いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】数式バーの左側にある[fx]ボタンって何?エクセルで暗記していない関数を使うテク

数式バーの左側にいつも表示されている「fx」って何なんだろう?

 Excelで、数式バーの左側に[fx]というボタンが表示されていることにお気づきでしょうか? 普段Excelで業務を行っていても、なかなかこのfxボタンを触ったことのある方は少ないかもしれませんね。そもそもそんなボタンが存在することを知らなかった……という方もいらっしゃるかもしれません。

 この[fx]ボタンは、正式には[関数の挿入]ボタンと呼ばれるもので、使いこなせば数式の入力をぐっと効率化できる便利なボタンなのです。今回は、この[fx]ボタンの2通りの使い方を解説します。

使い方1:関数を使った数式の作成に使う

 [関数の挿入]ボタンという名前の通り、このボタンは関数を使った数式の作成の助けになるボタンです。早速、実際にこのボタンを使って数式を作成してみましょう。

 Excelで作成した請求書で小計を表示させたいセル(ここではセルE17)に、SUM関数を使った数式を入力してみましょう。セルE17(①)をクリックして選択します。

 次に、数式バーの左側にある[fx]ボタン(②)をクリックします。

 [関数の挿入]ダイアログボックスが表示されます。[関数名]欄から[SUM](③)をクリックして選択し、[OK](④)をクリックします。[関数名]欄に[SUM]が表示されていないときは、ダイアログボックスの上の方にある[関数の検索]欄に「SUM」と入力して[検索開始]をクリックすれば、[関数名]欄に表示されます。

 ちなみに、[関数の検索]欄に「合計」や「足し算」など、やりたいことを日本語で入力して目的の関数を検索することもできます。関数の名前が思い出せない時には、この検索方法も試してみてくださいね。

 [関数の引数]ダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスでは、関数の後のカッコに続けて入力する引数の内容を、引数ごとに分けて入力できます。SUM関数ではカッコの中に合計したい数値やセル、セル範囲を入力しますよね。ここではセル範囲E12:E16を合計したいので、[数値1]欄に「E12:E16」(⑤)と入力します(シート上でセル範囲E12:F16をドラッグして指定することもできます)。入力が完了したら、[OK](⑥)を押します。

 セルE17にSUM関数を使った数式が入力されました(⑦)。自分では関数の後に付けるカッコは入力していませんが、この[関数の挿入]ダイアログボックスを使うと、カッコが自動で補完されます。引数が複数ある関数では、引数の間に入る「,(カンマ)」も自動で入力されます。これなら、関数名を選択して引数を正しく入力するだけで数式が完成しますから、頭を整理しながら数式の作成を進めることができますね!

 なお、Excelでの操作に慣れている読者はお気づきかもしれませんが、このボタンをクリックすると表示される[関数の挿入]ダイアログボックスは、[数式]タブ→[関数の挿入]をクリックした時に表示されるものと同じです。

使い方2:数式にエラーが出た時、修正のヒントを探る

 [fx]ボタンは、数式を作成するときだけでなく、エラーが出てしまった数式を修正する時にも役立ちます。例えば、Excelで作成したスケジュール表で、決まった曜日に決まった予定を表示させるための数式を作成している(①)とします。

 数式を最後まで入力して[Enter]キーを押しましたが、エラー値が表示されてしまいました(②)。どうやら、数式に誤りがあるようです。

 誤りのある数式が入力されているセル(ここではセルB3)をクリックして選択(③)し、数式バーの左側にある[fx]ボタン(④)をクリックします。

 [関数の引数]ダイアログボックスが表示されます。IF関数の引数が上から順に表示されていますが、その中で一番上に表示されている[論理式]の欄の右側に、赤い文字で「#NAME?」(⑤)と表示されていますね。どうやら、数式のこの部分に誤りがあるようです。このように、数式に誤りがある時に[fx]ボタンをクリックすると、エラーの原因となっている部分を具体的に知ることができます。

 [論理式]欄に入力されていた「WEEKDAY」関数のスペルが間違っていたのがエラーの原因だったので、正しく入力し直す(⑥)と、右側に表示されていたエラー値が消え、WEEKDAY関数の戻り値(ここではFALSE)(⑦)が表示されるようになりました。エラー値が表示されなくなったことを確認したら[OK](⑧)をクリックして、ダイアログボックスを閉じます。

 数式が正しく修正され、セルにエラーが表示されなくなりました(⑨)。数式が入力されているのにセルに何も表示されなくなるので、あれ?と思うかもしれませんが、この日は予定が入っていない曜日なので、セルには何も表示されないのが正しい状態です。

 [fx]ボタンは、数式中で修正の必要がある部分を教えてくれるので、数式の修正のヒントを知りたい時にも便利に使えるボタンなのです。

[fx]ボタンを数式作成や修正に活用すれば業務の効率がUP!

 今回は、Excelでいつも数式バーの左側に表示されている[fx]ボタンの使い方を2通り解説しました。これまで何気なく眺めていた[fx]ボタンがとても便利なものであることがおわかりいただけたのではないかと思います。

 数式の作成にも修正にも便利に活用できる[fx]ボタンを使いこなして、業務の効率をアップさせてくださいね!

今月のExcelTips