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【Copilot for Microsoft 365】Copilotにデータ処理させるプロンプトのコツ

文字列の分割や列の挿入もCopilotにお任せ!?

 今回は、業務で使いそうなデータでExcelのCopilotの動作を検証したいと思います。以前の記事で紹介したようにExcelのCopilotはプレビュー版であり、日々進化しています。

 といってもイマイチな点もあります。例えば、以下のデータを「,」で別々のセルに分割するために「分割して」と指示しましたが、意図通りの結果は得られませんでした。

2列目の[製品概要]列は「,」で区切られたデータが入力されている
『製品概要列の情報を「,」で分割して新しい列を挿入してください』と指示した。Copilotの回答はズレているように思える
「,」で分割しているようだが、特徴と販売期間は無視されてしまった

 Copilotの回答を見てみると、VALUE関数やMID関数、FIND関数などを使っているようです。このような処理はTEXTSPLIT関数がスマートだと思いますが、指示があいまいだったということでしょう。目的の処理を実現するための指示を探ってみます。

なるべく具体的に指示する

 Copilotは、ある程度の意図は汲んでくれますが、正しく処理をさせるには“具体的な指示”がポイントになります。上記の間違いを踏まえて、以下のように指示しました。

2列目は「,」で区切られて[重さ][色][対応機種][素材][特徴][販売期間]が入力されています。分割して列を挿入してください。
上記の指示を入力して[送信]をクリックする
今度はTEXTSPLIT関数を使っている様子。[列の挿入]をクリックする
一応、指示通りの列が挿入された

 今度は意図通りの列が挿入されました。[重さ]列は2列目で、ほかの列は後ろに挿入されたのはなぜか? と疑問は残りますが、「後ろに追加して」と指示しなかったのが原因でしょう。なかなか難しいですね。

 回答に表示される[元に戻す]をクリックして、指示し直すことはできます。なお、単純に「分割して」と指示すると元の列が置換されます。「挿入して」の指示では元の列が残ります。

[元に戻す]をクリックして、指示し直すことは可能

計算結果を新しい列として追加する

 挿入された[販売期間]列には「2022-2023」のようなデータが入力されているので、このデータをもとに計算してもらいます。

 「-」の後ろの数値から前の数値を引くだけですが、数を使う場合、「-」で分割、前後の「年」を数値に変換して引き算となり少し面倒です。目視で暗算した結果を直接入力したくもなります。

 Copilotに指示するだけで求められるなら便利ですよね。この例は「年」の引き算ですが、日付や時刻を計算するケースなら、より助かります。

「[販売期間]列から販売年数を求めて新しい列を挿入してください。」と指示した
[列の挿入]をクリックする
結果の列が挿入された。正しく年数が計算されている

 あっさりと結果が出力されました。この手の処理はCopilotの得意分野のようです。このほか、文字列の一部を置換して新しい列を挿入したり、新しい列を基準に並べ替えたりなどの処理も“指示だけ”で可能です。

 Copilotの動作がもどかしく感じることもありますが、Excelの操作や関数に慣れていない人が目的の処理を実現するためのツールとして使えるようになってきています。お手元のデータで試してみてはいかがでしょうか。