いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】文書の見やすさはフォントで変わる! エクセルでのフォントを選ぶときのコツ&フォント変更の方法

同じ内容でもフォントが違うと印象が激変!

 次の①~③の3つの名簿を見比べてみてください。どれも、Excelシートに名簿が入力されています。実は、これらの3つの名簿に入力されている内容、フォントのサイズ(ポイント数)、適用しているテーブルのスタイル、行の高さはすべて同じです。

 内容が全く同じでも、フォントが違うだけで、パッと見た時の印象が全然違いますよね。Excelで書類を作成する時、もちろん内容そのものが正しく入力され、操作しやすい書類になっていることは最も重要ですが、開いた時に見やすく、印象の良い見た目に仕上げるということも同様に重要です。

 今回は、Excelでフォントを選択するときのコツと、あらかじめ設定されているフォントを別のフォントに変更する方法について解説します。

フォントの特徴を理解して適切なフォントを選ぼう

 先ほど挙げた3つの名簿の例をもう一度見てみましょう。これらの3つの名簿で使われているのは、WindowsやOfficeで使われることが比較的多いフォントです。1つ目の名簿のフォントは、「MS Pゴシック」(①)です。

 このフォントは、Excel 2013以前のバージョンのExcelで標準フォントとして使われていました。見覚えがある読者も多いのではないでしょうか。Windowsでも標準フォントとして長年使われてきたフォントなので、Windowsのパソコンには基本的に標準でインストールされています。そのため、どんな環境でも同じように表示できるという利点があります。しかし、大きめのサイズで入力した時に、文字全体がカクカクした印象になり、ぱっと見の印象が美しくないという欠点があります。

 2つ目の名簿で使われているフォントは[游ゴシック](②)です。

 このフォントは、Excel 2016からExcelの標準フォントに採用されました。Excel 2013から2016に変わった時は、使い慣れたフォントから変わって違和感のあった読者もいるかもしれませんが、採用から時間がたって、すっかり見慣れたフォントになりましたよね。Windows 10のシステムフォントとしても使われています。游ゴシックは、全体的に文字の周りにゆったりした空間があるフォントで、小さいサイズで入力した時にも文字が見づらくならないのが特徴です。逆に、なるべく行などを狭くして、小さいスペースにたくさんの情報を入力したい時には不向きなフォントです。

 3つ目の名簿で使われているフォントは「メイリオ」(③)です。

 このフォントは、他の2つのフォントと比べて滑らかな感じで、どんなサイズでも視認性が良いのが特徴です。書類の見た目も、スタイリッシュな印象になります。游ゴシックと同様に、文字の周囲の空間が大きいので、改行したときなどに行間が大きく空きます。また、日本語フォントは正方形というより少し横に広がった長方形に近い形がベースになっており、他のフォントに比べ個性が強い見た目です。改まった正式な書類というよりは、社内の回覧物など、カジュアルに読める書類に使うのがオススメです。

 以上のように、フォントにはさまざまな特徴があり、使い道にも向き・不向きがあります。フォントの特徴を理解して、作成する書類の内容に合った見やすいフォントを的確に選ぶようにしましょう。

Excelで既定のフォントを別のフォントに変更する方法

 前項で解説した通り、Excel 2016以降のバージョンでは「游ゴシック」が既定のフォントとして使われています。職場で伝統的に別のフォントが使われ続けている場合や、自分で特に気に入っているフォントがある場合は、既定のフォントを変更できます。

 実際に、Excelの既定のフォントを「メイリオ」に変更してみましょう。Excelを起動して任意のブックを開き(新規ブックでも構いません)、[ファイル]タブ→[オプション]をクリックして[Excelのオプション]画面を開いておきます。画面左側の[全般](①)が選択されていることを確認したら、画面を下にスクロール(②)して、[新しいブックの作成時]という項目の中にある[次を既定フォントとして使用]欄のメニューから「メイリオ」(③)を選択し、[OK](④)をクリックします。

 [Excelのオプション画面]が閉じて、再起動が必要であるという内容のメッセージが表示されます。[OK](⑤)をクリックしてメッセージを閉じ、Excelを再起動します。作業の途中でフォントの変更を行った場合は、作業内容を忘れずに保存しておきましょう。

 Excelを再起動すると、既定のフォントが「メイリオ」(⑥)に変更されたことがわかります。

 既定のフォントの変更を行うと、Excel全体の設定が変わるので、どのブックを開いた時にも変更後のフォントが既定のフォントとして使われるので、注意が必要です。特定のブックでフォントを一時的に変更したいだけであれば、既定のフォントは変更しない方がよいでしょう。

フォントを変えて書類をより見やすく仕上げよう!

 今回は、Excelでフォントを変更した時の見た目の印象の違いや、よく使われるフォントの特徴を解説し、既定のフォントを変更する方法についても説明しました。

 全く同じ内容の書類でも、フォントによって見た目から受ける印象が大きく違うことがおわかりいただけたのではないでしょうか。

 文書の内容に合った適切なフォントを選択することで、見た目までこだわった書類を作ることができます。今回の記事を、書類作成時の仕上げの参考にしてみてくださいね。

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