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2024年7月の「Windows Update」がリリース、「Copilot in Windows」が単体アプリに
「Critical」5件、ゼロデイ2件を含む139件の脆弱性に対処
2024年7月10日 09:10
米Microsoftは7月9日(現地時間)、すべてのサポート中バージョンのWindowsに対し月例のセキュリティ更新プログラムをリリースした(パッチチューズデー)。現在、「Windows Update」や「Windows Update カタログ」などから入手可能。Windows以外の製品も含め、今月のパッチではCVE番号ベースで139件の脆弱性が新たに対処されている。
このうち、深刻度最高の「Critical」(緊急)と評価されている致命的な脆弱性は以下の5件。
- CVE-2024-38023:Microsoft SharePoint Server のリモートでコードが実行される脆弱性
- CVE-2024-38060:Windows Imaging Component Remote Code Execution Vulnerability
- CVE-2024-38074:Windows リモート デスクトップ ライセンス サービスのリモート コード実行に対する脆弱性
- CVE-2024-38076:Windows リモート デスクトップ ライセンス サービスのリモート コード実行に対する脆弱性
- CVE-2024-38077:Windows リモート デスクトップ ライセンス サービスのリモート コード実行に対する脆弱性
すでに悪用が確認されている脆弱性は、以下の2件。
- CVE-2024-38080:Windows Hyper-V の特権の昇格の脆弱性
- CVE-2024-38112:Windows MSHTML Platform Spoofing Vulnerability
以下の2件は悪用の報告こそないものの、攻撃手法がすでに知られている。
- CVE-2024-37985:Arm 独自のプリフェッチャーの体系的な識別と特性評価
- CVE-2024-35264:.NET と Visual Studio のリモート コードが実行される脆弱性
これら4件の脆弱性は深刻度の評価こそ「Important」にとどまるものの、できるだけ早い対処が望ましい。
Windows 10/11およびWindows Server 2016/2019/2022
最大深刻度は「緊急」(リモートでコードが実行される)。
- Windows 11 バージョン 23H2:KB5040442
- Windows 11 バージョン 22H2:KB5040442
- Windows 11 バージョン 21H2:KB5040431
- Windows 10 バージョン 22H2:KB5040427
- Windows Server 2022:KB5040437
- Windows Server 2019:KB5040430
- Windows Server 2016:KB5040434
「Windows 11 バージョン 23H2/22H2」におけるハイライトは以下の通り。
- Windows 11向け2024年6月プレビューパッチ「KB5039302」における改善の一部
- 「Copilot in Windows」が単体アプリに。ウィンドウの移動、サイズの変更、位置の調整、スナップなどが行えるほか、タスクバーにピン留めも可能。段階的に展開される
- 「Windows Installer」でアプリケーションを修復する際、UACが視覚情報の入力を要求しない問題を解決
- 「Remote Desktop MultiPoint Server」で競合状態が発生すると、サービスが応答しなくなる問題を修正
なお、「Windows 11 バージョン 23H2」と「Windows 11 バージョン 22H2」のパッチは共通。「イネーブルメント パッケージ」(eKB:有効化パッケージ)と呼ばれる小さなパッチで機能の有効・無効を切り替えているだけなので、アップグレードは比較的短時間で済む。
また、「Windows 11 バージョン 21H2」(Enterprise、Education、およびIoT Enterpriseエディション)と「Windows 11 バージョン 22H2」(HomeおよびProエディション)は、米国時間10月8日をもってサービスを終了する。サービス終了後はセキュリティパッチなどの配信が行われなくなるため、利用の継続はお勧めできない。後継バージョンへのアップグレードを急ぎたい。
Microsoft Office関連のソフトウェア
「Microsoft Office」関連のセキュリティ修正に関しては、以下のドキュメントを参照のこと。
Microsoft Edge
「Microsoft Edge」は、「パッチチューズデー」とは関係なくアップデートされている。直近のセキュリティ修正は、米国時間6月27日にリリースされたv126.0.2592.81。
ツールバーに「更新」という赤い文字が表示されたら、すぐにアップデートを実施しておきたい。
Microsoft Visual Studio
「Microsoft Visual Studio」では、4件の脆弱性が修正された。
- CVE-2024-30105(重要:サービス拒否)
- CVE-2024-35264(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-38081(重要:特権の昇格)
- CVE-2024-38095(重要:サービス拒否)
以下のバージョンでアップデートが提供中だ。
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.10
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.8
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.6
- Microsoft Visual Studio 2022 version 17.4
「Microsoft Visual Studio」のアップデートは、アプリ本体や「Visual Studio Installer」から可能。「Microsoft Update」経由のアップデート配信もテストされており、レジストリキーを設定するとプレビュープログラムに参加できる。
Microsoft SQL Server
「Microsoft SQL Server」では、38件の脆弱性が修正された。
- CVE-2024-20701(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37320(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37321(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37322(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37323(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37324(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37326(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37327(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37328(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37329(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37330(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37331(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37332(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37333(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37334(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37336(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37319(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-37318(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-35272(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-35271(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21303(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21308(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21317(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21331(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21332(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21333(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21335(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-38087(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21373(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21414(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21415(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21425(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21428(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21449(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-28928(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-35256(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-21398(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-38088(重要:リモートでコードが実行される)
Microsoft SharePoint
「Microsoft SharePoint」関連では、4件の脆弱性が修正されている。深刻度「Critical」の致命的なものも含まれているので注意したい。
- CVE-2024-38023(緊急:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-32987(重要:情報漏洩)
- CVE-2024-38024(重要:リモートでコードが実行される)
- CVE-2024-38094(重要:リモートでコードが実行される)
Microsoft .NET/.NET Framework
「.NET」「.NET Framework」関連の修正は、公式ブログを参照のこと。
そのほかの製品
そのほかにも、以下の製品に対しセキュリティアップデートが提供されている。括弧内は最大深刻度。
- Microsoft OLE DB Driver 19 for SQL Server:1件(重要)
- Microsoft OLE DB Driver 18 for SQL Server:1件(重要)
- Microsoft Defender for IoT:1件(重要)
- Azure Network Watcher VM Extension for Windows:1件(重要)
- Azure Kinect SDK:1件(重要)
- Azure DevOps Server 2022.1:2件(重要)
- Azure CycleCloud 7.9.0~8.6.0:1件(重要)