いまさら聞けないExcelの使い方講座
【Excel】上司にいきなり「店舗ごとに小計を出して!」と言われたらどうする? エクセルの集計表をスマートに作成するテク
2019年8月16日 06:55
「小計」欄を作るために表を調整するのが面倒!
Excelを使った業務の中で、次のような表(①)を見ることはよくあると思います。この表で、A列の「地域」ごとに各月の小計を算出し、さらにそれらの小計を足し合わせた全体の合計も求めるように上司から指示されたらどうしますか。
SUM関数を使って地域ごとに各月の小計を算出し、最終行で小計をすべて足し合わせて合計を求めるという方法を思いつく読者は多いかもしれません。でもこれは、結構手間のかかる面倒な作業です。あまり知られていませんが、実はExcelにはもっと便利な「小計」機能というものがあります。
今回の記事では、SUM関数を使って小計を求める方法と、「小計」機能で小計を求める方法を両方紹介し、比較してみます。「小計」機能の実力にきっと驚くことでしょう。
❶SUM関数を使って小計を求め、それらを足し合わせて合計を求める
「売上表(上半期)」(①)を例に、SUM関数を使って小計を算出してみましょう。最初に、「関東」と「関西」の境界に1行追加して「小計」行(②)を作ります。
「小計」行ができたら、それぞれの月の小計をSUM関数で求めます。まず、1月の小計を求めましょう。セルC9に「=SUM(C3:C8)」(③)と入力し、[Enter]キーを押して数式を確定します。
セルC9に関東の1月の売上金額の小計が求められました(④)。オートフィルを使って、他のセルにセルC9の数式をコピーします(⑤)。
これで関東エリアの1~6月の売上小計を求めることができました(⑥)。同様にして16行目にも小計行を追加し、関西エリアの1~6月の売上小計も求めます(⑦)。
最後に、17行目に「合計」行を追加し(⑧)、関東の小計と関西の小計を足し合わせて、合計を求めましょう。セルC17に「=C9+C16」(⑨)と入力し、[Enter]キーを押します。
セルC17に1月の売上金額の合計を算出できました(⑩)。オートフィルを使って、他のセルにセルC17の数式をコピーします(⑪)。
結構手間がかかりましたが、地域ごとにそれぞれの月の小計と、これらの小計を足し合わせた合計を求められましたね。
これも1つのやり方ですが、上記のようにコツコツ修正を加えていくのは手間がかかります。今回、「地域」が「関東」と「関西」の2種類だけなのでまだいいですが、今後、「東北」「中部」「近畿」などいくつもの地域が追加された場合、修正作業はさらに手間がかかるでしょう。特に、最終行に追加した合計のセルに入力した数式は、これらの地域が増えるたびに修正しなければなりません。足し算の式に新しく追加したセルのセル番号を追加しなければならないからです。
こんな時は、ぜひExcelの「小計」機能を使ってみてください。上記で紹介した少々面倒な小計と合計を求める作業も、ぱっとすばやくできてしまいます。さっそく見ていきましょう。
❷「小計」機能を使って小計と合計を求める
先ほどと同じ売上表を使ってやってみましょう。表は、「小計」行や「合計」行を追加する前の状態に戻しておきます(①)。
この「小計」機能を使う場合、まず集計対象の売上表を集計する単位ごとに分けて並べておく必要があります。ここでは、すでに「関東」と「関西」で分かれて並んでいるので、この操作は省略しますが、集計する単位ごとに分けて並べ替えるときには「昇順」や「降順」のボタンを使うと一瞬で並べ替えられます。
表内のいずれかのセルを選択した状態で[データ]タブ(②)→[小計](③)をクリックします。
[集計の設定]ダイアログボックスが表示されます。今回は地域ごとの小計を求めるので、[グループの基準]欄は[地域](④)、[集計の方法]欄は[合計](⑤)が選択されていることを確認します。[集計するフィールド]欄では、1月から6月まですべてのチェックマークをON(⑥)にします。
設定を終えたら、[OK](⑦)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。
各地域の下に自動で小計の行が追加され、地域ごとの小計が表示されましたね(⑧)。最後の行には合計(総計)も表示されています(⑨)。なお、ここでは画面を広く使って説明するために、手動でリボンを非表示にしています。
列幅を整え、表の体裁を整えれば、地域ごとに小計を求めた売上表の完成です(⑩)。
最初に解説した手順に比べ、手間をかけずにあっという間に作成できましたよね。
ところで、この表の左側に現れた[-]や[1]~[3]のボタン(⑪)の存在が気になった読者も多いかもしれません。これは、この表がグループごとに階層化され、「アウトライン」として表示されていることを示しています。左側にあるこれらのボタンを操作して、アウトラインの詳細データを折りたたんで非表示にしたり、展開して再表示したりできます。
では試しに、関西のデータを折りたたんでみましょう。16行目の左側にある[-](⑫)をクリックします。
関西のデータが折りたたまれて非表示になり、小計のみが表示されました(⑬)。折りたたまれたデータを再度展開するには、[+](⑭)をクリックします。
表示が元に戻り、関西のデータがすべて表示されましたね(⑮)。
Excelの小計機能は超便利!
今回は、Excelの「小計」機能を使って、売上表の小計と合計をぱっとすばやく求める方法を解説しました。
売上表などで金額の小計を求めるということは、ビジネス上、よくあることですよね。小計を算出しなくてはならなくなった時でも、「表の作り直しか……」とあきらめずに今回の方法を思い出してください。手間をかけずに、きっちり仕上げることができますよ。ぜひ試してみてくださいね!
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