いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】図形をフリーハンドでキレイに並べるのは限界……!エクセルで図形を簡単に整列させるテクニック

フリーハンドだと図形を使った資料がキレイに仕上がらない……

 Excelでは、表やグラフだけでなく、図形を使った資料を作ることもできます。本連載でも、これまでSmartArtを使った資料を作る方法図形入りの資料の拡大や縮小を自在に行う方法など、Excelで図形を使うのに役立つテクニックを解説してきました。

 Excelで図形を扱ったことのある読者ならおわかりいただけると思いますが、SmartArtを使うほどでもないようなちょっとした作図をフリーハンドでやろうとすると、意外にうまく仕上がらないことがあります。「同じくらいの大きさの図形をいくつか並べたいけど、ぴったり同じ大きさにならない……」「図形をキレイに並べられない……」このように感じたことはないでしょうか?

 今回は、Excelでちょっとした作図をキレイに仕上げるのに役立つテクニックを2つ解説します。

❶地味だけど効果絶大の小ワザ「コピペ+枠線に合わせる」

 1つ目のテクニックは、同じ形・同じ大きさの図形をいくつか使った図をこれから新しく作りたい時に役立つテクニックです。

 下の図(①)を見てください。同じ大きさの長方形が、セルの枠線に沿って配置されていますよね。1つ1つの長方形は同じ大きさであるだけでなく端もきちんと揃っていて、整った見た目の図になっています。実は、この図を作成するのに行った操作はそんなに難しいものではありません。どのように作成したか、実際の操作を見てみましょう。

 新規ブックを開き、[挿入]タブ(②)→[図](③)→[図形](④)をクリックします。図形の一覧が表示されるので、[長方形](⑤)をクリックします。[最近使った図形]欄に[長方形]が表示されない場合は、[四角形]欄から選択すればOKです。

 マウスポインターの形が十字に変わり、図形が挿入できる状態になります。マウスをドラッグして、長方形を作成します(⑥)。配置する場所は後で調整するので、今は図形の大きさだけ気にしておけば大丈夫です。

 マウスから手を離すと、シートに長方形が挿入されます(⑦)。

 ここでは、先に図形の色や枠線を変更し、図形の中にテキストを入力しておきます(⑧)。これらの操作は最後の仕上げの段階で行ってももちろんOKです。資料の内容に応じて、効率の良い順序で操作してくださいね。図形の書式やテキストの編集が完了したら、図形を枠線に沿って配置してみましょう。図形をクリックして選択し、[Alt]キーを押しながらドラッグ(⑨)します。

 図形が枠線に沿うように移動し、セルの角にぴったり合うように配置できました(⑩)。実際に操作してみるとわかりますが、[Alt]キーを押しながらドラッグすると、フリーハンドで移動する時とは図形の動き方が少し変わります。セルの枠線に吸い寄せられるような、カクカクした動き方になります。また、枠線にぴったり合わせて配置するコツは、ドラッグが完全に終わってから[Alt]キーを離すことです。ドラッグが終わるより先に[Alt]キーを離すと、図形が微妙に動いてしまうことがあるので気を付けてくださいね。

 この図形を基準にして、シートに含まれる他の図形を作成・配置していきます。図形の位置の調整が終わったら、必要な数だけ図形をその場でコピペ(⑪)しましょう。図形をクリックして選択したら[Ctrl]+[C]キーを押してコピーし、[Ctrl]+[V]キーを押して貼り付けます。[Ctrl]+[V]キーを押した数だけ図形が複製され、基準とした図形に重なって表示されます。こうすることで、全く同じ大きさ・同じ書式の図形を簡単に複製できます。

 これらの図形を、先ほどと同様の方法で枠線に合わせて配置していきましょう。[Alt]キーを押しながらドラッグして、図形を配置したい位置まで移動します(⑫)。

 4つの長方形を、簡単に枠線に合わせて配置できました(⑬)。

 最後に、図形内のテキストを修正すれば、完成です(⑭)。

 「同じ大きさ・形の図形はコピペで作る」「枠線に合わせて配置する」……これだけでも、見た目が整った図が簡単に作れますよ。ちょっとしたテクニックではありますが、効果は抜群です!

❷[配置]機能を活用して図形の複雑な配置を整える

 2つ目は、[配置]機能を活用して複数の図形の配置を整えるテクニックです。図を作ってみたけれど、1つ1つの図形がキレイに配置できていなくてどうにも見た目が整わない……という時に役立ちます。

 Excelで部署の組織図を作成しようとしているとします。角丸の長方形をコピペして同じ大きさの図形を作り、それぞれの部課名を入力して並べてみましたが、図形の配置や間隔が揃っておらず、なんとなく美しくない状態になっています(①)。これらの図形の配置を整えてみましょう。

 まず、複数の図形を一気に選択できるようにします。[ホーム]タブの[検索と選択](②)→[オブジェクトの選択](③)をクリックします。[オブジェクトの選択]を選択しなくても、[Shift]キーを押しながら図形をクリックして複数の図形を同時に選択することは可能です。でも、たくさんの図形が含まれた複雑な図では、いちいちクリックして図形を選択するのはとても大変です。[オブジェクトの選択]を有効にしておくと、たくさんの図形をドラッグ操作で一気に選択できるようになるので、とても便利ですよ。

 この図ではまず、右側の縦に並んだ3つの長方形の配置を整えましょう。シート上をドラッグして、これらの3つの長方形を選択します(④)。ドラッグした範囲がグレーで表示されるので、選択したい図形がこの範囲内に含まれるようにドラッグするのがコツです。

 3つの図形を選択できました(⑤)。図形が選択できたら、いくつかのステップに分けて図形の配置を整えてきましょう。まず、3つの図形を左揃えにします。[図形の書式]タブ(⑥)→[配置](⑦)→[左揃え](⑧)をクリックします。ただし、Office 365の更新の状態によっては[図形の書式]タブが表示されず、[描画ツール]の[書式]タブが表示されることもあります。その場合も、図形を選択した後に行う操作は同じです。

 ちなみに、ここでは3つの長方形は全て同じ大きさなので、[中央揃え]や[右揃え]でも同じ結果になります。作りたい資料の内容に応じて、適切な揃え方を選択してくださいね。

 3つの長方形が自動で左揃えになりました(⑨)。次に、きちんと等間隔で縦に並ぶように調整しましょう。[図形の書式]タブ→[配置]→[上下に整列](⑩)をクリックします。この[上下に整列]は、複数の図形を選択した時に、その範囲にある一番上と一番下の図形の位置を動かさずにその間にある図形を等間隔に並べる機能です。

 これで、3つの長方形が縦にピッタリ揃って等間隔に並びました(⑪)。

 続けて、左側に独立して配置されている「営業統括部」と入力された長方形と、縦に3つ並んでいる真ん中の「第二営業部」と入力された長方形を揃えて配置します。先ほどと同様に、「営業統括部」と「第二営業部」の2つの長方形が含まれるようにドラッグして、2つの長方形を選択します(⑫)。

 2つの長方形が選択(⑬)されたら、[図形の書式]タブ→[配置]→[上揃え](⑭)をクリックします。[上揃え]は、並んでいる複数の図形の中で一番上にある図形に上端を揃えて配置する機能です。この図では今「営業統括部」が「第二営業課」より微妙に下に配置されているので、すでに位置を調整した「第二営業課」を動かさずに「営業統括部」の位置を調整するために、上揃えを選択します。

 「第二営業課」の位置に合わせて「営業統括部」が上揃えになりました(⑮)。

 これですべての長方形を正しく配置できたので、それぞれの長方形を直線でつなげば組織図の完成です(⑯)。

 最後に、[ホーム]タブ→[検索と選択](⑰)→[オブジェクトの選択](⑱)をもう一度クリックし、[オブジェクトの選択]を解除しておきましょう。

 このように、少し複雑な配置の図でも、いくつかのステップに分けて少しずつ位置を調整していけば、キレイに図形を並べることができます。最初はどの機能を使えば良いかわからず、間違った機能を選択して配置がおかしくなってしまうことがあるかもしれません。そんな時は慌てずに、[Ctrl]+[Z]キーを押すか、クイックアクセスツールバーの[元に戻る]をクリックすると、1つ前の状態に戻すことができますよ。いろいろな操作を試して、少しずつ機能を覚えていってくださいね。

図形をキレイに配置して見た目が整った資料を作ろう!

 今回は、複数の図形をキレイに配置するテクニックを2つ解説しました。どちらも、Excelで図形を使った資料を作る時にとても役立ちます。

 これまで図形をフリーハンドで配置していて、図形をキレイに並べることに限界を感じていた方は、ぜひ今回の記事の内容を試してみてくださいね。ちょっとしたテクニックを使うだけで、資料がこれまでと全然違った仕上がりになりますよ!

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