石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

「モンスターハンターライズ」はいろんな手間が省けて狩りが超快適!

里クエで武具を整え、集会所の「アケノシルム」に再びソロで挑戦

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

勘違いから始まる「モンスターハンター」

「モンスターハンターライズ」のタイトル画面

 前回、「モンスターハンターライズ(MHRise)」の初狩りに失敗した筆者。クエストNPCが2人居ると気づかず、難易度の高いマルチプレイ用のクエストから始めてしまったのが敗因だ。「モンスターハンター フロンティア オンライン(MHF)」でなまじ経験があるのが裏目に出てしまった。

 ともあれ、「里の受付嬢ヒノエ」から1人用のクエスト(里のクエスト、と呼ばれているらしい)を受注するという本筋は理解した。そうとわかれば、適切なクエストを受注して、どんどんモンスターを狩りに行こう。

 ただし、今回のプレイには最終目標を設定する。「集会所の受付嬢ミノト」から受注するクエスト「唐笠の妖怪」を1人でクリアすることだ。ゲーマーとして、また「MHF」のベテランハンターとして、初っ端に転んだままにしておくわけにはいかない。

いろんな手間が省かれて、ものすごく遊びやすくなっている

「里の受付嬢ヒノエ」から1人用のクエストを受注する

 「ヒノエ」から受けられるクエストは、「ウツシ教官」による操作のレクチャーから始まり、特定のアイテムの採集、小型モンスターの狩猟と段階を追っていく。シリーズ経験者からすると退屈な内容ではあるのだが、久々のプレイとなる筆者にとっては新鮮な要素がいくつもあった。

 まず冒険の仲間である「オトモガルク」に乗れること。本作のフィールドはそれほど広くはないものの、用のない場所を走って移動するのはそれなりに時間がかかり退屈だ。「オトモガルク」は走るよりも速く移動できる上、より速く移動できるダッシュを使ってもスタミナを消費しない。移動のストレスが格段に減り、ゲームのテンポがよくなった。

狩りの手伝いをしてくれるだけかと思いきや、背中に乗せて走ってくれる

 またツルハシなどの採集アイテムが不要になっている。鉱石を前にボタンを押せば、アイテム欄にはないツルハシを取り出して採掘できる。採集アイテムがアイテムポーチを圧迫しないし、壊れる心配もなく、必要な採集アイテムがなくて持ち帰れないというストレスもない。ガルクに乗ったままでも採集できる。

騎乗したまま採集可能。立ち止まらず走り抜けながら採集できる

 採集したアイテムは、自動で即座に調合されるものもある。例えば「薬草」は「回復薬」に、採集してすぐ調合される。さらに「回復薬」を持っている状態で「ハチミツ」を採れば「回復薬グレート」に調合される。自動で調合するアイテムは調合リストで設定が可能。本作の採集アイテムは時間が経つと同じ場所に復活するので、採集場所を覚えておけばアイテムを現地調達しながら進められる。

「ハチミツ」を拾うと「回復薬グレート」を自動で調合

 アクション面では、壁を登れるようになっていたことに驚いた。「MHF」ではツタのある場所だけ登れたのだが、本作では壁に向かってダッシュすると、スタミナがある限り壁を駆け上がっていく。そのせいかマップの起伏が多く、フィールドの見た目が自然でワイルドな印象になった。

スタミナがある限り壁を登れる

 さらに「翔蟲」を空中に放ち、そこにワイヤーをかけるようにして空中に飛び出せる。初期は2匹、フィールドで拾えば3匹まで連続で使用できる。ダッシュでは登り切れない高所に登ったり、谷間を飛び越えて隣の山に移動したりできる。これのおかげか、本作では高所でレアなアイテムを採集できることが多い。

「翔蟲」でどこでもワイヤーアクションが可能に

 ほかにも肉焼きセットや砥石は通常アイテムとは別枠で常時所持しており、使用回数に制限もない。さまざまな部分でストレスが減り、狩りに集中できるようになっているのがわかる。全体として狩りは格段に楽しくなっており、シリーズを久々にプレイする人ほど感動が大きいと思う。

シリーズ伝統の肉焼きも、肉焼きセットは標準装備で別途持ち込む必要なし

里のクエストをどんどんこなしていく

 まずは採集や小型モンスター討伐のクエストからやっていく。初めてのエリアはフィールドに何があるか、マップ同士がどう繋がっているかを確認するのも大切なので、一通り歩き回ってみる。採集や小型モンスターのクエストでも、ターゲットの場所はマップで示されるため、迷うことがないのがありがたい。

採集や小型モンスターの狩猟がターゲットのクエストでも、マップ上に場所が表示される

 順調にいくつかのクエストを達成すると、緊急クエストが出現した。達成すれば次の難易度が出現する、いわば関門となるクエストだ。最初の緊急クエストは「オサイズチ」という大型モンスターの狩猟となる。

 ここまでのクエストである程度の素材が集まっているので、武器や防具を整えておく。防具は「鎧玉」で防御力を少し強化。武器は骨の素材で作れる「ボーンランス」を作成した。ランスは「MHF」の時に使ってみて最も難しいと感じて以降、メインの武器種にしている。一番楽しいのはチャージアックスなので、本作でもいずれは使ってみたい。

 「オサイズチ」は、鋭い爪と長い尾を持つ鳥竜種のモンスター。長い尾を使って回転したり、尾を叩きつけてきたりする攻撃が特徴で、小型の「イズチ」を引き連れてくる。攻撃力はそれほど高くはなく、また攻撃前の動作もわかりやすいので、よく観察して隙を狙っていく。不規則な動きはなくガードもしやすい上、長い尻尾にも攻撃を当てられるので、ランスとの相性は良さそうだ。

 などと考えながら攻撃しているうち、案外あっさりと撃破できた。クリアタイムは約7分と結構早かった。これなら次の☆2クエストも順調に行けそうだ。

「オサイズチ」は長い尾を使った攻撃が特徴。攻撃後に大きな隙がある

 ☆2クエストでは大型モンスターの狩猟クエストもいくつか出てきた。「アオアシラ」は熊のようなモンスターで、予備動作の小さな攻撃や連続攻撃に加え、前方・後方への突進があり、ガードの見極めが難しい。なるべく横に回って攻撃したいが、ランスでは少々難しい。

「アオアシラ」は前後への攻撃が強力。ランスではちょっと立ち回りが難しいか

 「ウルクスス」は巨大な雪兎のようなモンスター。前後への突進に加えて、曲線軌道の動きや雪玉を投げる攻撃など、ちょっと癖のある動きを見せる。離れて矢でも撃っていれば楽そうだなと思いつつ、攻撃力はそれほど高くないので、相手をよく見て大きな攻撃はしっかりガードしつつ反撃していく。

「ウルクスス」は見た目どおり動きが速くて不規則。攻撃力が低めなのが救い

 と、ここで☆2の緊急クエストが。ターゲットは「アケノシルム」。最初の狩猟でもターゲットにされていたモンスターだ。つまり☆3のクエストとなるモンスターに、多人数向けのクエストで挑んでいたのだなと判明する。

 「アケノシルム」は鳥竜種のモンスターで、巨大なトサカと翼が特徴的。この外見に加え、火の玉を吐くところや咆哮で動きを止めてくるところは、過去のシリーズに登場した「イャンクック」を思い出させる。

 攻撃は前方をくちばしで刺す強烈な一撃や、回転して周囲を吹き飛ばすもの、遠方に火の玉を連続で吐き出すなどバリエーション豊か。強力な攻撃の前の予備動作で片足を上げる動きがちょっと可愛らしいのだが、一撃が重く、ダメージを受けた後の追撃に対処できないとあっさりやられかねない。

 こちらとしては予備動作に合わせてしっかりガードしつつ反撃。また側面にいる時は比較的安全なようなので、翼を狙って攻撃する。ランスは斜め上にも攻撃ができる上、咆哮をガードで防げるため、あらゆる状況で対応ができる。何度か逃げられては追いかけてを繰り返し、17分半ほどで討伐に成功した。

鳥竜種「アケノシルム」。フラミンゴのように片足立ちしたら注意
距離が開くと火の玉を吐いてくる

集会所クエストに再び挑戦!

 「アケノシルム」も無事に倒せたことなので、そろそろ最終目標である集会所クエスト「唐笠の妖怪」に挑んでみる。とはいえそれなりの準備は必要であろうということで、武器と防具を「イズチ」シリーズで一新してみた。武器は攻撃力はいまひとつながら、切れ味が緑ゲージたっぷりで長期戦も安心。防具は「見切り」スキルで会心率が上がり、低めの攻撃力を補完できる。

装備品を「イズチ」シリーズに刷新。見た目も悪くない

 いざ「集会所の受付嬢ミノト」から「唐笠の妖怪」を受注。まずはターゲットの「アケノシルム」は後回しにして、前回は倒しきれなかった「ドスフロギィ」を狩りに行く。毒を使ってくるのは厄介ながら、動きとしてはシンプルで厄介な敵ではない。着実に攻撃を当てていく。

 ……が、やっぱりなかなか倒れない。「ドスフロギィ」は里のクエストでは「アケノシルム」と同等の☆3のモンスターで、決してオマケのモンスターではなかったようだ。何とか討伐できたのは開始から20分以上が経過してから。この時点ですでに過去最長時間だ。

防具を強化したものの、「ドスフロギィ」の毒には苦戦する

 続いて「アケノシルム」の討伐へ向かう。里のクエストで戦った時より、1発の攻撃力がこちらの方が大きく、防具を強化したとは思えないほど大ダメージを受ける。さらに吹き飛ばし後からの追撃によるコンボがかなり強烈で、油断していると一気に体力を持っていかれる。

 とにかくしっかりガードしつつ、側面に入るようにして翼や頭を狙っていく。厄介なのは武器を構えた状態で「アケノシルム」との距離が開いてしまった時で、武器を収めてダッシュしたいが、収納の遅いランスは隙を狙われると辛い。入れ替え技の「シールドチャージ」があれば、「アケノシルム」の攻撃モーションに合わせて発動するだけで、接近しつつガードして反撃という完璧な対応ができるのでおすすめ。

 ここまでやっても「アケノシルム」はなかなか倒れない。部位破壊が進んで見た目はボロボロながら、それでも力強いコンボを返してくる。クエストの残り時間10分の通知が出て、さらに攻撃を仕掛け、41分手前でようやく討伐に成功した。大型モンスター2体を相手にしたとはいえ、装備を整えてもギリギリの討伐だ。

転ばされてからのコンボが強烈。残り体力にも注意を払っておきたい
ランスの「シールドチャージ」で、敵の攻撃を全て受け止めながら接近できる
開始から40分以上が経過してようやく討伐。結構ギリギリ

 この先もまだまだ新たなモンスターは登場するし、その素材を使う新たな武器や防具も増えていく。ゲームとしてはとにかく遊びやすく、テンポよく進められる。今までの「モンスターハンター」シリーズの中で最もユーザーフレンドリーで、快適に狩りを楽しめた。

 こういったゲームはシリーズを追うごとに経験者向けの内容になり、一見さんお断りの空気が漂いやすい。本作は逆に、過去のシリーズでは覚えなければいけなかったあれこれが取り除かれ、初心者にもとっつきやすい内容になっていると思う。シリーズ未経験の方も、本作で安心して狩猟生活にチャレンジしてみていただきたい。なお、CEROレーティングはC(15歳以上対象)と意外と高いので、その点はお忘れなく。

クエスト達成後の画面が格好いい

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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