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AI好き集まれ!「AIフェスティバル 2024」の見どころをサードウェーブ 井田社長と清水亮氏に直接聞いてみた
受賞者がAIアーティストやイベントを協賛する側に! チャンスを呼ぶAIの聖地がここにある
- 提供:
- 株式会社サードウェーブ
2024年10月18日 06:55
2024年11月8日・9日に東京・秋葉原にて「AIフェスティバル 2024 Powered by GALLERIA」が開催される。
「AIフェスティバル」はその名の通り“AI”の総合イベントで、開催は昨年に続き今回で2回目。第三回「AIアートグランプリ」の表彰式や、大阪・福岡・東京で開催された「24時間AIハッカソン2024」各優勝チームのトークイベント、メディアアーティスト 落合陽一氏による基調講演、第一線で活躍する人たちによるトークセッションなど、今年も盛りだくさんな内容だ。
2022年に登場した画像生成AIやテキスト生成AI以降、最近はAIのニュースを目にしない日はない。
そんなAIを中心とするお祭りである第二回「AIフェスティバル」をどんな目的で開催するのか、どんな人たちに参加して欲しいのか、そしてどんなところを見てほしいのかについて、昨年に続き、今回も主催の株式会社サードウェーブ 取締役社長 井田晶也氏と、AI/ストラテジースペシャリストでAIアートグランプリ事務局を担当している清水亮氏にお話を伺った。
「AIフェスティバル」に参加すると世界が広がる!
「AIフェスティバル」が開催されることになった経緯は2年前に遡る。
2022年7月に画像生成AI「Midjourney」がオープンベータになり、AIが盛り上がり始めたため、サードウェーブの尾崎健介前社長(現会長)と清水氏は「AIを活用している人たちを応援したい」という想いから何かしようとディスカッションしていた。そうこうするうちに、年末には「ChatGPT」や「Stable Diffusion」がリリースされ、大きなうねりが起き始めてしまった。そこで、急遽「AIアートグランプリ」を開催することを決め、年明け2023年1月に作品の募集を開始、3月に審査会を実施したのだ。
「AIアートグランプリ」は大成功をおさめた。当然、第二回の開催が求められたが、当時のAI技術は劇的に進化している真っ最中。通常は来年となるところ、同年11月に時期を早めて開催することとなった。そのとき「AIアートグランプリ」に加えて、以前からアイディアを温めていた「24時間AIハッカソン」も実施することになり、「AIフェスティバル」という総合イベントが開催されることになった。
第一回「AIフェスティバル」では、開催1日目に「24時間AIハッカソン」が実施され、2日目にその結果発表と「AIアートグランプリ」の最終審査会が行われた。審査会・授賞式にも多くの人が訪れ、大盛況となった。この様子は下記の記事にて紹介している。
そして今年も、11月8日・9日の2日間に渡って「AIフェスティバル 2024 Powered by GALLERIA」が開催されることになった。
「きっかけは、“AIを応援したい”という気持ちでした。第一回の『AIアートグランプリ』が盛況におわり、さらにAIの可能性を追求したいと“AIハッカソン”を加え、昨年は『AIフェスティバル』の開催に至りました。その際、予想以上の来場者やメディア取材に、AIに対する関心の高さと、期待の大きさを感じましたね。AIアートグランプリの過去の出場者たちはすでにいろいろな形で活躍されています。また、昨年のAIハッカソンで入賞したチームの会社が今回の『AIフェスティバル』に協賛してくださるなど、新しいネットワークが広がっています。このフェスティバルで新しいテクノロジーやアイディアに触れ、“自分たちでもできるのではないか”と盛り上がっていただけることをサードウェーブとしては期待しています」(井田氏)
受賞者が「AIアーティスト」や「AIフェスティバルの協賛」に!
第一回「AIアートグランプリ」でグランプリを獲得した松尾公也(松尾P)氏は、同イベントを通じて多くのメディアに注目され、台湾の美術館にアーティストとして呼ばれるなど活躍の場を大きく広げたそう。第二回「AIアートグランプリ」でグランプリを獲得した快亭木魚(かいていもくぎょ)氏もテレビの取材を受けている。さらには「AIアートグランプリ」の審査員と仕事をしている参加者もいるという。
第一回「24時間AIハッカソン」で優勝したチーム「エムニ」はサードウェーブと協業して新しいビジネスに取り組んでいるとのことで、今回の第二回「AIフェスティバル」にも協賛している。ハッカソン参加者がその後のイベントの協賛に加わるのは聞いたことがなく、そんなネットワークが生まれるのも「AIフェスティバル」の魅力と言える。
「第一回『AIフェスティバル』は手探りしながらの開催でしたが、参加者のプレゼンテーションのレベルが、普通のコンテストでは見られないくらい高かったですね。こんなにみんな真面目にAIと向き合っているのか、と驚きました。トークセッションも面白かったので、もっといろんな人に来てもらえるように今年はアートという文脈だけでなく、ビジネスやテクノロジー、アカデミックの視点も盛り込みながら、“AIを語る”イベントにしたいと考えています」(清水氏)
今回掲げられた「AIフェスティバル」のテーマは昨年と同じ「AIをもっと身近に、もっと楽しく」。ビジネス色一色、高度に学術的というわけでなく、“ただAIを楽しむ”という、コンシューマー向けのイベントにしたいと考えているそうだ。
「AIアートグランプリ」は作品に対する“熱い想い”のこもったプレゼンが見どころ
三回目の開催となる「AIアートグランプリ」には、AIアートグランプリ部門には43作品、AIアートグランプリ絵画部門には96作品の応募があったという。今回は、従来の動画・漫画・音楽・ゲーム・ハードウェア・パフォーマンスなどの表現物を対象としたグランプリ部門に加え、静止画(画像)1点を審査する「AIアートグランプリ絵画部門」も新設。グランプリ部門は10作品、絵画部門は11作品が選出されて「AIフェスティバル」の会場内で結果発表、展示されることになる。
「この短期間に信じられないくらいAIが進化しているので、最終選考に残った作品は昨年に出ていたら、全員優勝するくらいレベルが高くなっています。AIが進化した分、人のセンスとかが求められるようになっていると思います」(清水氏)
第一回の「AIアートグランプリ」から毎回応募してくる参加者も多いという。これまでは落選続きだったのに、回を重ねるごとに成長し、今回は最終選考に残った人もいるそう。
AIに触れ、そして「AIフェスティバル」に参加することで、まさに大きく“進化”を遂げた人が何人も出てきている状況について、清水氏は「運営側としてとても嬉しかったですね」と語る。
昨年の「AIアートグランプリ」のテーマは「明日」だったが、今年のテーマは「活きる」。人とAIが共生していく中で、どのような化学変化が起きるのかはテクノロジーを活かす人次第、というところから決めたそうだ。「AIアートグランプリ」の見どころはやはり、最終審査会のプレゼンテーションだという。
「ビジネスのプレゼンと比べると、作品に対する熱量が全然違います。『これが僕の人生なんだ』『あなたたちが認めてくれなくても僕はやり続けるんだ!』といった想いが凄いんです。この凄さは、見てみないと伝わらないと思います」(清水氏)
「AIアートグランプリ」の審査員長にはメディアアーティスト・東京大学名誉教授 河口洋一郎氏、審査員はイラストレーター・漫画家 安倍吉俊氏、映画監督 樋口真嗣氏、アニメ企画プロデューサー 諏訪道彦氏、弁護士 柿沼太一氏という錚々たるメンバーが名を連ねる。アートのコンテストに弁護士が審査員となっているのも珍しい。AIアートについてユニークな視点で語られるのが興味深い。
「応募作品は各先生に点数をもらい、最終選考作品を決めています。ただ、第一回と第二回ともに下馬評でもっとも点数が高かった作品はグランプリを獲っていません。プレゼンテーションを聞いて議論することで結果が変わります。皆さん、本気でプレゼンするので、本当にレベルが高く、何が起きるかわからないところが見どころです」(清水氏)
AIなら完走しやすい!? お祭り騒ぎで楽しい「24時間AIハッカソン」
前回は1日目に開催された「24時間AIハッカソン」だが、今年は全国各地で事前開催されることになった。5月に大阪、7月に福岡、9月に東京で開催され、「AIフェスティバル 2024」では各優勝チームが集結してハッカソン当日の話や「本業」の話などを語り合うイベントが開催される。
「『24時間AIハッカソン」は、昨年は東京だけでしたが、今回は大阪と福岡でも開催しました。福岡には私も出席したのですが、学生さん、そして女性の参加者が多かったのが印象的でした。皆さん楽しそうに発表していて、AIのようなテクノロジーを使って何か新しいことにチャレンジしたい、と純粋に考えてるのだと感じました。熱量が高く、いろいろなドラマが生まれて盛り上がっていましたね」(井田氏)
「AIハッカソンではほとんどのチームが完走できるのが凄いです。普通のハッカソンは完走できない人たちがある程度出るのですが、AIハッカソンは参加者の腕というよりは、人間に寄り添う感情やアイデアが重視されるような特殊なハッカソンだと思います」(清水氏)
「24時間AIハッカソン」の優勝チームは、大阪大会がたこ焼きテクノロジーズ、福岡大会が捗dle(はかどる)、東京大会が異業種データサイエンス研究会(関東)となっている。彼らが集まるトークセッション「24時間AIハッカソン 優勝チームの集い」は「AIフェスティバル」の2日目である11月9日12時15分から開催される。また、各チームの展示ブースも用意される予定だ。
「優勝チームの集い」では“ハッカソンとはどんなイベントなのか”など、ざっくばらんに楽しいトークをしてもらう予定とのこと。セッションを聞いた人が「面白そう」「自分でもできそう」と思って来年、参加してもらうことが狙いだという。
配信なし! ここでしか聞くことができないAI話がてんこ盛りのトークセッション
落合陽一氏の基調講演を皮切りに、2日間にわたってAIに関連するゲストが登場するトークセッションが多数用意されている。第一回「AIフェスティバル」でも複数のトークセッションが行われたが、その場でなければ聞けない話ばかりで非常に盛り上がった。トークセッションはネット配信されないので、秋葉原に足を運ばないと聞くことができない。
「基調講演をお願いした落合陽一さんは、いま、1番目立っているメディアアーティストです。個展やコンサートをはじめ、精力的に活動されている方で、すごく当たり前にAIを使われています。AIを日本の文化や民芸と融合させているのですが、意外と彼はAIの話をしていないんです。「AIフェスティバル」でAIがどんなに素敵なものなのかを語っていただくというのは意味があると思いますし、おそらくどこでも聞けないセッションで価値があると思います」(清水氏)
トークセッションも力を入れており、普段あまり講演などで話すことのない人たちが登壇するそうだ。アートという切り口だけでなく、さまざまな視点でAIが語られるという。ちなみに、初日の11月8日は平日ということもあり、ビジネス寄りの内容も多い。AIに興味のある企業なら、業務として参加するのもありだろう。
トークセッション
- 【11月8日】
- [11時30分] 表現手段としての生成AI
AIアーティスト・インディーゲームクリエイター・事務員 快亭木魚氏、ARTIST KATHMI氏、テクノロジージャーナリスト・編集者・AIアーティスト 松尾公也氏 - [13時00分] ビジネスとしての生成AI
IT批評家 尾原和啓氏、株式会社マヨラボ 共同代表・CEO 片岡翔太郎氏、AI CROSS株式会社 代表取締役CEO 原田典子氏 - [15時00分] 進化するAIテクノロジー
エンジニア からあげ氏、人工生命ゲーム開発者 金沢美術工芸大学非常勤講師 中村政義氏、SambaNova Systems アジア太平洋地域マーケティングディレクター 林憲一氏、プログラマー 布留川英一(npaka)氏
- [11時30分] 表現手段としての生成AI
- 【11月9日】
- [11時00分] アートとテクノロジー
開発者・AR三兄弟 川田十夢氏、メディアアーティスト・映像作家 水落大氏、ゲームAI研究者 三宅陽一郎氏 - [15時00分] インターフェースと生成AI
東京大学大学院 工学系研究科主幹研究員 山川宏氏、関西大学総合情報学部教授 米澤朋子氏
- [11時00分] アートとテクノロジー
「AI好き集まれ!」 新たな出会いをチャンスに変えられる場所がここにある
「AIフェスティバル」ではサードウェーブや協賛企業によるブース展示も行われる。AIに関する興味深いプロダクトを見ることができるので要チェックだ。インテルやNVIDIAといった大手だけでなく、AIスタートアップのSambaNova Systemsなども協賛している。
「AIフェスティバル 2024 Powered by GALLERIA」は、東京・ベルサール秋葉原にて11月8日・9日に開催予定。入場料は2,000円(税込)で「teket(テケト)」のページから購入できる。1枚のチケットで、イベント両日とも入場可能で、期間中(10~17時)は繰り返し入退場もできる。
「『AIフェスティバル』は“AIの聖地”のようにしたいと思っています。参加したり応募したりして、選ばれた人も選ばれなかった人も、いろいろな出会いがあって、その出会いをチャンスに変えられるような場所にしたいです。“AIが好きで、何かやってみたくて、でもやり方がわからない”というような方が『AIフェスティバル』に来て、何か発見して、持ち帰ってもらいたいと思います。一言で言うと、やっぱり『AI好き集まれ』ですね」(清水氏)
「我々サードウェーブとしては『AIフェスティバル』をもっともっと大きくして、一大イベントにしたいと考えています。参加した人たちの中でさまざまなネットワークができて、さらにいろいろな形でAIが広がっていく世界を作りたいという想いがあります。AIというテクノロジーが凄い速度で進化していますが、我々もしっかりとその波に乗って、サードウェーブが提供するソリューションやテクノロジーをAIに活用することで、人々の生活をさらに豊かにできるようにしたいと思っています」と、井田氏は語ってくれた。