いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】住所録で東京都の“市”だけを検索したい!エクセルであいまい検索を実現するワイルドカード活用テク

「東京都○○市」を含む住所だけ検索したい時どうしたらいいの?

 住所録や商品一覧など、情報をデータベース化して管理している人は多いと思います。Excelを使えば見やすく整理されたデータベースを作成できますし、データの検索も簡単なので、便利ですよね。

 でも、検索を行った時に該当する件数が多すぎて、「もう少し絞り込んで検索したい……」と思ったことはありませんか? 例えば、住所録で「東京都」を含む住所を検索したら該当件数が多すぎるので、「東京都町田市」「東京都国分寺市」など、「東京都○○市」という住所だけを検索したい……というような場合です。

 Webで検索する時は「あいまい検索」が行われるので、うろ覚えの項目でもなんとか検索できたりしますよね。実はExcelでもこのような検索を行うことができます。そこで今回は、Excelで「東京都○○市」のようにあいまいな条件を指定して絞り込む方法を解説します。

Excelでのあいまい検索に役立つワイルドカード「*」

 Excelで作成した社員名簿(①)で住所が入力されている列から、「東京都○○市」という住所を検索する例を考えてみましょう。

 あいまい検索をしたい時には、「ワイルドカード」を使います。ワイルドカードとは、どんな文字や文字列にもマッチする特殊な文字です。ワイルドカードには「*(半角のアスタリスク)」と「?(半角の疑問符)」の2種類があり、それぞれ次のような意味があります。

  • 「*」 ……任意の文字列に対応するワイルドカード。
  • 「?」 ……任意の1文字に対応するワイルドカード。

 ここで検索する「東京都〇〇市」の「〇〇市」は、「町田市」や「国分寺市」など、文字数が異なります。このように検索対象の文字数が違っているときは、「*」のワイルドカードを使います。では、実際に「東京都〇〇市」のデータを検索してみましょう。まず、[Ctrl]+[F]キーを押して、[検索と置換]ダイアログボックスを開きます。[検索]タブの[検索する文字列]欄に「東京都*市」(②)と入力し、[次を検索](③)をクリックします。「*」は文字数に関係なく検索できるワイルドカードなので、「都」と「市」の間に1つだけ入力されていればOKです。

 「東京都○○市」を含むセルが検索され、アクティブセルが「東京都国分寺市」を含むセル(④)に移動しました。検索を続けたい場合は再び[次を検索](⑤)をクリックします。

 「東京都町田市」を含むセル(⑥)が検索され、アクティブセルが移動しました。このように、「*」を使って検索すると、「町田市」「国分寺市」のように、市名の文字数が違っていても問題なく検索できることがわかります。

 ちなみに、「?」のワイルドカードを使って[検索する文字列]欄に「東京都??市」と入力すると2文字の市名(例えば「町田市」「日野市」など)が検索され、「東京都???市」と入力すると3文字の市名(例えば「八王子市」「国分寺市」など)が検索されます。このように特定の文字数の地名などを検索したいときは、「?」のワイルドカードを使うと便利ですよ。

テーブルのオートフィルターでもワイルドカードが使える

 前項では一般的な表のレイアウトの中から「東京都○○市」を検索しましたが、データベースとして扱いやすくするためにテーブルを活用している読者も少なくないと思います。テーブルでの絞り込みにはオートフィルターを使いますよね。オートフィルターでも、ワイルドカードを使ったあいまい検索ができます。

 先ほどの従業員名簿をテーブルに変換し、オートフィルターで「東京都○○市」を検索してみましょう。テーブルに変換する前に、セルの塗りつぶしや罫線などの書式を削除しておきます。テーブルにしたい表の中の任意のセルが選択された状態で、[ホーム]タブ(①)→[テーブルとして書式設定](②)をクリックし、設定したいテーブルスタイル(③)を選択します。

 [テーブルとして書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[テーブルに変換するデータ範囲を指定してください]欄に、テーブルに変換したいセル範囲が正しく表示されている(④)ことを確認し、[OK](⑤)をクリックします。

 表がテーブルに変換されました(⑥)。

 それでは、住所が入力されているI列で「東京都○○市」を検索してみましょう。見出し行の「住所」の右側に表示されている下向きの矢印(フィルターボタンといいます)(⑦)をクリックするとメニューが表示されるので、[テキストフィルター](⑧)→[指定の値を含む](⑨)をクリックします。

 [オートフィルターオプション]ダイアログボックスが表示されます。[抽出条件の指定]欄に「東京都*市」(⑩)と入力し、[OK](⑪)をクリックします。

 住所に「東京都○○市」が含まれるデータ(⑫)のみが抽出されて画面に表示されました。

 抽出を解除したい時は、「住所」の見出し行の右側に表示されているフィルターボタン(⑬)をクリックし、表示されるメニューから["住所"からフィルターをクリア](⑭)をクリックします。

あいまい検索を活用してもっと柔軟に検索しよう!

 今回は、Excelでワイルドカードを使ってあいまい検索をするテクニックを解説しました。一般的な表での検索でも、テーブルのオートフィルターを使った抽出でも、ワイルドカードを使えばあいまい検索が簡単にできることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 ワイルドカードは、うろ覚えの項目を検索したい時などにも役立ちますよ。今回の記事の内容を参考にして、より柔軟にExcelの資料内を検索してみてくださいね!

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