いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】ドロップダウンリストの項目にない値も入力できるようにしたい!例外値を入力できるようにするテク

ドロップダウンリストは便利だけどリスト以外の値を入力したいときもある

 皆さんは、Excelでドロップダウンリスト付きの資料を作成したことはありますか? セルにドロップダウンリストを設定しておくと(①)、あらかじめ設定されたリストの中から入力値を選べるので、簡単に入力操作ができますし、入力ミスも防げるので便利ですよね。

 このようなドロップダウンリストが設定されたExcel資料で、ドロップダウンリストの項目以外の値を入力しようとして、エラーが出てしまった経験はないでしょうか。

 例えば、次の案件管理表の「工程名」欄に「取材」(②)と入力して[Enter]キーを押すと、エラーが出てしまい入力を確定できません(③)。この「取材」という工程は、将来的にはドロップダウンリストの元となる「工程表」に追加したいけれど、まだ社内の承認が下りていないため工程表に追加できない状況だとします。このような場合は、例外的に入力を許可したいですよね。

 そこで今回は、Excelでドロップダウンリストの項目以外の値を入力する方法を解説します。はじめに、セルにドロップダウンリストを設定する方法を解説しますが、すでにドロップダウンリストの作成方法を知っているという読者はこの項は読み飛ばして構いません。2つ目の項で、今回のメインテーマであるドロップダウンリストの項目以外の値を入力する方法を解説します。

ドロップダウンリストを作成する

 次の案件管理表(①)の例で、ドロップダウンリストを設定してみましょう。ドロップダウンリストの元になる「工程名」の一覧表(工程表)(②)を案件管理表の右側に作成しておきます。この工程表(ドロップダウンリストの元になる表)は別のシートに作成しても構いません。また、これから設定を行う[データの入力規則]ダイアログボックスに、直接ドロップダウンリストの項目を入力しても、ドロップダウンリストを作成できます。ただし、今回の例のように項目数が多い場合は、独立した一覧表を作成しておいたほうがよいでしょう。

 ドロップダウンリストを設定するセル範囲(C3:C7)(③)を選択した状態で、[データ]タブ(④)の[データの入力規則](⑤)をクリックします。

 [データの入力規則]ダイアログボックスが表示されます。[設定]タブ(⑥)の[入力値の種類]の欄で[リスト](⑦)を選択し、[元の値]の欄の右端にある矢印ボタン(⑧)をクリックします。

 シートに戻るので、ドロップダウンリストに設定したいセル範囲(⑨)をドラッグして選択します。[データの入力規則]に選択したセル範囲(⑩)が表示されたことを確認したら、[Enter]キーを押します。

 再び、[データの入力規則]ダイアログボックスが表示されるので、[OK]をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 これで、案件管理表の「工程名」の列にドロップダウンリストが設定されました。試しにセルC3を選択すると、セルの右側に矢印ボタン(⑪)が表示されます。

 この矢印をクリックするとドロップダウンリスト(⑫)が表示され、この中から入力値を選択(⑬)できますね。

ドロップダウンリスト以外の値を入力できるようにする

 前項で解説したような手順でドロップダウンリストを作成しただけだと、C列にドロップダウンリストの項目以外の値を指定しようとしても、冒頭で紹介したようにエラーメッセージが出てしまい、入力できません。そこでこの項では、エラーメッセージのスタイルを変更して、ドロップダウンリストの項目以外の値が入力されたとしても、入力が許可されるように変更してみましょう。

 ドロップダウンリストが設定されているセル範囲(C3:C7)(①)を選択した状態で、[データ]タブ(②)の[データの入力規則](③)をクリックします。

 [データの入力規則]ダイアログボックスが表示されるので、[エラーメッセージ]タブ(④)をクリックします。何も設定を変更していない状態だと、無効なデータ(ドロップダウンリストの項目以外の値)が入力された時に表示するエラーメッセージのスタイルは「停止」(⑤)になっています。「停止」が設定されていると、ドロップダウンリスト以外の値は入力できません。そこで「注意」(⑥)に変更します。「注意」にしておけば、メッセージは表示されるものの、入力処理は続行できます。

 画面の右側で、オリジナルのメッセージを入力できます。ここではタイトル欄に「注意」(⑦)と入力し、表示するメッセージの内容(⑧)を設定します。

 設定が終わったら、[OK](⑨)をクリックします。

 これで、エラーメッセージのスタイルが変更されました。C列の「工程名」でドロップダウンリストにない値を入力できるかどうか試してみましょう。セルC5に「取材」と入力(⑩)し、[Enter]キーを押します。

 [注意]ダイアログボックスが表示され、先ほど入力したメッセージが表示されます。ここではこのまま続けたいので[はい](⑪)をクリックします。

 すると、ダイアログボックスは閉じ、セルC5には「取材」(⑫)と入力できました。

業務に即した柔軟性のあるドロップダウンリストを作成しよう

 今回は、Excelでセルにドロップダウンリストを設定する方法と、セルに設定したドロップダウンリストの項目以外の値も入力できるように設定を変更する方法を解説しました。

 ドロップダウンリストは入力の手間が省けたり、入力ミスを軽減できたりするので便利ですが、業務上の例外処理を認めたい(ドロップダウンリスト以外の値を入力したい)時などに融通がきかず、困っていたという人は意外と多いのではないでしょうか。今回の記事を参考に、業務に即した柔軟なドロップダウンリストを作成してみてくださいね。

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