いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】おせっかい機能を無効化したい!邪魔な入力候補や勝手にデータを変える機能をオフにするテク

Excelの親切心が時々おせっかいだと思ってしまうことがある……

 Excelには「オートコンプリート」や「オートコレクト」など、入力の効率を良くするための機能がいくつかあります。これらの機能の名前を知らない読者も、これまでにきっと一度は機能しているのを見たことがあると思います。

 例えば、次の「製造部製造課社員名簿」のセルA12(①)に、新たに異動してきた社員の名前を入力することになったとします。

 ここで、その異動者の氏名は「か」から始まるとしましょう。セルA12に「か」と入力すると、その右側に「金井朋美」という名前が自動で表示されます(②)。これはすでにこの表のセルA7に入力されている名前です。この状態でうっかり[Enter]キーを押すと「金井朋美」がセルA12に入力されます。もし「金井朋美」ではなく「加藤まり」と入力したい場合は、入力された名前を削除してから正しい名前を入力しなければなりません。Excelでの作業中にこんな経験をしたこと、きっと一度はありますよね。

 これが「オートコンプリート」で、セルに入力した文字が同じ列のセルの中ですでに入力されている値と一致するとき、セルに自動でその値が表示される機能です。つまり、今までに入力した履歴をもとに、入力を補助してくれるものなのです。入力の効率を良くしたいというExcelの親切心なのですが、作業の内容によっては、「おせっかいだな……」と思ってしまうことがあるんですよね。

 Excelには他にも、このように入力を補助してくれる機能がいくつかあります。今回は、Excelで文字入力の効率を良くするための2つの機能について、それが逆に自分にとっておせっかいに感じてしまう時に、その機能をOFFにする方法を解説します。

❶同じ文字から始まる文字列が自動で入力される「オートコンプリート」をOFFにする

 先ほどの「製造部製造課社員名簿」の例で「か」と入力しても、同じ列にある「か」から始まる名前が自動で表示されないように設定してみましょう。[ファイル]タブ(①)をクリックします。

 [情報]画面が表示されるので、画面左側のメニューで一番下にある[オプション](②)をクリックします。

 [Excelのオプション]画面が表示されるので、画面左側のメニューの[詳細設定](③)をクリックします。[編集オプション]の[オートコンプリートを使用する]のチェックマークをOFF(④)にして、[OK](⑤)をクリックします。

 これでオートコンプリートがOFFになりました。セルA12に「か」と入力してもすでにA列に入力されている「金井朋美」は表示されなくなりました(⑥)。

 オートコンプリートを再びONにしたい時は、[Excelのオプション]画面を開いて、先ほどOFFにした[オートコンプリートを使用する]のチェックマークをONにすればOKです。

❷英単語の頭文字が大文字になったりスペルが自動で修正される「オートコレクト」をOFFにする

 もう1つ、Excelには「オートコレクト」という機能があります。これは、英単語を入力した時に単語の頭文字が自動で大文字になったり、スペルが自動で修正されたりと、いろいろな自動修正を行ってくれる機能です。

 Excelで作成した請求書のセルB13に「レバーファイル(R)」(①)と入力する例を考えてみましょう。ここで、「(R)」はすべて半角で、商品の色(Red)を表すコードであるとします。

 ところが、[Enter]キーを押すと「(R)」が自動で商標のマーク「®」に変換されてしまいました(②)。これはオートコレクトによる修正で、他には「(C)」が著作権のマーク「©」に修正されたり、3つ並んだピリオドが自動で三点リーダ(「…」)に変換されたりします。これも作業の内容によっては不要な修正で、作業の効率が落ちる原因になることがありますよね。

 そこで、このオートコレクト機能をOFFにしてみましょう。前項と同じ手順で[Excelのオプション]画面を表示します。画面左側のメニューの[文章校正](③)を選択し、画面右側の[オートコレクトのオプション](④)をクリックします。

 [オートコレクト]ダイアログボックスが表示されます。[オートコレクト]タブ(⑤)をクリックすると、どのような内容の修正を自動で行うかが表示されます。不要な修正に関するチェックマークをOFF(ここでは6つの項目すべてをOFFにしています)(⑥)にして、[OK](⑦)をクリックします。

 再び[Excelのオプション]画面が表示されるので、[OK](⑧)をクリックします。

 これでオートコレクトがOFFになりました。先ほどと同様にセルB13に「レバーファイル(R)」と入力して[Enter]キーを押しても、今度は「(R)」が商標のマークに変わることはなく、正しく「レバーファイル(R)」(⑨)と表示されました。

 オートコレクトも、先ほどの手順でOFFにしたチェックマークをすべてONに戻せば、また機能を使えるようになります。必要に応じて、ONとOFFを切り替えてくださいね。

オートコンプリートやオートコレクトは必要に応じて活用しよう

 今回は、Excelで入力中に同じ文字から始まる文字列を自動で表示する「オートコンプリート」や、入力した英単語の頭文字を自動で大文字にしたりスペルを修正したりする「オートコレクト」機能をオフにする方法を解説しました。

 自動で修正などが行われると、自分の意図とは異なる場合はそれをさらに修正する必要が出てきてしまい、逆に作業の効率が落ちてしまう場面もあるかもしれません。でも、この機能をOFFにする方法を知っておけば、必要に応じてONとOFFを切り替えることができるようになります。

 今回の記事の内容を覚えて、オートコンプリートやオートコレクトを上手に活用できるようになってくださいね!

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