いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel時短】ROUND関数の使い方が複雑すぎて覚えられない…… エクセルで四捨五入する時の「桁数」をスマートに指定するテク

ROUND関数で引数に指定する「桁数」がどうしても覚えられない!

 日常業務の中で、Excelを使って集計表や売上表を作成することはよくあると思います。消費税を含む税込価格の計算や、割引後の価格の計算などで価格に小数点が発生すると、必ず四捨五入などの端数処理が行われますよね。Excelで数値を四捨五入する場合は、ROUND関数が使われることが多いです。でも、ROUND関数って他の関数よりも覚えにくく、わかりづらいと思いませんか?

 ROUND関数は数値を四捨五入する関数で、書式は次のとおりです。

1つ目の引数には四捨五入したい数値を指定し、2つ目の引数には、四捨五入をする桁を指定します。この2つ目の引数に指定する「桁数」でつまずいてしまう人が多いのではないでしょうか。

 「543.338」という数値を四捨五入する例を考えてみましょう。ROUND関数の2つ目の引数に「0」を指定すると、数値の小数第一位が四捨五入されます。よって、「=ROUND(543.388,0)」(①)と記述すると、小数第一位の「3」が四捨五入されるので、計算結果は「543.00」(②)となります(ここで計算結果のセルは、小数点第二位まで表示する設定にしています)。一方、小数第二位を四捨五入したい場合は、2つ目の引数に「1」を指定します。数式は「=ROUND(543.388,1)」(③)と記述し、計算結果は「543.40」(④)となります。

 だんだん混乱してきましたよね。上記の表のように、ROUND関数の書式が常に頭の中で整理されている人は少ないと思います。こんな時は[関数の引数]ダイアログボックスを使って、Excelにガイドしてもらいながら数式を作成していきましょう。

 この記事では、ROUND関数で「引数に指定する桁数がどうしても覚えられない」を克服するためのテクニックを解説します。

[関数の引数]ダイアログボックスは数式作成のためのガイド役と考えよう

 「売上管理表」(①)の例を使ってやってみましょう。この表のE列には四捨五入する前の税込価格が入力されています。このデータを基に、F列に四捨五入した税込価格(小数第一位を四捨五入して整数にします)を入力してみましょう。今回、E列とF列のセルには、四捨五入した結果がわかりやすいように、価格の小数点以下が表示されるように設定しています。まず、セルF3(②)を選択して[fx]ボタン([関数の挿入]ボタン)(③)をクリックします。

 [関数の挿入]ダイアログボックスが表示されます。画面中央の[関数名]欄には最近使った関数の一覧が表示されます。この一覧に[ROUND](④)が表示される場合は、[ROUND]を選択します。表示されない場合は、上部の[関数の検索]欄(⑤)に「ROUND」と入力して[検索開始](⑥)をクリックすると表示されるので、クリックして選択します。

 使用する関数名を選択できたら[OK](⑦)をクリックします。

 すると[関数の引数]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスを使って関数の引数を入力していきましょう。まず[数値]欄に「E3」(⑧)と入力します。入力欄の右側に、セルE3に入力されている数値「10089.36」(⑨)が表示されますね。この値が四捨五入する値になります。なお、画面中央には入力中の引数についての説明(⑩)が表示されます。

 続いて、[桁数]欄に「0」(⑪)と入力します。画面下部に「数式の結果=10,089.00」(⑫)と表示されることに注目してください。数式を確定する前に、数式の結果を確認することができます。

 このダイアログボックスは、例えば「ROUND関数を使って四捨五入をしたいけれど、『桁数』の引数に何を指定すればいいのか忘れてしまった」という場合に便利です。

 試しに先ほどの「桁数」欄に「1」(⑬)と入力してみましょう。そして画面下部に表示される数式の結果を見てみると「10,089.40」(⑭)となっています。今回は小数第一位を四捨五入して整数にしたいので、この引数は正しくないことがわかります。

 このように、数式の引数に何を指定したらよいかうろ覚えの場合は、実際に値を入力してみて自分の想定している値が得られるかどうかを試してみることができます。引数に関する説明も表示されるので、参考書籍を棚から引っ張り出して、ROUND関数のページを確認する……なんてことは必要なくなるかもしれません。

 再度、[桁数]欄に「0」(⑮)と入力し直して[OK](⑯)をクリックします。

 ダイアログボックスが閉じた後、シートを確認すると、先ほどダイアログボックスに表示されていた計算結果と同じ値が表示されていますね(⑰)。

 オートフィルで他のセルにも数式をコピーすれば(⑱)、表の完成です。

関数の引数はなんとなくしか覚えていなくても数式を完成できる

 今回は、[関数の引数]ダイアログボックスを使って数式を作成することで、ROUND関数に対する苦手意識を克服する方法について解説しました。

 関数の引数はなんとなく覚えていれば、[関数の引数]ダイアログボックスのガイドに従って、数式を完成できることがわかってもらえたのではないでしょうか。参考書やネットで使い方を調べる手間も省けますよ。

 ぜひやってみてくださいね。

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