やじうまの杜
「Winamp」の次期版が間もなく登場か ~公式サイトは気合の入ったデザインに
単なるアップデートではなく、完全なリマスターに
2021年11月30日 11:00
“やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
伝説的なメディアプレイヤーアプリ「Winamp」に復活の兆し? 公式サイト「winamp.com」がリニューアルされました。Twitterアカウントにも、思わせぶりなツイートが投稿されています。
Have you noticed something cool is happening?
— Winamp (@winamp)November 19, 2021
➖https://t.co/XuQzn5Quvc#SetTheTone⚡️#Winamp🦙#StayTunedpic.twitter.com/FiTs3F7KeV
「Winamp」について知らない若いユーザーのために軽く説明すると、「Winamp」は今の40代から50代ぐらいのおじさんおばさんが若い頃に使っていたメディアプレイヤーアプリです。ちょうどMP3フォーマットが普及しつつあった1997年に登場し、いろいろあって爆発的な人気を得ました。特徴はプラグインで自由に機能を拡張できた点や、「スキン」でデザインをカスタマイズできた点など。今でこそ当たり前の機能ですが、「メディアプレイヤーなら、この機能はあって当然でしょ」という雛形を作り上げたのがこのアプリです。
開発元のNullsoft社は、音声ストリーミングサーバー「SHOUTcast」やインストーラシステム「NSIS」(Nullsoft Scriptable Install System)でも有名。マスコットはリャマをモチーフにした「Mike the Llama」で、「Winamp」の起動時にも『Winamp, it really whips the llama's ass』というセリフとともにリャマの鳴き声が再生されていました。中の人がかなりのリャマ好きなのは確かです。
Nullsoft社と「Winamp」はのちに米インターネット接続サービス大手AOL社によって買収されましたが、AOLが不振に陥ると重荷になったのでしょう、2013年12月に「Winamp」の公開終了が宣言されました。しかし、終了日が過ぎてもちょっとアップデートされたり、Radionomyグループに買収されて復活したり、また音沙汰がなくなったり、コミュニティが勝手に後継ソフト「WACUP」の開発を始めたり……そんなこんなで今に至ります。
公式サイトによると、開発チームは次世代「Winamp」に取り組んでおり、しかもそれは単なるアップデートではなく、完全なリマスターになるとのこと。内容はよくわかりませんが、アーティストやオーディオクリエーターの収益について言及して登録を促したり、「世界でもっとも象徴的なオーディオプレーヤーの革新的な刷新をリリースする」にあたりビジネスパートナーを募ったり、開発者の採用を積極的に進めるなど、ただのメディアプレイヤーでは終わらなさそうな雰囲気も匂わせています。もしかすると「Spotify」のようなサービスを目指しているのでしょうか――どちらにしても、昔からの「Winamp」ファンが望むものであればよいのですが。
公式サイトでは「Winamp 5.8」(ベータ版)のダウンロードも可能。他のバージョン(おそらく「WACUP」のことを言っているのでしょう)よりもこのバージョンを使いながら、新しい「Winamp」を待つよう呼び掛けています。