Blender ウォッチング
3Dキャラを可愛く怒らせよう!無料の3Dモデリングツール「Blender」で簡単に
ポイントはシェイプキーの活用と膨らませ方
2022年1月7日 06:55
本連載では、無料の高機能3Dモデリングツール「Blender」の使い方や関連情報を幅広くお伝えします。
前回のVRM講座では、すでにある表情を編集しましたが、今回は既存の表情をミックスし、新規追加する方法を解説します。
下図のような「ぷくーっ」の表情を作ります。何だか怒らせてばかりいますが、たまたまですので気にしないでください。
作業ファイルと「Blender」について
作業ファイルには、プロ生ちゃんこと「暮井 慧」をサンプルファイルに使用されていただいています。許諾をいただいたPronama LLC様、VRMモデルを公開されている120様に感謝いたします。
このサンプルファイルは120様作成のVRMモデルを.blendファイル化した物に少し手を入れているため、公式の.blendファイルとは差異があります。
使用条件については下記をご覧ください。
「サンプルキャラクターモデル」のblendファイルをダウンロード
「Blender」のバージョンは前回と同様「Blender 2.93LTS」を使用します。
シェイプキーを組み合わせて表情の基礎を設定する
今回は、まず先に「オブジェクトモード」(サンプルではそのまま)にて「利用するシェイプキーの選択」と「新規追加」を行います。
利用するシェイプキーの選択
右側の[プロパティエディター]内の[シェイプキー]パネルのリストから「怒り」のシェイプキーの少し左側の「0.0」と表示されている部分(ウェイト)が「1.0」になるまで、右方向に「左ドラッグ」します。
モデルが「怒り眉」と「への字口」になればOKです。
ホイール回転、またはすぐ右側のスクロールバーでスクロールし、下の方にある「ライン短」も同様にウェイトを「1.0」にします。これで口が「おちょぼ口」になりました。
頬を「ぷくーっ」の状態に膨らませる
編集モードへの切り替えと頬の選択
[3Dビューポート]左上から[オブジェクトモード]とあるメニューをクリックし、[編集モード]に切り替え、すぐ下のアイコンで「頂点選択モード」になっていることを確認します。
下図の頬の左右両側の頂点を、1つめは左クリック、2つめは[Shift]+左クリックで複数選択します。
[3Dビューポート]左側のツールバーの下の方にある[収縮/膨張]ツールをクリックして選択します。
そして以前も行ったように、[3Dビューポート]のヘッダーの中央付近にある同心円状のアイコンをクリックし、「プロポーショナル編集」モードを有効にします。
画面中央下あたりに表示されている、「黄色いハンドル」をドラッグし、頬を膨らませます。ドラッグ中、口の変形が滑らかになるよう、「灰色の円」をマウスホイールで調節してください(※)。
※もしマウスホイールがなければ[PageUp]/[PageDown]キーでも可。
再び[3Dビューポート]左上から[オブジェクトモード]に切り替えます。
表情が元に戻ってしまいますが、シェイプキーリスト中の「puku-」のウェイトを「1.0」にすると、編集した表情になるはずです。
とりあえず次の作業のため、ここで一度保存しておいてください。
終わりに
今回は「シェイプキー」の新規追加と、「プロポーショナル編集」と「膨張/収縮」ツールによる編集を行いました。次回は「JSONファイルの編集」とVRMファイルへのエクスポートを行います。ではまた。