やじうまの杜

「メインの勝利」? Microsoft、開発ドキュメントの機械翻訳を頑張りすぎて変なことに

日本語でドキュメントが読めるのはありがたいのだけれど……

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問題のドキュメントページ

 最近はドキュメントの整備に力を注いでくれる企業が増えていますが、やはり言語は英語が中心で、日本語のドキュメントは機械翻訳が主流となっています。ときどき意味が通っていなかったり、どう考えても間違ったことが書かれていて、ロケールを英語に変更してドキュメントを読み直すといった経験も多いのではないでしょうか。

 そんななか、Microsoftの公式ドキュメントサイトで「どうしてそうなった?」という例が発見され、「Twitter」でちょっとだけ話題になっています。

 ドキュメントに「Visual Studio」のスクリーンショットが挿入されているのですが、どうやらその内容まで翻訳されているようです。ソースコードがところどころ変な具合に日本語訳されていて、どうみてもコンパイルが通らないように見えますし、メニューのフォントなんかもちょっとおかしい。[Git]メニューが[Get]メニューになっているところなどは、いかにも機械翻訳らしい。

機械翻訳された「Visual Studio」のスクリーンショット。ソースコードで高らかに謳われる「メインの勝利」に思わず草(「MainWin(dow)」のことか?)

 わざわざ日本語版「Visual Studio」でスクリーンショットを撮りなおす工数まで確保できないが、日本語ユーザーにはできるだけ日本語で情報を提供したい……おそらくそんな心配りの結果なのでしょうが、「そこ、翻訳しちゃう?」って感じです。画像を機械翻訳するのも手間がかかるだろうに……。その下にある「NuGet」パッケージマネージャーの画面は日本語版の「Visual Studio」でスクリーンショットで撮られているので、なおさら奇妙に感じます。

日本語版「Visual Studio」でスクリーンショットを撮りなおしたところもある。人手がかかっていてすごい

 Microsoftのドキュメントに関しては、以前にも「ボランティアが機械翻訳を日本語らしい文章へ改善しても、元の英語のドキュメントがアップデートされると、それが機械翻訳されたものに上書きされてしまう」という問題がありました。ドキュメント翻訳の問題は質と量、コストの兼ね合いが難しく、ボランティアの助けを借りるのはよいアイデアだと思いますが、その努力を無にするのはちょっとひどいなと感じました。その一方で、画像の機械翻訳という「斜め上」な対策にはコストが投じられているようで、あまりスッキリしないですね。

 最近は機械翻訳もずいぶんよくなっていますが、ドキュメントの翻訳品質の問題が解決されるのはまだ先のことになりそうです。