やじうまの杜
「Windows 10 April 2018 Update」で見つかった不具合のまとめ(2019年2月28日更新)
安定性重視で運用したいユーザー向けの対策も紹介
2018年5月21日 06:00
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
「Windows 10 April 2018 Update(バージョン 1803)」では“タイムライン”や“近距離共有”、“集中モード”といった魅力的な新機能が多数導入されています(参考記事1、参考記事2)。一方で、不具合やトラブルも少なからず報告されています。今回はその事例と回避策を簡単にまとめてみました。
【5月23日解決済み】東芝製SSDの一部モデルでバッテリー寿命が短くなる
東芝のSSD“XG4”シリーズ、“XG5”シリーズ、または“BG3”シリーズを搭載したデバイスを「Windows 10 April 2018 Update」へアップグレードすると、バッテリー寿命が短くなります。
修正は6月上旬になる見込みで、それが待てない場合はWindowsを以前のバージョンへ戻すことが推奨されています。
【5月23日解決済み】Intel製SSDを搭載したデバイスがUEFI画面で再起動・クラッシュする
“Intel SSD 600p”シリーズや“Intel SSD Pro 6000p”を搭載したデバイスでシステムがクラッシュします。
これはかなり深刻な不具合で、解決策は今のところ「Windows 10 Fall Creators Update」などを再インストールするしかないようです。Microsoftは対象デバイスへのアップデート配信を中止して、問題の修正にあたっています。
【対処方法あり】「April 2018 Update」から言語を削除できない
「Windows 10 April 2018 Update」では言語パックを「ストア」から入手できるようになったほか、「設定」アプリで管理できるようになるなど、言語周りで大きな変更が加えられています(“機能オンデマンド(FOD)”と呼ばれる仕組みです)。本件はそれに伴う不具合のようですが、幸い「PowerShell」スクリプトの実行で修正することができます。
また、日本語版または繁体字中国語版ではないWindowsで日本語・繁体字中国語IMEを利用すると、初回利用時に辞書のバックグラウンドダウンロードなどが発生するため、文字が入力できなかったり、使えるようになるまで時間がかかったり、IME辞書が検出されないことがあるそうです。
【修正予定】「April 2018 Update」をインストールすると隠しパーティションにドライブレターが割り振られる
気にしなければどうということのない不具合ですが、誤ってフォーマットしたりするとWindowsを復旧できなくなったりします。ドライブレターを手動で削除するか、触らないように注意しましょう。
【7月5日解決済み】Dellの“Alienware”シリーズに「April 2018 Update」をインストールしようとするとエラーが発生する
Dell製の人気ゲーミングPC“Alienware”シリーズは今のところ「April 2018 Update」と互換性がありません。
- Alienware 13 R3
- Alienware 15 R3
- Alienware 15 R4
- Alienware 17 R4
- Alienware 17 R5
そのほかの問題
そのほかにも、解決済みのものも含めていくつかの問題が報告されています。
- 【修正済み】Windows 10 「April 2018 Update」のインストール後、「コルタナ」や「Google Chrome」がハングアップ・フリーズする
- 【解決済み】「Firefox」と「April 2018 Update」の間の非互換性問題
- 【対処方法あり】「April 2018 Update」をインストールするとアプリからカメラやマイクにアクセスできなくなる
- 【2019年2月28日修正済み】「一太郎」などで縦書きの約物が横書き表示される
- 【調査中】「Windows 10 April 2018 Update」でタッチキーボードが起動しない問題(5月22日追加)
- 【7月25日修正済み】「Outlook」でテキスト入力に問題が発生する(5月23日追加)
- 【5月25日解決済み】OSの起動時に[キーボード レイアウトの選択]画面または“ごみ箱”のみのデスクトップが表示される問題(5月24日追加)
- 【10月2日解決済み】RDP接続のUWPアプリでキーボードが英語配列になる不具合(6月11日追加)
- 【調査中、対処方法あり】同じネットワーク上のデバイスに接続できない問題(6月22日追加)
編集部でも「エクスプローラー」が頻繁にフリーズする不具合に悩まされましたが、5月の月例アップデートで修正されたようで、現在では快適に利用できています。
安定性を重視したい:機能アップデートのインストールを遅らせる
「Windows 10 April 2018 Update」は“Windows 10 Insider Preview”プログラムなどで事前にテストされていますが、あらゆる環境をカバーしているわけではないので、リリースされてから不具合が報告されることは少なくありません。しかし、業務環境でトラブルに遭うのは避けたい、安定性重視で運用したいというユーザーは少なくないでしょう。
その場合は、機能アップデートのインストールを遅らせるとよいでしょう。
まず、「設定」アプリを開き、[更新とセキュリティ]-[Windows Update]セクションに移動します。次に、[Windows Update]セクションの“詳細オプション”リンクをクリックしましょう。
[詳細オプション]画面を下の方にスクロールすると“更新プログラムをいつインストールするかを選択する”という欄があります。ここで機能更新プログラム(今回の「April 2018 Update」のような、年2回配信される大規模アップデートのこと)のインストールを延期する日数を選択すると設定は完了です。最大で365日まで遅らせることができるので、不具合が出尽くしてからアップグレードすることができます。
ただし、この方法が利用できるのは「Windows 10 Pro」以上のエディションのみです。「Windows 10 Home」では(ほぼ)否応なくアップデートが行われるので、業務上の理由などでOSの機能より安定性を重視したい場合は「Windows 10 Pro」を利用するようにしましょう。「Windows 10 Home」から「Windows 10 Pro」へのアップグレードは、「ストア」アプリ経由の場合で13,824円(税込み)です。
また、どうしても「Windows 10 Home」で機能アップデートを抑止したい場合は、そのために開発されたオンラインソフトがいくつかあります。OSは常に最新の状態に保って利用するのが基本ですが、そうしたツールに頼るのもよいでしょう。