いまさら聞けないExcelの使い方講座

【Excel】シンプルだけど説得力のある資料を作成したい!エクセルのセル内に小さいグラフを表示するテク

シンプルだけど説得力のある資料を作成したい!

 Excelで作成した資料に、もっと説得力を持たせたいと悩んでいませんか。データをグラフ化したり、条件付き書式でセルや文字の色を変更したりして、ビジュアル効果を加えるなどの工夫をしたことのある人は多いと思います。アピールしたい気持ちが強くなり、たくさんの色やスタイルなどを駆使してこだわりすぎたために、かえって見づらい資料にしてしまった経験はありませんか。

 こんな時には、Excel 2010から新しく追加された「スパークライン」という機能を使ってみてはどうでしょうか。

 「スパークライン」とは、1つのセルの中に小さなグラフを作成できる機能です。表の項目ごと(行や列ごと)にグラフを作成できるため、データの変化をわかりやすく表現できます。また、セル1つの中にグラフを収めることができるので、資料の他の部分を邪魔することはありません。シンプルにデータを視覚化できるので、とても便利です。

 今回は、このスパークラインの使い方について解説します。

スパークラインを使ってセル内にグラフを作成する

 スパークラインとは、セル内にグラフを作成する機能です。作成できるグラフの種類は「折れ線」「縦棒」「勝敗」の3種類です。

 例として、営業成績表のI列(①)にスパークライン(折れ線グラフ)を作成してみましょう。

 スパークラインを作成するセル範囲(ここでは、セル範囲I3:I7)を選択(②)して、[挿入]タブ(③)の[折れ線](④)をクリックします。

 [スパークラインの作成]ダイアログボックスが表示されます。[データ範囲]欄に「B3:H7」(⑤)と入力して、[OK](⑥)をクリックします。

 I列のそれぞれのセルに、折れ線グラフが作成されました(⑦)。

 A列のそれぞれのメンバーごとに、6~12月の営業成績の傾向がグラフ化されていますね。

縦軸の設定を変更する

 前項で作成したスパークラインは、スパークラインごとに縦軸の範囲が自動調整されるように設定されています。各行のデータの最大値と最小値が縦軸の最大値と最大値になるように折れ線グラフが調整されるため、それぞれのスパークライン単体でデータの推移を把握するにはよいですが、表全体で数値の大小を比較することはできません。

 具体的に説明すると、例えば、3行目の「浅川雄平」の最大値は「69」(①)、4行目の「石巻純也」の最大値は「23」(②)ですが、この2件のデータの最大値(グラフの頂点)は同じ位置に見えますよね(③)。このように、「浅川雄平」のスパークラインと「石巻純也」のスパークラインでは、数値の大小を比較できません。

 そこでこの項では、表全体で縦軸の範囲をそろえて、すべてのスパークラインにおいて数値を比較できるようにしてみます。

 スパークラインを作成したセルのいずれか(ここではセルI3)を選択した状態(④)で、[スパークラインツール]の[デザイン]タブ(⑤)の→[軸](⑥)→[縦軸の最小値のオプション]の[ユーザー設定値](⑦)をクリックします(この時に[すべてのスパークラインで同じ値]を選択しても同じ操作を行えますが、[ユーザー設定値]は、最大値、最小値を自分の好みで設定できて便利なので、今回はこちらを選択します)。

 [スパークラインの縦軸の設定]ダイアログボックスが表示されるので、ここでは「10」(⑧)と入力して、[OK](⑨)をクリックします。

 すべてのスパークラインの縦軸の最小値が「10」に設定されます。

 同様にして、最大値も設定します。[スパークラインツール]の[デザイン]タブ(⑩)の→[軸](⑪)→[縦軸の最大値のオプション]の[ユーザー設定値](⑫)をクリックします。

 [スパークラインの縦軸の設定]ダイアログボックスが表示されるので、ここでは「70」(⑬)と入力して、[OK](⑭)をクリックします。

 すべてのスパークラインの縦軸の最大値が「70」に設定されます。

 これで、縦軸の範囲がそろい、表全体で数値の大小が比較やデータ傾向の把握ができます(⑮)。

「縦棒」スパークラインと「勝敗」スパークライン

 この項では、他の2つのスパークラインについて紹介します。

 スパークラインを作成する際に、[挿入]タブ→[縦棒]をクリックして、前述の「折れ線」と同様の手順を行うと、「縦棒」のスパークラインが表示されます(①)。

 また、「勝敗」のスパークラインは、数値の正負を明確にしたい場合に使います(②)。

スパークラインを使ってセル内にグラフを作成する

 今回は、スパークラインを使って、1つのセル内に小さなグラフを作成する方法について解説しました。

 今回は解説を省略しましたが、作成したスパークラインは、色を変えたり表示スタイルを変更したりもできます。

 Excelのグラフ機能を使えば高度なグラフを作成できます。一方で、スパークラインは省スペースで効率的にジュアル効果を実現できるうえに、数値データとグラフが隣り合わせで確認できるため、こちらのほうが使いやすいというケースもあります。

 ぜひ一度試してみてくださいね。

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