マルチモニター環境でモニターの配置によりモニターを跨ぐカーソル移動が引っかかる問題を解決。オプションを有効化すると、モニターの隙間をジャンプできるように
- 「ナレーター」に新しい男性の音声
- 音声入力機能で利用するマイクを選択可能に。コマンドも拡充
- タッチキーボードのアップデート
- ログイン画面のアクセシビリティポップアップを「Fluent Design System」準拠に
- [ファイルを指定して実行]ダイアログなど、マイカ効果の適用範囲を拡充
- スマホで最近利用したAndroidアプリにすばやくアクセスできる機能。ただし、Sumsung製一部の端末のみ
興味深い改善については、ピックアップして詳報する予定だ。