いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】電話番号を入力すると先頭の0が消えてしまう!エクセルで0から始まる番号を自在に入力するテクニック

0から始まる番号はExcelでは入力できない!?

 Excelで作成する書類の中で、「0」から始まる番号を入力したい時って意外に多いのではないでしょうか。でも、「0」から始まる番号をセルに入力すると、うまくいかないことがあります。例えば、会員名簿の作成中、電話番号の欄に「03」から始まる番号(①)を入力しようとしているとします。

 ところが、電話番号を入力して[Enter]キーを押すと、最初に入力した0が消えて、「3」から始まる番号(②)に変わってしまいました。

 Excelでは、数値として「0」から始まる番号を入力することはできません。でも、「0」から始まる番号をセルに入力する方法はちゃんとあります。今回は、Excelで「0」から始まる番号をセルに入力する方法を2つ解説します。

❶文字列として入力する

 1つ目の方法は、0の前に「'」(半角のアポストロフィー)を付けて入力するというものです。先ほど例に挙げた会員名簿に、電話番号を0から正しく表示してみましょう。

 電話番号を入力したいセル(ここではセルG3)に、「'03XXXXXXXX(入力したい電話番号)」(①)と入力し、[Enter]キーを押します。

 今度は、「03XXXXXXXX」(②)と電話番号が正しく0から表示されました。でも、セルの左上に緑色の三角形が表示されていますね。

 この緑色の三角形は「エラーインジケータ」と呼ばれます。エラーインジケータにマウスポインターを合わせると、そのセルの左側に「!」マーク(③)が表示されます。「!」マークをクリックするとメニューが表示されるので、エラーインジケータが表示されている理由を確認し、どのように対処するかを選択できます。ここでは、メニューの一番上に表示されているように「数値が文字列として保存されている」ためにエラーインジケータが表示されたことがわかります。この名簿では数値が文字列に変換されても問題はないので、[エラーを無視する](④)をクリックします。

 すると、エラーが無視され、エラーインジケータが表示されなくなります(⑤)。これで、名簿に電話番号を正しく「0」から表示させることができました。なお、文字列にすると入力データは左詰めで表示されます。

 ただし、このテクニックを使う場合、「0」から始まるすべての項目に「'」を付けて入力する必要があります。入力する項目が多い場合、いちいち「'」を付けて入力するのは面倒ですよね。そのような場合は、セルの表示形式を「文字列」に設定すると、先頭の「0」が表示されるようになります。先頭の「0」を表示させたいセル範囲を先に選択(⑥)し、[ホーム]タブの[数値]グループにある[▼](⑦)をクリックして、表示形式を[文字列](⑧)にします。

 「0」から始まる番号をそのまま入力しても、値が文字列として入力されるので、先頭の「0」が表示されるようになります(⑨)。「0」の前に「'」を付けて、入力する必要はありません。

 なお、文字列にすると入力データは左詰めで表示されます。

❷入力できる桁数を表示形式で設定し、先頭の0を自動で補完する

 2つ目は、表示形式の機能を活用して、決まった桁数よりも少ない桁数の数値が入力されたときに自動で先頭に「0」が補完されるようにするテクニックです。会員番号など、決まった桁数の数値を入力したい時に便利です。

 次の「杜野エクセル教室講師名簿」で、「No.」の列に0から始まる5桁の番号を入力したいとします。例えば、セルA3に「01001」という番号を入力しようとしても、通常の設定のセルでは「1001」(①)と表示されてしまいます。

 この例の会員番号のように、入力される値の桁数があらかじめ決まっている場合は、表示形式で桁数を設定することができます。番号を入力したいセル範囲をドラッグして選択(②)し、[ホーム]タブの[数値]グループの右下にある下向きの矢印(③)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[表示形式]タブ(④)をクリックし、[分類]欄の[ユーザー定義](⑤)を選択します。[種類]欄に「00000」(⑥)と入力し、[OK](⑦)をクリックします。ここに「00000」と入力することで、そのセルに5桁未満の数値が入力された場合、先頭に自動で「0」が付加されて0から始まる5桁の数値として表示されるようになります。

 それでは、先頭に0が表示されるか試してみましょう。セルA3に「1001」(⑧)と入力し、[Enter]キーを押します。

 すると、今度は先頭に0が付加されて「01001」(⑨)と表示されました。

 上記の手順では4桁の数値を入力した場合を解説しましたが、「101」のように3桁の数値を入力すると、0が2つ付加されて「00101」のように5桁になります。

0から始まる番号の入力方法を覚えて値を自在に表示させよう!

 今回は、0から始まる番号の入力方法を2つ解説しました。これまで、「Excelでは0から始まる番号は入力できない」と思ってあきらめていた人は、0から始まる番号でも表示させられることに驚いたのではないでしょうか?

 意外にExcelで入力する機会の多い「0」始まりの番号ですが、今回の記事で解説した内容を参考にして、思い通りに表示させられるようになってくださいね。

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