やじうまの杜
【12月20日更新】「Windows 11 バージョン 24H2」の既知の問題まとめ
2件の問題を追加
2024年10月2日 10:39
「やじうまの杜」では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。
米国時間10月1日より一般提供が開始された「Windows 11 2024 Update」(バージョン 24H2)はビルドナンバーが「22621」から「26100」へと上がっており、多くの新機能や改善が含まれています。
しかし、そのためもあってか、すでにいくつか既知の問題が見つかっているので注意が必要です。問題が発生すると想定される環境には「セーフガード」が適用され、解決されるまで「バージョン 24H2」へのアップグレードはブロックされます。
「インストール アシスタント」や「メディア作成ツール」を使えば、手動で強引に「バージョン 24H2」へアップグレードできることもありますが、トラブルを避けるためにもやめておいたほうがよいでしょう。
現在報告されている問題は以下の通りです。
セーフガード適用済みの問題
- デジタル音響技術「Dirac Audio」に問題【12月20日追加】
- 「自動 HDR」機能が原因でゲームに発生する問題【12月20日追加】
- 「アサクリ」などUbisoft製ゲームが応答不能になる問題【12月12日更新】
- 「Google Workspace」と「Outlook」の同期に問題
- 中国の税務申告や官用の申請アプリでBSoDエラーが発生
- 一部のASUS製デバイスで「Windows 11 バージョン 24H2」のインストールに失敗する
- カメラを利用すると一部アプリが応答不能になる問題
- 「Safe Exam Browser」が開かない問題
- 「Easy Anti-Cheat」を利用する一部デバイスがブルースクリーンで停止する問題
- デバイスがロックされた後、指紋センサーで発生する問題
- 壁紙カスタマイズアプリが正常に動作しない問題
- 「Intel Smart Sound Technology」ドライバーとの互換性問題
- 「Asphalt 8」が定期的に応答しなくなる問題
デジタル音響技術「Dirac Audio」に問題
オーディオの明瞭度と精度を高めるデジタルサウンド改善技術「Dirac Audio」を搭載した一部のデバイスで、デバイス内蔵のスピーカー、Bluetoothスピーカー、Bluetoothヘッドセットなどが機能しなくなる。また、「Dirac Audio」のアプリやサードパーティのアプリケーションがこれらのデバイスを認識しない場合もある。
この問題は、「Dirac Audio」のソフトウェアコンポーネント「cridspapo.dll」に関連している。Microsoftは「cridspapo.dll」を含む「Dirac Audio」搭載デバイスに対し、「Windows Update」を介した「Windows 11 バージョン 24H2」の提供を一時見合わせるセーフガード措置を適用している。問題が解決されるまで、インストール アシスタントやメディア作成ツールを利用した手動更新も推奨されない。
Microsoft は、この問題に対処したドライバーがメーカーからリリースされ次第、「Windows Update」経由で提供できるよう協力するとしている。アップデートされたドライバーが適用されれば、セーフガードは解除される見込み。
「自動 HDR」機能が原因でゲームに発生する問題
「自動 HDR」機能が原因でゲームが応答しなくなったり、正しくない色が表示されたりすることがある。
Microsoftは解決策を検討中。互換性維持のため、「自動 HDR」を有効にしているデバイスに対し、「Windows Update」を介した「Windows 11 バージョン 24H2」の提供を一時見合わせるセーフガード措置を適用している。問題が解決されるまで、インストール アシスタントやメディア作成ツールを利用した手動更新も推奨されない。
なお、この問題は「自動 HDR」の無効化で回避できる。「設定」アプリの[システム]-[ディスプレイ]-[グラフィック]ページへ移動し、[既定の設定]セクションにある[自動 HDR]のトグルスイッチをオフにすればよい。アプリケーション個別に「自動 HDR」を無効化することも可能だ。
「Google Workspace」と「Outlook」の同期に問題
「Google Workspace」のメール、カレンダーイベント、連絡先、メモ、タスクを「Outlook」と同期するGoogle公式のツール「GWSMO」を利用している環境で、「Microsoft Outlook」にエラーメッセージが表示され、起動できないことがある。さらに、「GWSMO」をアンインストール・再インストールすることもできない。
Microsoftは特定バージョンの「GWSMO」がインストールされたデバイスに対し、「セーフガードを適用中で、「GWSMO」を最新バージョンのv4.3.68.0へ更新すれば問題は発生せず、セーフガードも解除される。
中国の税務申告や官用の申請アプリでBSoDエラーが発生
中国の税務申告や官用の申請アプリがインストールされた環境でトラブルが起こる可能性がある。具体的には、「Windows 11 バージョン 24H2」へのアップグレード、または実行時にブルースクリーン(BSoD)エラーが発生するといった問題が発生する。
USB接続の複合機・スキャナーが検出されない問題
「Windows 11 バージョン 24H2」へアップグレードするとUSBデバイスが検出できなくなる問題が確認された。ネットワークスキャナーで用いられている「eSCL」プロトコルをサポートするUSB接続デバイスが影響を受けるとされ、USB接続の複合機やスタンドアロンスキャナーが利用できない可能性がある。
本問題は、2024年12月の更新プログラム「KB5048667」で解決された。
「アサクリ」などUbisoft製ゲームが応答不能になる問題
Ubisoft製の一部ゲームが「Windows 11 バージョン 24H2」で応答不能になる問題が発生。ゲームの起動中やロード中、またはゲームプレイ中に反応しなくなるだけでなく、場合によっては画面全体が黒くなることもある。
影響を受けるゲームは以下の通り。
- アサシン クリード ヴァルハラ(Assassin's Creed Valhalla)
- アサシン クリード オリジンズ(Assassin's Creed Origins)
- アサシン クリード オデッセイ(Assassin's Creed Odyssey)
- スター・ウォーズ 無法者たち(Star Wars Outlaws)
- アバター:フロンティア・オブ・パンドラ(Avatar: Frontiers of Pandora)
問題が発生しているゲームの内、「スター・ウォーズ 無法者たち」と「アバター:フロンティア・オブ・パンドラ」には、Ubisoftが修正プログラムを公開した。この修正プログラムにより、クラッシュの問題は軽減されるが、ゲームのパフォーマンスが低下する問題については引き続き発生する可能性があるものの、セーフガードは解除されている。
「VoiceMeeter」をインストールした環境でブルースクリーンが発生する問題
VB-Audio Softwareの仮想オーディオミキサーアプリ「VoiceMeeter」をインストールした環境で、「VoiceMeeter」が予期せず終了し、デバイスでブルースクリーン(BSoD)が発生し、「MEMORY MANAGEMENT」というエラーメッセージが表示される。問題の原因は、「VoiceMeeter」のドライバーと新しいメモリマネージャーの非互換性によるものとみられる。
本問題は、ドライバー側のアップデートで解決された。「Windows 11 バージョン 24H2」へアップグレードする前に「VoiceMeeter」アプリを最新バージョンへ更新すれば、セーフガード措置も解除される。
一部のASUS製デバイスで「Windows 11 バージョン 24H2」のインストールに失敗する
ASUS製ノートPC「X415KA」「X515KA」など特定モデルを「Windows 11 バージョン 24H2」へアップグレードしようとするとブルースクリーン(BSoD)エラーが発生し、「バージョン 24H2」のインストールが完了しないことがある。搭載されたハードウェアコンポーネントに「Windows 11 バージョン 24H2」との互換性がないことが原因と見られる。
カメラを利用すると一部アプリが応答不能になる問題
特定のデバイスで物体または顔検出機能が有効になっている場合、「カメラ」アプリが利用できない、「Windows Hello」による顔認識サインインオプションが機能しない、カメラを用いるアプリケーションが応答しなくなるなど、統合カメラにトラブルが生じることがある。
「Safe Exam Browser」が開かない問題
各種e-Learningシステムを安全に利用するためのWebブラウザー環境 「Safe Exam Browser」 (SEB)が開かないことがある。v3.7およびそれ以前のバージョンを使用しているデバイスがセーフガードの対象。
「Easy Anti-Cheat」を利用する一部デバイスがブルースクリーンで停止する問題
マルチプレイヤーオンライン(MMO)PCゲームなどで採用されているチート対策ツール 「Easy Anti-Cheat」 を利用する一部デバイスがブルースクリーン(BSoD)エラーで停止する。トラブルが発生するのは2024年4月以前にリリースされた「Easy Anti-Cheat」ドライバーを利用する環境がほとんどで、互換性のないドライバーがインストールされた環境にはセーフガードが適用される。
デバイスがロックされた後、指紋センサーで発生する問題
デバイスがロックされた後、 指紋センサー に問題が発生する可能性がある。「Windows Hello」指紋認証での認証が行えず、ユーザーは別の方法でデバイスをアンロックするかログインする必要がある。この問題の影響を受けるのは限られたデバイスで、すでにセーフガードの対象となっている。
壁紙カスタマイズアプリが正常に動作しない問題
壁紙カスタマイズアプリ が期待通りに動作しない場合がある。壁紙が正しく表示されない、デスクトップからアイコンが消える、デスクトップのプレビュー機能が失われる、仮想デスクトップが機能しないなどの症状があり、アプリケーションによってはエラーメッセージが表示される。影響を受けるアプリは複数あり、インストールされている環境にはセーフガードが適用される。
「Intel Smart Sound Technology」ドライバーとの互換性問題
「Intel Smart Sound Technology」(Intel SST)ドライバー との互換性の問題。第11世代Coreプロセッサーのオーディオドライバー(IntcAudioBus.sys)がv10.29.0.5152またはv10.30.0.5152の場合、ブルースクリーン(BSoD)エラーが発生することがある。「Windows Update」などでドライバーを対策済みバージョンへ更新すればセーフガードは解除される。
「Asphalt 8」が定期的に応答しなくなる問題
Gameloft社のレーシングゲーム 「Asphalt 8」 が定期的に応答しなくなることがある。ゲーム中または終了中に例外が発生してゲームが応答しなくなり、ゲームの再起動を余儀なくされる。セーフガードの適用済み。