「Windows 10 on ARM」がx64エミュレーションに対応へ ～ARM64ネイティブの「Teams」アプリも提供

現在のところ「Windows 10 on ARM」ではx64アプリを利用できない

　米Microsoftは9月30日（現地時間）、ARM版「Windows 10」（Windows 10 on ARM）でx64アプリの実行をサポートする計画を明らかにした。11月には“Windows Insider Program”でx64エミュレーション機能のロールアウトが開始されるという。

　ARM版「Windows 10」では現在、ARM64向けにコンパイルされたネイティブアプリに加え、ARM32アプリと32bit版のWindowsアプリ（x86）を実行することが可能。しかし、64bit版Windowsアプリ（x64、AMD64/Intel64）の利用は不能で、32bitから64bitへの移行を完了してしまったアプリ（Adobe製品など）や、パフォーマンス重視や最近開発されたなどの理由で32bitバイナリがもとから提供されていないアプリが利用できないという問題があった。

　同社は「Visual Studio Code」や「Microsoft Edge」といった自社製品でARM64ネイティブ対応を進めているが、サードパーティ製品に関してはニーズが先行していなければ積極的な対応が行われないのが現実で、x64エミュレーションのサポートを望む声は根強くあったようだ。パフォーマンスやバッテリー持続時間の観点からはARM64ネイティブでの実行が望ましいが、x64エミュレーションは当面の互換性確保に役立つだろう。

　そのほかにも、同社はARM版「Windows 10」に最適化した「Microsoft Teams」クライアントアプリを間もなくリリースする予定。また、“App Assure”と呼ばれる取り組みでARM版「Windows 10」における「Microsoft 365」アプリの利用をサポートしていくとしている。