いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】100件以上ある氏名の後ろに「様」を入力するのは面倒！エクセルで特定の列に指定した文字を自動追加するテクニック

トップスタジオ

2019年1月25日 06:55

100件以上もある名簿の氏名の後ろに「様」を付けるように頼まれた……！

　苦労して作成した成果物が、上司の鶴の一声でまったくの白紙に戻される……

　会社勤めをしている人なら、誰しも一度はこのような経験をしたことがあるはずです。例えば、100件以上ある名簿の入力を頼まれたとしましょう。やっと完成して帰宅しようとした矢先に、上司から「さっきは言ってなかったけど、氏名の後ろには『様』を付けといてね！」と言われたらどうしますか？

　「そんなこと聞いていないです！」と上司に文句を言うでしょうか？　それとも、退社後の予定をあきらめて上司の言うとおりに入力し直しますか？　実は、Excelのあるテクニックを知っていれば、上司に文句を言うこともなく、アフターファイブの予定をあきらめることもなく、さっと用件を片づけることができます。

　今回は、Excelで作成した名簿の氏名の後ろに「様」と表示させるための簡単便利なテクニックを解説します。

名簿に入力された氏名の後ろに「様」と表示させる

　例として「受講者名簿」（①）を使ってやってみます。名簿のB列にある氏名に、「〇〇××様」のように敬称を付けて表示させてみましょう。といっても、実際にセル内の氏名の後ろに「様」と入力するのではなく、元のデータはそのままで見た目だけ「〇〇××様」となるように設定します。

　氏名が入力されているセル範囲（ここではB3:B17）を選択（②）して、［ホーム］タブ（③）の［数値］グループにある矢印ボタン（④）をクリックします。

　［セルの書式設定］ダイアログボックスが表示されます（［セルの書式設定］ダイアログボックスは、［Ctrl］＋［1］キーを押しても表示できます）。［表示形式］タブ（⑤）の［ユーザー定義］（⑥）をクリックします。

　「〇〇××様」と表示させるには、ダイアログボックス中央付近にある［種類］欄に「@" 様"」（⑦）と入力します。少しわかりづらいですが、「様」の前には半角スペースを入力しています。このように半角スペースを入れると、実際にシート上で氏名が表示される時、「岡本望様」のように氏名と様の間に半角スペースを入れることができます。半角スペースが不要な場合はスペースを含めず、「@"様"」と入力します。「@」の部分には、セルに入力している文字列が表示されるようになっています。

　［サンプル］欄にプレビュー（⑧）が表示されるので確認してみましょう。「岡本望」と「様」の間に半角スペースが入っていますね。確認できたら［OK］（⑨）をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

　シートに戻って名簿を確認してみると、［氏名］列の氏名の後ろにすべて「様」が表示されていますね（⑩）。

「やっぱり『様』はいらない」と言われても心配無用！

　今回解説した方法で氏名の後ろに「様」を表示しておけば、もしも上司の気が変わって「『様』はやっぱり削除してほしい」と言われても動揺する必要はありません。すぐに元に戻せます。この項では、先ほど表示した「様」を削除する方法を解説します。

　氏名が入力されているセル範囲B3:B17を選択（①）して［ホーム］タブの［数値の書式］欄を見てみると、［ユーザー定義］（②）と表示されていますね。これを［標準］に変更します。

　セル範囲B3:B17を選択したまま、［数値の書式］の右にある矢印（③）をクリックするとメニューが表示されるので、［標準］（④）をクリックします。

　すると、先ほどまで表示されていた「様」が表示されなくなりましたね（⑤）。

　実際にセルに「様」を入力したり削除したりするのではなく、表示形式を利用して表示・非表示を切り替えているので、上司の急な要求にも臨機応変に対応できますよ。

氏名の後ろに「様」と表示する以外にもいろいろな場面で応用できる

　今回は、Excelで作成した名簿の氏名の後ろに「様」と表示させる方法を解説しました。

　今回解説したテクニックは「ユーザー定義の表示形式」といい、ユーザーがセルの表示形式を自由に定義できる機能です。今回の例だけでなく、「10人」や「4,000円」のように数値に単位を付けたい時にも、ユーザー定義の表示形式を設定して表示することができます。ユーザー定義の表示形式を使って単位を表示させておくと、見た目は単位が付いていても実際の入力値は数値なので、単位を付けたまま計算ができ、とても便利です。

　ぜひ試してみてくださいね。