これからはじめるChatGPTの基礎知識

ChatGPTとは ~AI時代の新しい幕開け

 話題の対話型AI「ChatGPT」の仕組みや基本操作をおさらいしてみましょう。このコーナーでは、人気AIの使い方がまるごとわかる新入門書『できるChatGPT』から抜粋してお届けします。
ChatGPTとは(以下、画像は『できるChatGPT』より)

人間のようにやり取りできる対話型AI

 ニュースやSNSなどで、よく耳にするようになった「ChatGPT」とは何なのでしょうか? 一口に説明すると、自然な会話ができるAIです。例えば、「ChatGPTの特徴を教えて」と聞くと、同じく自然な言葉でその特徴を教えてくれます。普段使っている言葉で対話しながらいろいろな用途に活用できるAIです。

人間のように自然な会話ができる
【使いこなしのヒント】今までのAIより格段に賢い

今までにも対話ができるAIや質問に回答してくれるAIはありましたが、ChatGPTは、それらよりも格段に自然な会話ができ、知識量が豊富なのが特徴です。映画や漫画で描かれてきた高度なAIに近い存在と言えるでしょう。

大量に学習した情報を元に回答してくれる

 ChatGPTは、さまざまな質問に答えることができます。インターネット上の情報や本から学んだ豊富な知識によって、知りたいことに答えてくれたり、あなたにアドバイスしてくれたり、物語などを作ったりと、多様なリクエストに応えてくれます。

膨大な量のデータを学習し回答を作り出す
【使いこなしのヒント】知能があるの?

ChatGPTに「知能」があるかどうかは議論の分かれるところです。ただし、人間と自然に会話できること、物語などを創作できることから、「知能」に限りなく近いことが人工的に実現できつつあると言っても過言ではありません。

無料のサービスとして使える

 ChatGPTは、「OpenAI」という米国の企業によって提供されているサービスで、簡単な登録をするだけで、誰でも無料で利用できます。ブラウザーさえあればすぐに使えるので、手元のパソコンやスマートフォンから試してみましょう。

無料のWebサービスでおもにパソコンから利用する
【使いこなしのヒント】ChatGPTの「GPT」って何?

「GPT」は、「Generative Pre-trained Transformer」の頭文字をとったものとなります。直訳すると「事前学習済みの生成系変換器」で、大量のデータであらかじめ学習された、(文章を)生成可能なAIモデルという意味になります。

社会に大きな影響を与えつつある

 ChatGPTは、その賢さから、従来の産業構造や労働環境を大きく変えるほどのインパクトがあると見られています。すでに仕事に活用する企業も登場していますが、日本では政府主導で積極的に活用するための検討も行われています。その一方で、教育機関では課題やレポートでの利用が禁止されるなど慎重な姿勢も見られます。

利用方法については賛否両論に分かれている
【使いこなしのヒント】人間の仕事が奪われる?

ChatGPTのような高度なAIの登場によって、人間の仕事が奪われるという懸念があるかもしれません。実際、ChatGPTは、時として、人間と同等以上のレベルで文章やプログラムのコードを出力することもできます。しかし、完全に置き換わるわけではありません。仕事の一部がAIに置き換わることで、働き方が変わると考えるのが妥当でしょう。

まとめ:AI時代の新しい幕開け

 ChatGPTは、自然な言葉を使って、人間と対等に話せる画期的なAIです。従来のAIのような機械的な違和感や間違いの回答が少なく、実用性が高いのが特徴です。こうしたAIを誰でも無料で使えるようになったことは、社会的に大きな意味を持ちます。インターネットやスマートフォンの登場などと匹敵するような劇的な社会的変化が生まれる可能性があるでしょう。

書籍紹介:『できるChatGPT』

 『できるChatGPT』(清水理史 著/できる編集部 著/越塚登 監修)は、「ChatGPT」の仕組みから基本的な操作、便利な使い方まで1冊で解説した新入門書。

 すぐに使えていろいろ役立つプロンプトを「できる」シリーズならではの丁寧な説明とわかりやすい構成で多数紹介されている。また、「ChatGPT」と他の対話型AIとの違いや、使用する上で注意したい著作権への配慮、セキュリティ対策もしっかりと説明。この1冊で「ChatGPT」を安心して使うことができる。

 7月13日発売。価格は、単行本・電子版ともに1,760円。全160ページ。