いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】あの人が作った表は単位付きで計算ができるのはなぜ?エクセルで表示形式を操るテク

売上表の金額に「単位」が付いているのに計算できているのはなぜ……?

 売上表や予算計画表などのExcelで作成された資料で、「〇〇円」のように金額に単位が付いていても、金額の計算を正しく行う方法を知っていますか?

 「1つのセルに『〇〇円』のように数値と文字列を入力してしまうと、入力値は文字列と判断されて正しく計算できないのでは……?」と疑問に思う読者もいると思います。たしかにそれは正しいです。セルに直接「円」のような単位を入力してしまうと、入力値は文字列として認識され、正しく計算ができません(①)。

 しかしExcelでは、実際の入力値は数値のままで、見た目だけを「〇〇円」のように変える方法があります。この方法を使えば、実際に入力されている値は数値なので、金額の計算は正しく行えます。さっそくやり方を見ていきましょう。

ユーザー定義の表示形式を設定する

 Excelで、セルへの入力値は数値のままで見た目だけを「〇〇円」のように変えるには、セルに「ユーザー定義」の表示形式を設定します。ユーザー定義の表示形式とは、ユーザーがセルの表示形式を自由に定義できる機能です。この機能を使えば、入力値は数値のままで見た目上は「〇〇円」のように「円」を付けて表示することができます。

 「売上表」の例を使ってやってみましょう。ユーザー定義の表示形式を設定したいセル範囲(B3:B7)(①)を選択した状態で、[ホーム]タブ(②)の[数値]にある矢印ボタン(③)をクリックします。

 [セルの書式設定]ダイアログボックスが表示されます。[表示形式]タブ(④)をクリックして、左側の[分類]欄から[ユーザー定義](⑤)をクリックします。

 画面の中央にある[種類]欄に、自分で定義した表示形式を入力します。「〇〇円」と表示するには、ここに「0"円"」と入力すればよいのですが、それだけだとすでに適用されている3桁区切りの「,」(半角カンマ)が解除されてしまいます。3桁区切りの「,」も適用して、なおかつ単位の「円」も表示するには、「#,##0"円"」(⑥)と入力します。[サンプル]欄(⑦)にプレビューが表示されるので確認します。

 確認できたら、[OK](⑧)をクリックしてダイアログボックスを閉じます。

 B列の「売上高」欄に「〇〇円」と単位が表示されるようになりました(⑨)。3桁区切りのカンマも、変わらず表示されていますね。

 実際にこのセル範囲に入力されている値は数値なので、計算も問題なくできます。試しに、セル範囲B3:B6の金額の合計を求めてセルB7に表示してみましょう。セルB7(⑩)を選択した状態で[ホーム]タブ(⑪)の[オートSUM(合計)](⑫)をクリックします。

 セル範囲B3:B6が自動的に選択され(⑬)、セルB7にはSUM関数が自動的に入力されます(⑭)。数式が正しく入力されていることを確認したら、再度[オートSUM(合計)](⑮)をクリックします。

 すると数式が確定され、計算結果が表示されます(⑯)。

 見た目上、「売上高」列には単位が表示されていますが、実際は数値として扱われることがわかりましたね。

ユーザー定義の表示形式で見た目を自由に変えられる

 今回はExcelの表で、実際の入力値は数値のまま見ただけ「〇〇円」のように表示する方法を解説しました。

 今回解説したユーザー定義の表示形式にはさまざまな書式があり、「2019/5/1(水)」のように日付を曜日付きで表示したり「〇〇様」のように名前の後ろに敬称を付けたり、自分の好みや用途に合わせて表示できるのでとても便利です。ぜひ使ってみてくださいね。

Windows 7マシン乗り換えの時。新PCはExcel作業効率が上がるものを!

 Windows 7のサポート終了が迫っている。どうせ買い替えるなら業務効率化を狙ってパソコンを買い替えよう! ExcelやPowerPointを使った作業が一気に快適になるパソコンのスペックを確認!

今月のExcelTips