いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】別のシートを参照しながら集計するのは面倒!エクセルの3-D集計機能で一気に複数シートを集計するテクニック

同じ形式の表でもシートが別々だと集計が大変……

 Excelに売上などを記録している企業は少なくないと思います。Excelを使えば、すべての部署や支店に同じフォーマットの売上記録表をメールなどで簡単に配布できますよね。

 ところが、期末や年度末などにすべての部署や支店の売上を合計しなければならない時期になると、各部署・支店から入力済みの売上記録表を集めたあと、金額の集計にいつも手間取ってしまう……ということはないでしょうか。

 複数のシート上で同じ位置にあるセルの値を合計したい時には、「3-D集計」を行うのが便利です。ただし、この機能を使う場合、各シートの表は同じフォーマットである必要があります。今回の記事では、「3-D集計」の方法を解説します。

別のシートで同一の位置にあるセルを一気に合計する

 渋谷支店・品川支店・上野支店・池袋支店の4支店を持つ企業があるとします。この企業では普段は支店ごとにExcelで売上の記録をつけていますが、決算時には本社に売上記録を提出し、本社で全支店の売上をまとめています。なお、各支店では同じフォーマットを使って売上記録をつけているものとします。

 この例のように、同じフォーマットで同一の位置にあるセルを合計したい時に「3-D集計」がとても役立ちます。さっそく、この3-D集計のやり方を見ていきましょう。

 準備として、入力済みの各支店の売上記録のシートを1つのブックにまとめ、そのブックの中に同じフォーマットの「総計」シートを作成しておきます。今回の例では、次の図のように1つのブック(「支店別売上記録.xlsx」)の中に「渋谷支店」「品川支店」「上野支店」「池袋支店」「総計」という5つのシートが含まれる状態(①)にしておきます。

 別のブックからシートをコピーする方法は、過去の記事で解説しているので、参考にしてくださいね。今回の記事では、別のブックからシートをコピーして1つのブックにする方法については解説しません。すでにブックがこの状態になっているとして、話を進めます。

 3-D集計は、[総計]シート(②)上で行います。[総計]シート上の集計結果を表示させたいセル範囲(ここではセル範囲B4:B15)(③)をドラッグして選択し、[ホーム]タブ→[オートSUM](④)をクリックします(お使いのパソコンの画面サイズによっては[Σ]というアイコンだけが表示されることもあります)。

 すると、先ほど選択したセル範囲の一番上にあるセル(ここではセルB4)に、「=SUM()」(⑤)のようにSUM関数が表示されます。

 ここから先の操作は、3-D集計を行う上でとても重要な操作で、少しでも間違えると正しい結果が得られません。記事をよく読んでポイントをつかみ、間違わずに操作してくださいね。

 [総計]シートにSUM関数が表示されたら、集計したいデータが入力されているシートのうち一番左にあるシート見出し(ここでは[渋谷支店]シート((⑥)をクリックします。すると、[総計]シートのシート見出しの下に緑色の線が引かれた状態([総計]シートが選択された状態)のまま、画面の表示が[渋谷支店]シートに移ります。続けて、先ほど[総計]シート上でSUM関数が表示されたセルと同じ位置にあるセル(ここではセルB4)(⑦)をクリックします。セルをクリックすると、そのセルの周りに緑色の点線が表示されます。

 続けて、集計したいデータが入力されているシートのうち一番右にあるシート見出し(ここでは[池袋支店]シート)を、[Shift]キーを押しながらクリックします(⑧)。[Shift]キーを押しながらクリックすることで、その間に表示されているシートも含めて選択することができます。ここまでが正しく操作できていれば、画面の表示上では[渋谷支店]シートから[総計]シートまで、すべてのシート見出しの下に緑色の線が表示されているはずです。シートを選択できたら、[渋谷支店]シート上で再び[ホーム]タブ→[オートSUM](⑨)をクリックします。

 すると、表示が[総計]シートに戻り、[渋谷支店]シートから[池袋支店]シートまでの集計結果が最初に選択したセル範囲B4:B15に表示されます(⑩)。数式バーには「=SUM(渋谷支店:池袋支店!B4)」(⑪)と表示されています。この数式は、「[渋谷支店]シートから[池袋支店]シートまでのセルB4の値を合計する」という意味です。4つのシートの全く同じ場所にあるセルに入力された値の合計が求められているというわけですね。

 表内の「2月」と「3月」の見出し行部分に「0」と表示されていますが、これは不要なので削除します(⑫)。これで、4つの支店の売上金額を簡単に合計できました。

 最初と最後に[オートSUM]ボタンをクリックすることによって、複数のセルを選択していても、一気に合計を求めることができるのです。手順を正しく覚えるまでは少し手間取ることもあるかもしれませんが、コツをつかめば簡単ですよ。また、[Shift]キーを押しながらシートを選択したことからもわかるように、3-D集計を行うためには、集計したいシートが隣り合って並んでいることが必要です。途中のシートを飛ばして(例えば[品川支店]シートだけを除いて、など)集計することはできないので、注意してくださいね。

 ちなみに、3-D集計は、複数のシートの同じ場所にあるセルを串刺しにするように集計するということから「串刺し集計」と呼ばれることもあります。

複数のシートの同じ場所にあるセルを合計する場合は3-D集計!

 今回は、同じフォーマットの複数のシート上で同じ位置にあるセルを一気に合計できる3-D集計の方法を解説しました。この操作を覚えると、集計作業の効率がぐんとアップします。ぜひいろいろなファイルで試してコツをつかみ、実作業に役立ててみてください。

 3-D集計は原則として同じフォーマットの複数のシートを集計するものですが、異なるフォーマットのシートを集計したい時には、過去の記事で解説した「統合」機能が便利なので、こちらも合わせて覚えておくのをオススメします。

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