石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』

6歳児と「マインクラフト」の桜を探しに行こう! 「旅路と物語」アプデ親子冒険記

難易度「ピース」だけど拠点づくりから始まる冒険! 果たしてたどり着けるのか?

 PCゲームに関する話題を、窓の杜らしくソフトウェアと絡め、コラム形式でお届けする連載「石田賀津男の『酒の肴にPCゲーム』」。PCゲームファンはもちろん、普段ゲームを遊ばない方も歓迎の気楽な読み物です。

「マイクラ」で息子と一緒に桜を見に行こう

「マインクラフト」バージョン1.20のタイトル画面

 「マインクラフト」がバージョン1.20となる「旅路と物語(Trails & Tales)アップデート」が6月8日に実施された。

 それを聞きつけてか、6歳の息子が『マイクラやろうよ』と言い出した。彼は4歳から本作をプレイしているベテランなのだが、最近は「ドラゴンクエストビルダーズ2」に熱中しており(似たようなゲームではあるが)、「マインクラフト」を遊ぶのは数カ月ぶり。

 せっかくのタイミングなので、『新バージョンで追加された桜を見に行こう』と目的を設定。久々の親子プレイを開始した。

桜を見に行こうとは言った

 遊び場としては既に広々と開拓済みのワールドがあるのだが、息子が『もういくところないじゃん』と言うので、新たなワールドを作ることにした。遠出すればいくらでも行く場所はあるが、桜を見るだけなら新しいワールドの方が移動の手間なく見つけられるかもしれない。

 まずは新規ワールドの作成。ゲームモードを「サバイバル」、難易度は敵が出ない「ピース」にする。モードを「クリエイティブ」にするのもありだが、どうせなら新規ワールドでどこに何があるかわからない状態で、桜を探し出す冒険をすることにした。

 ではゲームスタート。……いきなり急な雪山の谷底である。とりあえず山を登ると、遠くに緑色の土地が見えたのでそちらへ向かう。

『こなゆきがあるかも、こわいなあ』

 久々なのによく覚えているなあ。

いきなりの雪山スタート

 雪エリアを超えて緑が見えてすぐ、村を発見。

『そうだ、ここをきょてんにしよう! ちょっとみてくるね!』

 息子はそう言い残して、村の家々を巡ってチェストの中身を片っ端から漁っていく。筆者はとりあえず近場で羊を狩っておく。ひととおり略奪を終えた息子は、

『いえをつくらなきゃ。もくざいとってくる』

『おとーちゃん、さぎょうだいつくっといて!』

『かまどがいるから、いしほらなきゃ』

『ブラマイじょう(採掘場所)、このへんにしようかな』

『こわれたゲートにきんがあるから、てつのつるはしをつくろう!』

 新生活の準備でたいそう盛り上がっている息子に『桜を見に行く話、忘れてない?』と聞いたら無視された。そういえば遊び始める前に聞いた時にも、見に行くという返事はなかった気がする。しょうがないのでしばらくお付き合い。

村を見つけたらさっさと突っ走っていく息子
見つけた村でまずは拠点づくりから。いや別に要らないんだが

桜は確かに綺麗だった

 1時間後、採掘で水が出たりして面倒になってきたところで、ようやく桜探しの旅に出ることに。冒険に出るならひととおりの武器や防具は要るらしい。

手に入れた素材で武器や防具をきっちり整える息子

 歩き始めてすぐ、筆者は今まで見たことがない怪しい建物を発見。『あれ何だろう?』と言うと、『りゃくだつしゃのとうだよ!』と教えてくれた。当然のように中に入ってチェストを漁る息子。『ピースモードだとなかにだれもいないんだよ』。へー。何で知ってるの?

略奪者の塔、らしい

 寄り道はそこそこにしてさらに進む。山を越え、新たな村を見つけたりしつつ、海があったのでボートでの移動に切り替える。ボートの方が移動が速いし、何より息子を後ろに乗せた状態で動き回れるので監視の手間がない。

2人乗りできるボートは移動時にいつも重宝する

 ボートで移動しつつ探すことおよそ10分。雨が降る夜中、ついに桜らしきものを発見した。意外と早く見つかってくれてよかったのだが、場所がおかしい。めちゃくちゃ急な高い山の上に大量の桜の木が見える。

桜を発見するも、崖のはるか上

 無理やり登ってもいいのだが、息子がうっかり落下すると面倒なことになるので、登りやすそうな場所を探して周囲を移動……と思ったら息子はちょっと高い位置におり『せきたんあったよー』と採掘中。そして掘り終わったらそのまま登っていく。

『よゆうだよー』ほんまやろな?

 ともあれ親子ともども無事に登り切って山頂へ。下から見ると急な山なのに、山頂は広く平坦で、一面桜の木が。木に咲いたたっぷりの桜と、ひらひらと舞い散る桜の花びら、そして地面には落ちた花びらがあり、一面ピンクでとても綺麗だ。ついでに豚もあちこちにいてピンク色を増している。

山の上は平坦で、一面に桜の木が生えていた

 カクカクした映像の本作で、綺麗も何もあるかいな、と思ってしまうゲーマーの筆者だが、この桜はなかなか見事。息子も『うわーきれい!』と言いながら、地面に落ちた花びらをかき集めては、64個の塊を筆者に押しつけてくる。

思ったよりも桜の感じが出ていて綺麗

 本作でのお花見は、桜の近くにたいまつを置いて夜を待つのもおすすめ。光の届く範囲だけが明るく見えて、夜桜見物の感じがとてもよく出ている。

たいまつを適度に設置して楽しむ夜桜がおすすめ

 アップデートではほかにもいろいろな要素が追加されているので、引き続き冒険を楽しんでいきたい。注意点としては、桜を見つけて伐採や苗木取りのため、上を向いて視界をぐるぐる回していると、いい感じに3D酔いする。苗木を植えれば桜の木はすぐ生えてくれたので、せっかく見つけたんだからと取り尽くさないで大丈夫だ。

桜の花は他の木の葉に比べて数が多く、全部取るのは結構大変。夢中になりすぎないように……
何はともあれ息子と遊ぶのは楽しい

著者プロフィール:石田賀津男(いしだ かつお)

1977年生まれ、滋賀県出身
ゲーム専門誌『GAME Watch』(インプレス)の記者を経てフリージャーナリスト。ゲーム等のエンターテイメントと、PC・スマホ・ネットワーク等のIT系にまたがる分野を中心に幅広く執筆中。1990年代からのオンラインゲーマー。窓の杜では連載『初月100円! オススメGame Pass作品』、『週末ゲーム』などを執筆。

・著者Webサイト:https://ougi.net/

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