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【第3回】
メモリと夕焼けと運動場
(02/10/21)
窓の杜高校、超パソコン部の部室。
あらあら、めも理ちゃん。今日もパソコンの前でフリーズしていますね。
一体どうしたのでしょう?
メモリって何?
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今日はパソコンに新しいオンラインソフトを導入よ。さあ、インストールする前にReadMeファイルを読破するわ!
……メモリ、128MB以上?
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どうしたんですか、めも理ちゃん固まっちゃって。画面に、面白い画像でも映っているのですか?
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……さあ、気を取り直して運動場に遊びに行こうかしら。
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新しいオンラインソフトはどうなったんですか?
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何よ。私がパソコンのことを分からないからって、そんな目で見なくてもいいじゃない。
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めも理ちゃんらしいですね。……せっかくですので、メモリのことでも勉強しませんか?
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嫌っ! 私は今から運動場へ行くの。
私が優雅に座っている目の前で、汗水たらしてあくせく練習している、運動部の男共を眺めにいくの。
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えー……。そうそう、運動場といえば、メモリも運動場によく似ているんですよ。
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メモリが、運動場に?
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そうなんです! めも理ちゃん、メモリと運動場にどんな関係があるか、知りたくありませんか?
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うっ、聞きたいかも。
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お任せ下さい。それじゃあ実際に、運動場に行って説明をするとしましょう!
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何よ~。結局、運動場に行くんじゃない。
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運動場
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めも理と窓太の4コマまんが 「部活動」 |
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もう放課後だから、みんな一生懸命練習しているわね。私も一生懸命、彼等の動きを観察することにするわ。
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めも理ちゃんも、たまには運動した方がいいですよ。
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そのうちね。
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それはともかく、メモリのことです。メモリはちょうど、この運動場のような仕組みになっています。運動場の中の部活動と、メモリ上のソフトは同じものです。
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部活動とソフトが一緒? それは一体どういうことなの?
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窓の杜高校には、運動場を使う部活動がいろいろありますよね。
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あるわよ。野球部、サッカー部、陸上部、ハンドボール部、ラグビー部、テニス部、ソフトボール部、カバディ部、……。
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それらの部活動は、全部同時に練習していますか?
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してないわよ。うちの高校の運動場はそんなに広くはないもの。1つの部活動でもけっこう運動場を使うでしょう。サッカー部が練習をするときは、ソフトボール部は運動場を使わないとか、きちんとローテーションを決めて使っているわ。
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メモリも同じなんです。ソフトウェアを起動すると、そのソフトはメモリをある一定量占有してしまうのです。サッカー部が、サッカーコート分、運動場を占有するのと一緒ですね。
例えば、メモリ128MB以上必要と書いてあれば、『メモリの広さが128MB分以上はないと、うまく仕事ができないですよ』と書いてあるということになります。
このソフトがサッカー部だとすると、この128MBがサッカーコートの広さになるわけです。
ちょうど、運動場で部活動が一定の広さを確保して練習をしているように、パソコンのメモリ上ではソフトウェアが一定の広さを確保して、仕事をしているということになります。
これは、場所取り合戦のようなものです。部活動は運動場で、ソフトはメモリ上で場所取り合戦を繰り広げているわけですね。
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じゃあ、運動場で全部の部活動が練習していないように、メモリ上でも全部のソフトは仕事をしていないの?
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めも理ちゃんも、ソフトを立ち上げ過ぎて“メモリが不足しています”という警告画面を出したことがあるでしょう?
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ええ、あるわ。じゃあ、あれは、狭い運動場に、無理矢理たくさんの部活動を練習させようとしていたのと、同じことだったのね!
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そうなんです。部活動と同じように、ソフトウェアを使う場合も、きちんとローテーションを決めて使わないと、限られたメモリ上の場所が足りなくなってしまうのです。
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分かったわ。じゃあ、同時に起動するソフトの数に気をつければいいのね。
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そうです。でも、ソフトによっては、メモリをたくさん占有するソフトもあるので、気をつけた方がいいですよ。
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分かったわ。運動場をたくさん取る部活動もあるというわけね。卒業生の寄付金で運動場にたくさん備品を入れて、我が物顔で振舞っている野球部のようなものね。
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え~、まあそんなものです。
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部室
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どうです? メモリの仕組みは分かりましたか?
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なるほど、メモリの中では限られた場所の、場所取り合戦が繰り広げられているわけね。
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よかったです。分かってもらえましたか。
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まあね。だって私は場所取りが得意だもん。
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えっ? めも理ちゃんは、場所取りが得意なんですか?
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そうよ。何せ、授業中居眠りしていて、はっと起きたら私1人で教室を占拠していることがよくあるもの。
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……それ、教室が移動しているんじゃないんですか?
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それは昨日! 今日は体育の授業だったみたい。
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毎日なんですか。せめて授業が終わったら目を覚ましてくださいよ。
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大丈夫。昼休みの時間は寝過ごさないから!
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今回出てきた用語の解説
【メモリ】 一時的に情報を蓄えておくパソコンの部品。絵を描いたり、動画を扱う場合などは多めに搭載しておくとよい。よく値段が上下するので、その度に話題となる。
【MB】 メガバイト。データのサイズの単位。バイトという単位が、1,000個集まったらKB(キロバイト)、100万個集まったらメガバイトとなる。さらに10億個集まるとGB(ギガバイト)となる。メモリなら、この値が多いほど、たくさんのデータを一度に扱えることになり、ハードディスクならたくさんのデータ保存できる。
(クロノス・クラウン:柳井 政和)