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「Microsoft Teams」の新機能「共有チャネル」がいよいよ一般提供へ ~同一テナント内で外部とのコミュニケーションが可能に
8月中旬までにロールアウトを完了予定
2022年7月25日 15:19
米Microsoftは7月19日(現地時間)、ビジネスコミュニケーションアプリ「Microsoft Teams」について、異なる組織に所属するユーザー同士とのコミュニケーションを可能にする機能「共有チャネル」をパブリックプレビューから一般提供へと移行すると発表した。8月中旬までにロールアウトを完了する予定。
「Teams」は、ビジネス向けコミュニケーションサービス「Slack」と比べると、外部との共有・コミュニケーション機能に課題があると指摘されることがある。「Slack」では「Slack コネクト」を利用することで、同一のワークスペース(テナント)内で外部組織・ユーザーとのシームレスなコラボレーションを行なうことができるが、対する「Teams」にはこれに該当する機能がこれまで搭載されていなかった。
そのため、「Teams」は基本的に組織内のチーム運用で利用するか、もしくは「ゲストアカウント」を作成し、その都度テナントを切り替えながら外部ユーザーとのコミュニケーションを取る必要があった。ゲストユーザーを招待した場合、チーム内にあるパブリックチャネルと参加しているプライベートチャネルの情報は全て閲覧可能となってしまうので、セキュリティリスクの観点からも改善を期待する声が多かった。
これを踏まえ、同社は、2021年に新機能「Microsoft Teams Connect」を発表。2022年3月にパブリックプレビューとして公開された「共有チャネル」を利用することで、内部・外部関係者用の共有ワークスペースを自分のTeamsアカウントから直接作成できるようになった。
「共有チャネル」を作成できるのはチームの所有者のみ。個人またはチーム全体を共有チャネルに招待することができる。自分が所属する組織だけでなく、外部のAzure Active Directory(Azure AD)組織から招待することも可能だ。「Azure AD B2B 直接接続(B2B Direct Connect)」を設定することで、ファイルの共有・チャット・Web会議・ドキュメントのやり取りなどのコラボレーションを、テナントを切り替えることなく行なうことができるようになる。
また、今回の一般提供に合わせて、パブリックプレビュー版から機能が拡張・改善されている。詳細は下記の通り。
- アプリ開発者は共有チャネル用のアプリを作成可能に
Teamsアプリマニフェストを利用して共有チャネルにオプトインできる - 共有チャネル数の追加(50→200)
チームごとに200の標準チャネル、30のプライベートチャネル、200の共有チャネルをサポート - メッセージングエクスペリエンスの向上
外部ユーザーがGIFや絵文字などの機能を使用できる - セキュリティ設定のデフォルトで「Azure AD B2B 直接接続」ユーザーをサポート
外部ユーザーに多要素認証を適用することで保護を維持する - 管理者レポートの強化
ユーザーアクティビティレポートとチーム使用状況レポートを参照可能 - モバイルアプリ版のサポート
共有チャネルがモバイルアプリ版でも利用できる
「Microsoft Teams」は、グループチャットを中核に、オンライン会議や画面・ファイル共有、「Office 365」アプリなどを統合したコラボレーションワークスペース。Webブラウザーで利用可能なほか、専用のクライアントアプリも用意されており、Windows(デスクトップ版・ストアアプリ版)、macOS、モバイル端末(Android/iOS)で利用できる。現在、公式Webサイトや窓の杜ライブラリからダウンロード可能。