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【歴代モデル徹底比較】Amazonの『Kindle』は最新モデルへ買い替えるべき?

電子ペーパー端末「Kindle」シリーズのエントリーモデルは現行版で劇的な変化

『Kindle』の各モデル。左から第11世代、第10世代、第8世代、第7世代

 Amazonの電子ペーパー端末「Kindle」シリーズの中で、もっとも画面サイズがコンパクトなのがシリーズと同名の『Kindle』だ。画面サイズは6型とコンパクトで、上位の「Kindle Paperwhite」と比べると機能も控えめだが、1万円台前半というリーズナブルな価格は大きな魅力だ。

 今回は、この『Kindle』の歴代モデルすべて(キッズモデルなど一部を除く)を紹介しつつ、それらを所有しているユーザーの視点で、本稿執筆時点での最新モデル(第11世代)に買い替える必要があるのか否か、複数のポイントを検証していく。

 なお画質比較のサンプルには、『Kindle Unlimited』で配信されている、森田 崇/モーリス・ルブラン著『怪盗ルパン伝アバンチュリエ 第1巻』を、許諾を得て使用している。またテキストは夏目漱石著『坊っちゃん』をサンプルとして使用している。

 なお基本的な知識として、『Kindle』の各製品における「第○世代」という表現は、原則として発売年によってつけられるため、数字が連続していないことに気をつけたい。例えば初代モデルは第7世代、二代目モデルは第8世代、三代目モデルは第10世代であり、第9世代というモデルは存在しないほか、第6世代以前の名前を持つモデルは存在しない。見分け方はAmazonのサイトも掲載されているので、参考にしてほしい。

Kindle電子書籍リーダーのモデルの見分け方 - Amazonカスタマーサービス

世代別Kindleの特徴

Kindle(第7世代)──2014年発売

 初代の『Kindle』は、「Kindle」シリーズのエントリーモデルとして2014年に登場した製品で、世代としては「第7世代」にあたる。画面サイズは6型で、解像度は800×600ドットと低いものの、広告ありモデルは6,980円、広告なしモデルでも8,980円から購入できる安さが話題になった。

 もっとも上位となる『Kindle Paperwhite』と比べると解像度が低いほか、フロントライトも非搭載。またバッテリーの持続時間も、当時併売されていた『Kindle Paperwhite』の8週間に対して半分の4週間と、スペックは露骨に低かった。ストレージの容量も4GBしかなく、コミックなどを保存するにはかなり苦しい容量だった。

 すでに発売から10年近くが経過したモデルであり、E Inkのパネルも世代が古いPearlということもあって動作ももっさりしている。解像度の問題もあって今後も使い続けるのはかなり厳しく、今なお所有しているのであれば、買い替えは必須だろう。重量が191gと、現行モデルよりも重いのもネックだ。

『Kindle』(第7世代)。同時期に発売されたFireなどとも共通する、背面が角ばったデザインを採用する

Kindle(第8世代)──2016年発売

 比較的モデルチェンジの間隔が長い『Kindle』に置いて、2014年の初代モデルに続く新モデルは、2016年に発表された、第8世代と呼ばれる製品だ。

 2014年に発売された第7世代モデルに比べると、画面サイズや解像度、パネルなどのスペックは同一、また容量も4GBのままだが、重量が約160gと、約30g軽量化されている。約2割軽くなったと考えれば、かなりの軽量化であることがわかる。ボディサイズもひとまわり小さい。

 一方で、フロントライトを搭載しないといった、上位の『Kindle Paperwhite』と比べて欠けている機能は相変わらずで、また価格については、広告ありモデルが8,980円、広告なしモデルが10,980円と、それぞれ2千円ずつ値上げされている。第7世代ほどではないが動作ももっさりとしているので、現在も使い続けているようであれば、買い替えが望ましい製品と言えるだろう。

『Kindle』(第8世代)。ボディは現行モデルにつながる丸みを帯びたデザインに改められた

Kindle(第10世代)──2019年発売

 2019年に登場した『Kindle』は、第8世代モデルから約2年半開いて登場したモデルで、一般に第10世代と呼ばれる。画面サイズと解像度は従来モデルと同様で、4GBというストレージも変更はないが、『Kindle』としては初となるフロントライトを搭載したのが大きな目玉だ。また従来モデルでは約4週間と短かかったバッテリー持続時間は「数週間」という表現に改められ、多少なりとも長くなったことがうかがえる。

 フロントライトが追加されながら価格は据え置きということでお買い得なモデルだったが、表示性能そのものは従来製品と違いはなく、E Inkのパネルも旧来のPearlのまま、さらに重量が約174gと増しているのはウィークポイントだ。こちらのモデルも解像度などを考慮すると、総合的には買い替えの候補となるだろう。

『Kindle』(第10世代)。ボディはそれまでの2機種よりもコンパクトだがスペックに大きな違いはない

Kindle(第11世代)──2022年発売

 約3年半を経て久々にモデルチェンジした現行モデルの『Kindle』は、第11世代と呼ばれる製品で、解像度は1,448×1,072ドットと、従来の167ppiから一足飛びに300ppiへと進化している。内蔵ストレージも従来の4倍にあたる16GBに増量されたほか、充電ポートは(Micro-USB)からUSB Type-Cへと変更されるなど、あらゆる点が進化している。重量も158gと、過去のモデルと比べてもっとも軽く、最新の『Kindle Paperwhite』と(174g)と比べても、持ち歩きに適している。

 唯一のネックは従来よりも2千円アップした価格で、広告ありモデルは10,980円、広告なしモデルは12,980円となっている。とはいえ、本製品が発売された2022年の秋は、円安の影響でさまざまな製品が値上げされている上、過去にない劇的な変化を遂げていることを考慮すると、むしろ安いと感じてしまうほどだ。

『Kindle』(第11世代)。ボディは歴代でもっともコンパクトで、158gと軽量

買い替えるべきモデルは?

 以上のように、これまでに4製品が存在する『Kindle』だが、現行の第11世代モデルと、それ以前の3モデルとの間には、スペックに劇的な開きがあり、古い3モデルを使っているユーザーは、現行モデルに買い替える価値は極めて高い。解像度の向上や容量増だけでなく、動作のレスポンスも向上しているので、使ってみると新鮮な驚きがあるはずだ。

テキストの比較。上段左が第7世代、右が第8世代。下段左が第10世代、右が第11世代。解像度の高い第11世代のクオリティが突出して高い
コミックの比較。上段左が第7世代、右が第8世代。下段左が第10世代、右が第11世代。こちらもやはり第11世代のディティールが明らかにワンランク上だ
背面の比較。左から第11世代、第10世代、第8世代、第7世代。右2つは背面のロゴが「Amazon」になっている。また第7世代はボディ端が角ばっているのが特徴
幅の比較。新しいモデル(上)ほど幅が狭いのが分かる。また最上段の第11世代のみUSB Type-Cを採用している

 一方で、画面サイズはいずれも6型なので、さらに大きな画面がほしいのであれば、上位の『Kindle Paperwhite』に買い替える手もある。こちらは画面サイズが6.8型と一回り大きいため、コミックを表示した時の息苦しさは大幅に緩和されている。ただし片手でつかみにくくなること、また重量は205gと、第11世代『Kindle』(158g)より50gほど重くなってしまう点には気をつけたい。

 もうひとつ、これまで上位モデルに搭載されていながら、『Kindle』には搭載されていないのが防水機能だ。浴室やプール、あるいは台所など、水がかかりやすい場所で利用するのであれば、IPX8の防水機能を備えた上位の『Kindle Paperwhite』をチョイスしたほうが、オールラウンドで使えるはずだ。

左が『Kindle Paperwhite』(6.8型)、右が『Kindle』(6型)。画面サイズの相違に加えて、『Kindle Paperwhite』はフロントライトを暖色に切り替えられる