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“Office 365”は4月22日から“Microsoft 365”に ~個人・家族向けサブスクリプションを追加
Officeアプリ・OneDriveに加え、「Microsoft Editor」「Presenter Coach」などのAI機能を拡充
2020年3月31日 09:00
米Microsoftは3月30日(現地時間、以下同)、“Office 365”を4月21日(日本時間で22日)から“Microsoft 365”に改名すると発表した。個人向けおよびファミリー向けのサブスクリプションプラン導入も併せて発表されている。
「Microsoft 365 Personal」と「Microsoft 365 Family」
個人・ファミリー向け「Microsoft 365」は、従来の「Office 365」(デスクトップアプリ、モバイルアプリ、1TBの“OneDrive”ストレージ、「Skype」の通話クーポンなど)に「Microsoft Editor」や「Money in Excel」といった若干の機能を追加したものとなる。価格は「Microsoft 365 Personal」が月額6.99米ドル、「Microsoft 365 Family」が月額9.99米ドル。「Microsoft 365 Family」は最大6名まで利用できる。すでに「Office 365」を利用中の場合は、自動で「Microsoft 365」へアップグレードされる。
“Microsoft アカウント”で利用できる無償サービスとの主な違いは、以下の通り。
サービス | Microsoft アカウント(無償) | Microsoft 365 Personal/Family |
---|---|---|
Office アプリ | Web、モバイル(iOS/Android) | Web、モバイル(iOS/Android)、デスクトップ(Windows/Mac) |
Microsoft Editor、PowerPoint Desiner、Presenter Coach | ベース機能 | プレミアム機能 |
Money in Excel | なし | あり |
OneDrive ストレージ | 5GB | 1TB(家族プランは6TBまで) |
OneDrive Personal Vault | 3ファイル | 制限なし |
Outlook.com ストレージ | 15GB | 50GB |
Outlook.com プレミアム機能(カスタムドメインなど) | なし | あり |
Skypeによる携帯・固定電話通話 | なし | 月60分まで無料 |
「Microsoft Editor」はAIによる入力支援を搭載したテキストエディターで、「Word」と“Outlook.com”で利用可能。新しい「Microsoft Edge」と「Google Chrome」向けの拡張機能としても提供され、さまざまなWebサイトで快適なテキスト編集を実現する。無償でもスペルや基本的な文法チェックが可能だが、「Microsoft 365」向けにはより洗練された文法と文体を提案する機能が追加される。
「PowerPoint」の「Presenter Coach」は、プレゼンテーションのリハーサルをチェックして改善点を指摘してくれるAI機能だ。しゃべる速さや声のトーンなどに耳を傾け、よりよい発表を行うための指導を行う。そのほかにも、「Microsoft 365」サブスクライバーには300を超えるフォント、2,800の新しいアイコン、“Getty Images”の写真ストックなどが提供され、「Word」「Excel」「PowerPoint」でより魅力的なドキュメントを作成できるようになる。
「Money in Excel」は、財務をシームレスに管理するための「Excel」アドイン。銀行やクレジットカードと連携して取引や口座残高をインポートできるサービス“Plaid”と連携し、「Excel」で入出金をチェックしたり、財政状況を分析できる。この機能はサブスクリプションの購入者限定で、今後数カ月以内にまずは米国でリリースされる予定。
そのほかにも、PC/Android/Xboxの利用時間を管理したり、年齢にふさわしくないコンテンツへのアクセスを制限できる“Microsoft Family Safety”、家族や友人の繋がりや共同作業を支援するコンシューマー向けの「Microsoft Teams」が提供されるという。
企業向けの「Microsoft 365」
企業向けの「Microsoft 365」は基本的に製品名の変更のみで、現時点で価格や機能に変更はない。
・「Office 365 Business Essentials」→「Microsoft 365 Business Basic」
・「Office 365 Business Premium」→「Microsoft 365 Business Standard」
・「Microsoft 365 Business」→「Microsoft 365 Business Premium」
ただし、“Office 365 for Enterprise”など一部エンタープライズ・教育向けプランの名前は従来通りのままだ。
また、「Office 365 Business」アプリと「Office 365 ProPlus」アプリはともに「Microsoft 365」アプリとなる。区別が必要な場合は、“for business”や“for enterprise”と呼び分けることになる。