いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel新機能】3つのセルに分かれた住所を1つにまとめたい!エクセルで範囲指定したセルのデータをラクラク連結するテク

別々のセルに入力された住所を1つのセルにまとめたい!

 社員や顧客の名簿をExcelで作成して管理することはよくありますよね。Excelで作成された「杜野エクセル教室会員名簿」では、会員の住所がD列からF列にわたって、3つのセルに分けて入力されています(①)。この住所を1つのセルにまとめてI列の「住所(全)」欄(②)に表示させたいとき、どうしたらよいでしょうか。

 Excel 2019では、このように複数の文字列を連結したい場合に便利な「CONCAT関数」が使えるようになりました。今回の記事では、このCONCAT関数の使い方を解説します。CONCAT関数はExcel 2019だけでなく、Office 365を契約しているパソコンでも使うことができます。CONCAT関数を使えるパソコンをお持ちの方は、ぜひ使ってみましょう。

引数にセル範囲も指定できる便利なCONCAT関数

 それでは、先ほどの会員名簿を例に、3つのセルに分けて入力されている住所をCONCAT関数で連結して、1つのセルに表示してみましょう。CONCAT関数は、次のような書式で使います。

 引数には、文字列、文字列の入力されたセルやセル範囲を指定できます。

 今回の例では、セル範囲D3:F3に入力されている「住所1」「住所2」「住所3」を1つにつなげて、I列に表示させます。1つにつなげた住所を入力したいセル(ここではセルI3)をクリックし、「=CONCAT(」(①)と入力します。

 続けて、セル範囲D3:F3をドラッグして選択(②)すると、先ほど入力した数式に続けて「D3:F3」(③)と入力されます。

 セル範囲を指定できたら、数式の最後に「)」(半角のカッコ)(④)を入力します。

 [Enter]キーを押すと、選択したセル範囲に入力されていた住所が連結されてセルI3に表示されます(⑤)。

 セルI3に入力した数式をI列の他のセルにもコピーすれば、すべての会員の住所がI列に表示されます(⑥)。

CONCATENATE関数との違いは……?

 文字列の連結というと、CONCATENATE関数がパッと思い浮かぶ読者もいることでしょう。Excel 2019やOffice 365が使えないパソコンでは、引き続きCONCATENATE関数を使う必要があります。では、CONCAT関数とCONCATENATE関数は、何が違うのでしょうか。CONCATENATE関数の使い方をおさらいしながら考えてみましょう。

 CONCATENATE関数は「=CONCATENATE(文字列1,文字列2,文字列3,…)」という書式で使うのでしたよね。今回の会員名簿の例で、セル範囲D3:F3に入力されている住所を1つにまとめてセルI3に表示させる場合は、「=CONCATENATE(D3,E3,F3)」(①)と入力します。

 [Enter]キーを押して数式を確定すると、セル範囲D3:F3に入力されていた住所が連結されて1つのセルに表示されます(②)。

 このように、CONCATENATE関数でも、CONCAT関数と全く同じ結果を得ることができます。ただし、前項の例ではCONCAT関数の引数にセル範囲を指定したのに対し、CONCATENATE関数では引数に文字列(あるいは文字列が入力されたセル)を1つずつ指定しなければなりません。今回の例のように、隣接した複数のセルに入力されている文字列を連結したい時に、CONCATENATE関数ではセル範囲で指定することはできないということが大きな違いです。

 逆に、CONCAT関数では、離れた複数のセルやセル範囲を指定して文字列を連結することもできます。CONCAT関数が使えるパソコンがあるなら、連結したい文字列が広範囲にわたる場合はCONCAT関数を使う方がラクに数式を作れる場合が多そうですね。

セル範囲を引数に指定できるCONCAT関数なら数式作成がよりラクに!

 今回は、Excel 2019やOffice 365で使える新しい関数の1つ「CONCAT関数」の使い方を解説しました。

 文字列連結の関数としてこれまでも使えたCONCATENATE関数と機能は同じですが、CONCAT関数は引数にセル範囲を指定できるため、数式をよりラクに作成できます。

 文字列を連結する必要のある業務があったら、ぜひCONCAT関数を活用してみてくださいね!

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