どれ使う?プログラミング教育ツール
「子供向けプログラミングツール」カタログ 《高年齢向けアプリ編》
2021年8月13日 06:55
ステイホームの暑い夏。プログラミングに興味を持ったらとことん時間をかけてやってみるのもいいですね。
小学3~4年生ぐらいを入り口に、高学年なら無理なく楽しめそうなアプリをこれまでの連載から一気にご紹介します。日本語で指示の書かれたプログラムブロックを組み合わせるビジュアルプログラミング方式が多いですが、高学年向けにはプログラムのコードをテキストのまま扱うものも出てきます。年齢や慣れ、好みに合わせていろいろチャレンジしてみましょう!
ビジュアル型でクリエイティブ
子ども向けプログラミングでは超有名で情報量もダントツ「Scratch」
「Scratch」は、とても簡単なアニメーションから複雑なゲームまで非常に幅広く作れるのが特徴です。Webブラウザーで手軽にアクセスできる無料ツールで、自分の作品を公開できるなどコミュニティも盛ん。他の人の作品をアレンジするリミックスを推奨しているのも特徴です。歴史がありユーザーが多いので使い方や作り方の情報がネット上でかんたんに見つけられます。
LINE公式キャラクターも使える! 総合的なプログラミングツール「LINE entry」
簡単なアニメーションからゲームまで色々な作品作りができるベーシックなビジュアルプログラミングのツール。小学校で始まったプログラミング教育にむけて時期を合わせて公開され、学校でそのまま使える教材の提供にも積極的です。LINEの公式キャラクターを使って作品を作ることもできます。
Microsoft製でレトロなアーケード風トッド絵のミニゲームが作れる「Makecode Arcade」
「MakeCode」というMicrosoftが提供するオープンソースのプログラミング学習プラットフォームで作られたゲーム作成用アプリ。ベーシックなブロック型のビジュアルプログラミング方式でチュートリアルも丁寧です。リンク先の記事執筆時点では英語版しかありませんでしたが、現在は日本語版で提供されているので、英語の心配がなくなりました。
ていねいな説明で学習しやすい! Windows 10用のストアアプリも用意された「Kano Code」
プログラムで描画をしたりキャラクターをアニメーションさせたりして楽しい作品を作ることができます。とても丁寧に日本語の説明で教えてくれますが、プログラミングブロックの文字は英語のままです。日本語が母語の子ども達にはちょっとハードルが高いので推奨年齢を高めにしました。子ども向け自作PC「Kano」シリーズ向けに作られていますが、Windows 10用のストアアプリ版も用意されているほか、Webブラウザーでも動くのでKano PC以外でも使えます。
AIの機械学習データを子供でも手軽に「Scratch」で使えちゃう!
Googleの機械学習向けに開発されたオープンソースプラットフォーム「TensorFlow」の技術を「Scratch」に組み込んで、機械学習データを作ったり、作った学習データを使った作品を作ったりすることができます。夏休みにじっくり時間かけてやるにはぴったり!! 3通りのやり方を紹介します。
- Googleの「TensorFLow」を子供が手軽に使えるツール ~AIを体感!画像を機械学習させてみよう<前編>
画像認識の機械学習データを教育施設「Tech Park」が開発したAIブロックで作ります。 - 「TensorFlow」の学習データを「Scratch」のプログラムに組み込む ~AIを体感!画像を機械学習させてみよう<後編>
作成した機械学習データを使って、「Scratch」で画像認識の作品を作ります。拡張機能を組み込んだ特別な「Scratch」を使います。
- Google製「Teachable Machine」の機械学習で簡単に音声認識データを作る ~TensorFlowの技術を「Scratch」で活用
音声認識の機械学習データを「Teachable Machine」で作ります。 - 「Teachable Machine」で機械学習した音声認識データを使って「Scratch」でプログラミング ~拡張機能「TM2Scratch」を専用の「Scratch」で
作成した機械学習データを使って、「Scratch」で音声認識の作品を作ります。拡張機能を組み込んだ特別な「Scratch」を使います。
- TensorFlowの機械学習による画像認識をScratch上で! 子どもでもできるAI活用プログラミング
「Scratch」で画像認識の作品を作ります。拡張機能を組み込んだ特別な「Scratch」を使います。
ビジュアル系でパズル
大人気のマインクラフトの世界でプログラミング体験!「Minecraft: Education Edition」+「Hour of Code」
子どもたちに大人気のゲーム「Minecraft」の世界でプログラミングができる方法のひとつです。8つのクエストに沿って簡単なプログラムを組んで進む体験的な内容。PCにインストールして使う教育版マインクラフトは、一般アカウントでは登録・購入きないのですが、この「Hour of Code」用のアクティビティだけは利用できます。
コードがテキストで登場する本気度アップ系
キーボード入力を最小限に抑えつつテキストコードを扱う「CodeMonkey」
サルのキャラクターをプログラムで動かしてバナナを取るミッションが次々に出てくるゲーム仕立てのプログラミング学習アプリ。Jr版と異なりこちらは「CoffeeScript」が採用されていてテキストコードをそのまま扱います。操作はタイピングしなくていいようにできているので怖がらずに挑戦してみて!
とてもかわいいけれど本気度強めのiOS/macOS向け言語Swift学習アプリ「Swift Playgrounds」
AppleのiOS/macOSなどのアプリ開発言語「Swift」を学習するためのアプリ。とてもかわいらしいキャラクターをプログラムで動かして、宝石を取ったりするシンプルなミッションですが、少しずつレベルアップしてきちんとコードの使い方を理解しながら進むようにできています。テキストコードをそのまま扱いますが、タイピングせずに操作できるようになっています。
コード入力で絵が描ける! 短いコードですぐに結果が描画される「Make Art」
テキストでコードを書いてシェイプや線を様々に描画するプログラミングアプリ。座標や色を数字で指定したり、繰り返しを使って連続性のある図形を描いたりします。短いコードですぐに結果が描画されるのでやる気が持続しやすいはず。子ども向け自作PC「Kano」シリーズ向けに作られていますが、Webブラウザーで動くのでKano PC以外でも使えます。
ビジュアルアートに使う言語「Processing」をオシャレに一歩ずつ学べる「easel」
「Processing」というビジュアルアートなどに使われるプログラミング言語のコードを学べるアプリ。テキストコードを書きながら、コードの書き方、プログラミング手法などを丁寧にステップ・バイ・ステップで学んでいけます。すでに出来上がっているコードの一部をいじって実行結果を見るのも楽しいです。大人っぽいデザイン。
“写経”で「ぷよぷよ」を作る「Monaca Education」+「ぷよぷよプログラミング」
テキスト通りにコードを記述していくとゲーム「ぷよぷよ」が完成するという写経型の教材。HTML5とJavaScriptでクロスプラットフォームのアプリを開発できる環境「Monaca」で使います。半完成型のコードを補完していくスタイル。ゲームへの興味をきっかけに大量なテキストコードに果敢に挑んでほしいという思いが伝わってきます。
2020年度から小学校でプログラミング教育が実施されています。これに伴い家庭でも手軽にプログラミングを学習できるツールが多数登場していますが、どんなツールを使えばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか? そこで本連載では家庭でのプログラミング教育にピッタリなお勧めツールを紹介していきたいと思います。